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ショートショート

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短編や長編の草案も兼ねた、300〜3000文字くらいのショートショート集です。ナンバリングが100いくまではとりあえず毎日更新。100いったので更新停止。気が向いたら再開。
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記事一覧

ショートショート100:新年を迎えられなかった人たち

「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」  元日の朝、僕は親戚の家…

桜田一門
9か月前
2

ショートショート99:よいお年をお迎えください

 そのオフィスビルの一階には案内用の受付ロボットが配備されていた。  動物をモチーフにし…

桜田一門
9か月前
2

ショートショート98:困ったときに吹く笛

 旅人は道中の酒場で大魔法使いの女と仲良くなった。  一晩飲み明かした朝。先を急ぐという…

桜田一門
9か月前
2

ショートショート97-②:友情努力勝利!

「ちょっと来てくれる?」  案内されたのは二階の角にある部屋だった。扉のところには木製のプ…

桜田一門
9か月前
1

ショートショート97-①:友情努力勝利!

 俺の一週間は友情、努力、勝利から始まる。  資格関連の講義を受けるために後期の毎週月曜…

桜田一門
9か月前
3

ショートショート96:大怪盗の置き手紙

『明日の午前0時きっかりに、あなたのお宝を奪いに参上いたします 怪盗・石川キッド3世』  …

桜田一門
9か月前
3

ショートショート94:サンタの正体

 クリスマスも間近に迫った12月のある日のこと。  田中くんがいきなり僕の机の方にやってきて言った。 「山元、サンタさんの正体って知ってるか?」 「……サンタさんの正体?」  僕は首を傾げて問い返す。 「サンタさんはサンタさんじゃないの?」  すると田中くんは一緒にいた上田くんたちと一緒に口元を抑えてぷぷーっと含み笑いをした。 「山元、もう高学年なんだからさ? いつまでも夢見るのはやめようぜ?」 「どういうこと?」 「サンタさんが実在するわけないじゃん?」

ショートショート95:ミスの天才

 私の部署にはどれだけミスをしても異動にならない不思議な社員がいる。  最近彼の世話役を…

桜田一門
9か月前

ショートショート93:七面鳥のクリスマス

 七面鳥のクリスマスは実に賑やかだ。    大きなログハウスに親戚一同が集まって、まずはみ…

桜田一門
10か月前
2

ショートショート92-②:ブンリシコウ

「できたか?」 「プロットは出来た。原稿も三分の一くらいは」  翌日の夕方。  大学の講義を…

桜田一門
10か月前
3

ショートショート92-①:ブンリシコウ

「よし、消そう」  僕は一時間ほど迷った挙げ句、文書ファイルのゴミ箱ボタンにカーソルを持っ…

桜田一門
10か月前
4

ショートショート91:ある日空から美少女が

 休日にふらりと出かけた街の片隅に、小さな神社を見つけた。    長い石段を登った丘の中腹…

桜田一門
10か月前
5

ショートショート90:無敵バリア

 少年はある朝目を覚ますと”無敵バリア”を手に入れていた。  無敵バリアは非常に便利な力…

桜田一門
10か月前
5

ショートショート89:憂鬱な金曜日

 検索サービスとオンラインショッピング、そしてハードウェア開発で世界シェア1位を獲得している世界最大のIT企業は、そのオフィスの豪華さでもよく知られている。  完全無料の社員食堂に、最新マシンが揃うトレーニングジム、ワークアウト後にありがたいスパ、無料の映画館、ゲームコーナー、常時50%OFFで買い物ができるショッピングモール。さらにはほぼすべての従業員に専用の個室まで用意されている。従業員の多くは終業後に映画を楽しんだり、買い物を楽しんだりしたいがために効率よくタスクを片