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第十九章 決断ふたたび
2018. 10. 26
第二回レベルアップクエストを翌日に控えた今日。
我々、五人の勇者達は多忙を極めていた。
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ソ「あ~やばい~やること多すぎ~万策尽きる~」
森「名言きたこれ」
ナ「張本人が言うとリアルやな」
サ「もう明日ですよ!見習い勇者、早くやることやって下さい」
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ソ「もう分かった。勇者はリーダーで物事を決める人。だから俺は何もしない」
森「お、悟りに入ったね」
ナ「なんでやねん!明日までにやらなあかんこと1人ずつ検証してみよ」
サ「まずはTシャツ出来ましたよ!」
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森「すごい数の試作品やね」
ソ「おーついにきたか、我らがギルド団が、身にまとう鎧が」
ナ「ちゃっちゃと色きめちゃいましょ」
サ「勇者、どれがいいんですか?」
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キ「ちょっとお待ち」
ソ「え?」
キ「アンタ、これはいったい何なの?」
ソ「何ってギルド団の鎧…」
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キ「クソが…」
森「ぇ」
ナ「今なんか聞いた事ない言葉が…」
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キ「全っ然分かってない!桜ヶ池クエストのイベントなのに何この色合い!?」
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ソ「いいじゃん、ちなみに、これが俺のイチオシ」
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キ「陸自に入隊しときなっ!」
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キツネの娘が言うには、色が地味だったり、あいけろさんのマークが見えなかったり、
桜と何も関係なかったりで、イベント感がまったくないじゃない。との事で…。
桜ヶ池クエストなんだから、なんで普通に「ピンク系」にしなかったの?
一応、言っておくけど、個人的にはピンクは好きじゃないけど、インスタ映えで考えたらピンク一択でしょ?
そんなことも言われないと分からないの?ねぇ?と言われた。
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サ「今から再発注なんて、絶対無理や~いやや~」
キ「グダグダ言ってないで、40秒で支度しな」
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こうして、私が先々週に試行錯誤を重ねて発注した試作品は、キツネの娘の一言で全没と化した。たぶん、明日のイベントには桜色のTシャツが並ぶことであろう。
サコディ、がんば。
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ナ「んじゃ、次!」
ソ「そもそもさ、明日の参加人数って何人なの?」
森「え~と……あれ……50人?」
ソ「あい。今回も満員御礼だな。じゃあ、次の報告は?」
…
…
…ん?
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キ「今、何人って言いました?」
森「…50人」
ナ「おかしいやん!募集人数20人でしょ?」
サ「それってもしかして…」
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もう1回計算してみたがやはり50人だった。
なぜかというと、今回は一般募集に加えて、同日に開催される間野山研究学会への参加者にも「桜ヶ池クエスト」の案内状を送り参加者を募っていたのだ。
その結果、重複が起き、一般募集20人。間野山研究学会20人。五人の勇者とスタッフなど10名。計50名となったのであった。
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ナ「無理やわ~さばけへんわ~」
森「ちょっと待って…よく考えたら、明日って、さらにマキパイセンの桜満開プロジェクトに参加される地元の方も来るんだよね?」
キ「それも足したら…70~80人?」
サ「万策尽きた~!!!!!」
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ソ「狼狽えてんじゃねぇ!!!」
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ソ「いいか。そもそも俺の目標は100人とかだったんだ。70人来たところで何とかなる!」
ナ「どうにかなるという根拠は?」
ソ「こ、こんきょ?みんなで頑張れば大丈夫でしょ?」
キ「昼食の準備があるので、私は厨房担当ですけど」
森「俺も同じく」
サ「僕も、間野山研究学会の発表準備があるので、途中抜けますけど?」
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ソ「え?じゃあ俺一人でやんの?」
ナ「一応、私もいますけど、2人しかおらん」
ソ「……そんなん無理やろ」
ナ「さっきから、そう言うてるやろ!」
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70名近い参加者への対応に人数が足りないと悟った我々は、各所へと応援要請を行うことに。明日までには、きっと誰かが手伝いに来てくれるはず。長老を召喚すれば1人で40人ぐらいはさばいてくれるはず。そうしよ。はい解決。
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ソ「次は?」
キ「そういえばギルド証は?」
森「それは大丈夫。シムラーに追加で30枚発注しといたから、予備と合わせて足りる」
ソ「おk。明日の伐採準備は?」
森「それもタカダシャチョーと打ち合わせ済み。機材含め全部OK」
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ソ「明日以降配る予定の活動パンフレットは?」
キ「ちゃんと完成してます。これです」
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ソ「お、いいね。順調になってきたね~。昼食のスペシャルメニュー開発は?」
サ「手配済みですが、地元、たいら産のきのこの入手に手こずっているようです」
ナ「結局、勇者なに作る気なん?」
ソ「明日まで内緒♡」
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サ「はい。はい。あ、参加人数が変わりまして50人分です。え……」
ナ「嫌な予感…」
サ「ソーマさん…例のモノの生産が追いつかないと連絡が…」
ソ「まじかよ!今回の目玉だぞ!」
森「例のモノってなによ?」
サ「地元、むぎやポークを使った勇者特製ビックソーセージ」
森「生産追いつかないって詰んでるやん」
ソ「俺は諦めんぞ…絶対に。絶対にだ!!!!」
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キ「私、産まれて初めて腸詰めしました」
サ「僕も」
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ソ「冒険も、地域振興も、腸詰めも変わらない。やる気があれば何でも出来る」
サ「無茶苦茶な理論…」
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こうして、我々、勇者五人は50人前のソーセージを作るという難題を見事にやってのける事に成功した。明日は俺たちが愛情を一杯こめて腸詰めしたソーセージを味わって頂きたい。無論、これ以外にも食事はあるので心配なさらずお楽しみに。
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ソ「疲れた~」
ナ「とりあえず、チェック項目は全部クリア。何とかいけるかな」
森「毎回、綱渡りやね…」
ソ「サコディは?」
ナ「Tシャツの取り換えに行った」
ソ「本当に行ったのか…キツネの娘、やることがエグイな…」
キ「ソ、ソーマさん!!!」
ソ「はい!」
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ソ「また…雨…だと…」
次回 第二回レベルアップクエストのイベントレポート掲載予定。
はたして天候の行方は?再び勇者の晴れオトコパワーは発揮されるのか!?
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