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東京

東京を離れて14年。長野県との距離はわずか150キロ、高速道路を使って2時間。とても近い。高層ビルより山が好きで東京のマンションから空気の澄んだ秋の朝に遠く、富士山や山のシルエットが見えると心が弾んだ。そんな子供。これって変わっていたのかな?

でも人間本当にないものねだりなのだ。最近、なんでもない東京の風景が無性に懐かしい。駅からの商店街、小さなグランドの学校、電車からの風景、遠くに見える焼却炉の煙突、ガスタンク。大きな団地群。桜が一杯になる水のない川にタコのすべりだいがあった公園。。豆腐屋のラッパの音に帰りを促すチャイム、たけーやーさおだけー笑、、

子供の頃の風景はやはりそれが人工物であってもどこか心の拠り所になるのだ。もう戻れない時間の感覚。なんの迷いもなくその日を、その時を生きれた穏やかなココロ、ニオイ、

人はなぜ昔を懐かしむのだろう。動物たちも同じようなことを考えるのだろうか?なぜこんなにも胸が締め付けられるのか?子供に戻りたい?それもある。リセットボタンがあったら押したい?・・・答える勇気がない。

いや何度生きても同じだ。だって自分が自分で選んだ道だったから。それに納得し、その選択を愛せたとき、はじめて自分を肯定できる。間違ったと思った選択も間違ってなんていない。それしか選べなかったのだ。

懐かしく思える街があることに感謝しよう。顔が思い浮かぶ友達がいることに感謝しよう。東京という街に暮らせたことに感謝しよう。雨の日に遠くに浮かぶぼんやりとした東京タワー、この混沌が生む自由と暖色の温かみ。東京大好きです。


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