Wolves23-24選手評

はじめに

開幕前のゴタゴタに始まり、終盤戦は見事なまでの尻すぼみと内容の渋さで後味の悪いシーズンになった23-24シーズンでした。下馬評を覆す?14位という成績で終わったものの、来季への不安が溜まる終わり方となりました。

とりあえずシーズンが終わったことを祝して選手評、監督評を主観マシマシで書いていきたいと思います。よければご覧ください。思うことがあればドシドシ意見ください。

結果

PL-14位(EVEの勝ち点剥奪がなければ15位)
FAcup-QF敗退
EFLcup-3R敗退

選手評


評価の目安は以下の通りです。
A→素晴らしい、欠かせない戦力(コア級)
B→良い、プラスを作れる戦力(スタメン級)
C→普通、少し成長すればプラスになり得る戦力(当落上級)
D→渋め、頭数にしかならない戦力(控え級)
E→実力不足、頭数にすらならない戦力(戦力外)

GK

Jose Sa B-  total:3518m(PL:3038m)

今季で加入3季目となった守護神。過去2季に比べると失点に直結するミスが目立った印象は否めないが、ビルド以外の面では安定して良いパフォーマンスを披露していたといっていいだろう。純粋に足元の技術とキックの質が低いが、何より判断の質がかなり低く、苦しい味方に楔を付けてピンチを招く回数も少なくなかった。チームとしてどうするかといった部分の設定が成されていないことからより彼のビルド能力を露呈してしまうこととなった。また今季は連係面でも少しミスが多かった印象。周囲との連携力を上げつつ、チームとしてビルドの出口設定などを行えばより輝くことはできるようになるだろう。

Daniel Bentley D+ 562m(382m)

主にEFLcupとsaが離脱時にゴールマウスを務めてくれた。控え枠としては全く問題のないGKだった。saほど理不尽にゴールを守る能力はないが、控えとして問題なく勝ち点に貢献できる選手。HG枠として編成を組めるのも当然に大きい。純粋にGK能力を底上げすれば守護神の座も見えてくるが、現時点では中々難しいだろう。

Tom King X 0m(0m)

出場時間0mの第3GK。プレーの印象はもちろんないが、練習動画を見るとムードメーカーだったりするのかなという瞬間もちらほた。第3GKはそのような精神的な部分での貢献が大事だと思うので、わからんけどありがとう。

CB

Max Kilman B+ 3981m(3420m)

nevesの後を継いでキャプテンマークを今季から巻いた左利きCB。終盤は疲労からかわからないが少しパフォーマンスレベルが落ちたが、シーズン通して、空中戦は強い、前で比較的潰せる、カバー範囲が広い、など守備面の能力の高さはさることながら、攻撃面でも運べるしフィードも蹴れる素晴らしいCBとしてチームに貢献した。パフォーマンスのアベレージは高いが、失点に直結するミスがやや多かったので印象があまり良くないのと、本職はLHVの選手なのでどこまで言及すべきかがわからないが、逆足である右をあまり上手く使えないことがピッチで少し後手に回る原因にもなった。今季はキャプテンとしての資質ばかり取り上げられて批判されるシーズンになってしまった。顔も爽やかで知性があるように見えるが、実際は指示役というよりは使われる側として良い意味で責任感のないプレーをさせた方が彼の持ち味は出るのだろうと思う。来季はLHVもしくはLCBとして得意な左足でプレーする頻度を増やすこと、最終ラインの纏め役と同時起用で自由にやらせることなどを期待して評価を高めてもらうことを願う。フィードに自信があるのは素晴らしいが、やや前に急ぎすぎてロストに繋がることが多いのでその判断は要改善。

Toti Gomes D- 3407m(2777m)

紛れもないフィジカルエリート。足が速い、デカい上に跳躍力があり空中戦にも強い。ドリブル技術が高く、意外?に相手の逆を取る動きが上手い。フィジカル水準は間違いなくプレミアでも上位のレベルだろう。一方で、攻守ともにあまりに判断の質が低い。判断の質だけでいえば正直プレミア水準に到底届かないレベルだろう。ドリブル技術は比較的高いのだが、単純なトラップ技術とパス技術が低い。止める蹴るの技術の低さと判断の質の低さが相まって、責任転嫁パスを連発するし、プレスの餌食になり(これは監督の設計の悪さもあるのだが)ロストを頻発する。またパスレンジも狭く、視野も狭い。CB2番手としての稼働率は素晴らしいの一言だったが、正直に言えば中堅クラスのスタメンとしては物足りなすぎるレベルだった。前述のとおり空中戦が強いのだが、弾くことしかできず、余裕がある場面では味方に付けるといったこともできず、弾けるけどその後の処理が安定せずロストに繋がるといったことが多すぎた。フィジカルは素晴らしいので判断と足元の技術が向上すれば素晴らしいのだが、今季の成長度合いを見るに中々難しそうだと思ってしまった。

Craig Dawson D 2312m(2211m)

昨季の残留の立役者。英人らしいCB。CCBとして一気に大外まで飛ばせるフィードは間違いなくチームとしての武器であった。また守備面ではスペースを管理した上でのシュートブロックや空中戦では問題なく能力を発揮してくれた。一方で、失点に直結するミスが多く、クロス対応ではボールウォッチャーになりがちで判断が悪かったり、ディレイすることなく突っ込んで中途半端の対応で被カウンターに成す術もなかったり、ボックス内でのあまりに軽率な対応が多かった。攻撃面では、CCBとして出したフィードの質は良いが、選択肢の持ち方が悪かったり、単純に足元の技術不足で保持局面での渋さは否めなかった。申し訳ないが衰えを感じるシーズンとなってしまった。

Santiago Bueno D- 1306m(826m)

ジローナから加入のバルセロナ下部組織出身のウルグアイ人CB。嵌っていると認識したら前に上がり相手を引き付けてGKへのパスコースを作ったり、可能であれば運んで選択肢をしっかり持てるCB。一方で慣れの問題もあるかもしれないが、守備面では比較的全局面で後手に回ることが多かった。相手に付いて守備をする際に入れ替わられるのを怖がっているのかわからないが手をかけすぎてファールを貰いすぎ。屈強な相手に対してもう少し上手く体をぶつけられるようにならないと厳しい。今季の扱い的に来季以降爆発的に出場時間を延ばすとは考え難いが、リーグ慣れが低調なパフォーマンスの原因ならば上手く出場時間をもらえることを期待したい。

FB

Nelson Semedo B+ 3484m(3094m)

代表復帰も果たし、EUROにも招集されたポルトガル人RFB。まず言及すべきはシーズン通してかなりの高水準で安定していた対人守備と継続的な上下動性能だろう。昨季に続いて三笘氏にタコられた以外は対人性能で穴を全く作らなかったし、攻撃面では常に大外でボールを引き出して高い位置まで進出してくれた。一方で、高い位置までボールを運べるもののクロス精度はとにかく物足りず、足元の技術も優れているのでもう少し上手く駆け引きできなかったのという感じはある。守備面はクロス対応が下手で何回も失点してた。あとはわざわざ言及するほどのことではないのかもしれないが、オーバーラップしてきたSBに付いていけって指示を出されてるのにボールホルダーに食いつきすぎて危ない場面もまあまああった。渋い場面はあったがシーズン通してハイパフォーマンスだったといえるだろう。来季は開幕3試合停止なのを笑い飛ばせるぐらいのクロス精度見せてネ。

Rayan Ait-Nouri A- 2669m(2343m)

今季飛躍したといえるだろうアルジェリア人男性。足元の技術は21-22段階でも素晴らしかったが今季さらに磨きをかけた印象。足元の技術が伸びたというよりは、相手を見てプレーできるようになったことにより足元の技術を活かせるようになったといった方が正しいのかもしれない。大外性能を評価すべき選手というよりかは、そこから絞っても受けられたり、場合によってはムラはあるものの高い位置での間受性能まで担えるポリバレントな性能を評価すべき選手だろう。WBとしては純粋なクロスはそこまで得意ではなく、浮いている人を見つけてマイナスに通すクロスが非常に上手い。今季はSB起用ではなくWB起用になったことで守備負担も減った。守備面での判断、集中力の部分が改善されたかは正直そこまでわからない。プレーの幅も素晴らしいしビジョンもわかるので、あとは精度を上げることかな。ワールドクラスになってくれ。

Matt Doherty E 1672m(1135m)

ステップアップをした後、Wolvesに戻ってきてくれたアイルランド人FB。逆サイドにボールがある状態で中に入ってくる動き、雑な空中戦など強みはあったが、その他の水準があまりにも低く、正直中々厳しめのクオリティではあった。本職のRWB起用以外にも監督からの信頼があるのかLWBでの起用もあったが、左足を使えないので前向きの選択肢をもてなかったり、そもそも右に置かれてもそうだが個での打開力に欠けてたりと中々プラスになることがなかった。プレー選択が消極的すぎたのも印象としては良くない。doherty自体はロストをしていないが、仕掛けるべき場面で仕掛けられないことはチームとしてマイナスであり、dohertyのプレー選択が負の影響を与えていた場面もかなり多い。まあこれは監督の起用責任もかなりあるのだが。彼のインナーラップの強みなどを活かせるようになればまた面白い存在なのかもしれないが、スピード関連でそこまで強みがないのに加えて、単純な足元の技術も低く扱いが難しいところである。

Hugo Bueno D+ 830m(726m)

昨季デビュー、今季は開幕前からチームへの忠誠を誓ってくれたスペイン人純正FB。昨季に比べてトラップ技術の向上、また抽象的にはなってしまうが粘り強く戦える選手になった。とはいえまだまだスタメン級には遠く、守備面でも課題は多い。今季は想定以上に出場時間を貰えず、厳しいシーズンであっただろう。攻撃面は純正FBとして質を高めることに期待し、一番の課題は守備面なので来季は上手く使われてより戦力になることに期待したい。

CM

Mario Lemina A 3261m(2975m)

広い守備範囲と高強度な守備力をもちつつ、攻撃面では運べるしそこそこフィードも蹴れるボランチ。今季は飛び出していく役割を与えられて前に出ていくことも多かった。意識として割と前がかりになることが多く、自陣ペナ内での対応が少し怪しい。簡単にパスをして受け直せばよかったりする場面でも無駄にドリブルを試みて奪われそうになる悪癖もある。試合を通しての集中力に欠けると表現すればよいのか、仕事を忘れて他の選手の動きに文句を言ってしまう場面も散見された。自分で何とかしようみたいな行動が良くも悪くも目立つ場面があり、もう少し効率よく周りを使える場面が増えるとよい。

Joao Gomes A- 2869m(2663m)

序盤はスタメンには少し実力不足な感じはあったが、積極的なタックルの姿勢はそのままに、シーズンが進むにつれてオンザボールが向上しロストの回数が減り、推進力やキープ力が増した。ただ積極的な守備が良さとは言え、まだまだ不必要なファールが少し多すぎる。プレミア戦士相手にフィジカルで優位に立てるタイプではないので、予測力やタックル技術などを磨いてクリーンに奪える回数を増やしたい。また積極性が持ち味であると同時に突っ込みがちな部分もあるので、上手く自分のスピードをコントロールして対応する技術を身につけたい。戦術的な指示のようにも思えるが、持ち場を離れてボールホルダーにアタックしに行く場面が多く、諸刃の剣となっているので、出ていく判断をするなら精度を上げたい。後半にかけてオンザボールに磨きがかかってきたのは非常に素晴らしい。積極的にボールを刈りにいって入れ替わられることも少なくないが、刈りに行くのがgomesの良さでありやるべきことの方向性は間違っていないので、あとは精度を高めていってほしい。パス精度がまだまだ渋いので来季は特にこの部分に期待したい。

Tommy Doyle C+ 1749m(1213m)

MCI産らしく相手を見てプレーできる所謂ボールプレイング系の選手。相手のベクトルを折る動きが上手い。サイドに振り分ける長いパスや、相手の矢印を外しての縦パスも上手い。一方で背後に落とすパスは見えているけどもカットされるなど精度がまだ甘い。キックで違いを出せる選手として、よりパスの質が上がってきたら面白いと思う。展開力がウリではあるが、他の部分で現状秀でたものがあるわけではないし、将来を考えてももっともっと展開力を磨いていきたい。意外と?ファイター気質な部分もあるが、どうしても身体能力的に高くはないので難しさはあり裏目に出ることも少なくない。ただシーズンが進むにつれて、相手との間合いを考えてスピードに乗らせない守備をして的確に対人をできるようにはなっていたので、来季も自分の苦手を上手く隠す巧みさを磨きたい。doyleみたいなタイプはどうしても周りの動き次第で輝きが変わるところもあるので、ピッチ全体で整備が進めばより驚異的な存在になれるだろう。サイドに振り分ける長いパスや、相手の矢印を外しての縦パスは上手い。一方で背後に落とすパスは見えているけどもカットされるなど精度がまだ甘い。キックで違いを出せる選手として、よりパスの質が上がってきたら面白いと思う。

Boubacar Traore C- 997m(803m)

ターンの技術だけでいえばボランチの中で一番上手い。ボールの晒し方にセンスを感じさせてくれる。また身体能力にも秀でており、アフリカ人らしくフィジカルがグッとでてくるのが良い。doyleの陰に隠れている&o'neilがそういう使い方をしていないのであまり認知されていなさそうな気がするが、割と展開系の選手でありdoyleに近いタイプだと思う。身体能力が高い分雑に使われがちで適性外の役割やポジションをやらされているが。doyleよりも展開力に粗があるものの、個人で剥がす能力や純粋な守備範囲と強度で上回る。自分のスピードをコントロールしきれずホルダーにチェックにいきファールを与えてしまったりが多い。これをコントロールできたり、埋めるべきスペースとマークを認知できるようになったらかなり面白い。

AM/WG

Matheus Cunha A+ 2771m(2453m)

適性のシャドーストライカーでついに爆発したブラジル人。シャドー位置でボールを引き出して得意のゴリゴリドリブルで打開したり、大外に出てドリブルで勝負したりと、シャドーとしてやってほしいことをしっかりやってくれる選手。カウンター時は数的不利でも関係なくゴールまで完結してくれる稀有な存在。一方で少し足元の意識が強すぎる場面が多く、シンプルに走って使われたら良いのに、降りてきて受けにきてしまったり、走らず足元で受けようとしてしまうのが勿体ない。また頑張れる選手なのは間違いないのだが、サボっているわけではないが試合を通してトランジション意識が希薄な場面が散見される。そこで戻ってたら回収できるだったり、相手から奪ってフリーで高い位置で受け手になれるみたいな場面も希薄なトランジション意識によりチャンスを不意にしている場面が多いわけではないがちらほら。運ぶ技術は高いし馬力もある、ドリブルする場面とシンプルにランニングしてボールを引き出す動き、また味方に簡単に預けて動き直すなどを上手く使い分けられるようになると本当に怖い選手になると思う。今はドリブル意識が強すぎる。周りを信頼し切れていない様子が伺えるし、周りのクオリティ的にも難しいところはあるが、とはいえ周りを使った方がcunha自身の良さも活きるしチームとしても強くなるので、この先に期待したい。ボールを持てば歓声が上がる男。キャリーすれば期待感がある。チームの構造上ある程度仕方ない部分ではあるが、密集でも無理をしすぎたり前方向へのベクトルが強すぎてロストが多い。来季の更なる飛躍に期待。

pablo sarabia B- 2166m(1749m)

昨季は適応に時間がかかりイージーミスが抜けない印象だったが、今季はTOT戦での数分での大活躍とnetoの負傷離脱をきっかけに能力の高さを見せつけた。前進のプランに乏しいo'neilを助けるように、ピッチ全体に動いてボールを動かす潤滑油のような役割、気が利くプレイヤーである。推進力とスピードはないが、左足から美しい弧を描いて幾度となくチャンスを演出した。チャンスクリエイト能力の高さは素晴らしく、また同ポジの他の選手に比べて一人異なる能力を持っているのでチームとして幅をもたらせてくれる存在であった。足自体は速くないが、機を見て1.5列目から飛び出してくる動きの質は高い、何回もこれに助けられてる。ただo'neil政権では個でなんとかできる推進力を求めている部分が多く、なかなかスタメンに定着するのは難しいという感じはある。もっとチームとして設計がはっきりすれば能力は高いので素晴らしいピースになるはずだが、o'neilがそこまでの設計はできないので難しいところ。終盤にかけて自ら相手を剥がして前向きの状態を作れる回数が増えたのは素晴らしかったが、そこから運ぶことはできないのは能力の問題ではあるのである程度仕方ないがやはり物足りなかった。

pedro neto B 1729m(1519m)

稼働率が低かったのはどうやっても難しいが、とはいえ出場時は必ず見せ場を作れる快速WG。初速も加速も早く、おそらくどんな相手でもぶち抜けるスピードを持っている。またカットインからのニア抜きなど、今季はRWGとしての幅を広げ、選手としての価値を大きく高めた。大外性能は間違いないが、これに固執するがあまりチームとしての最適な構造を無視してしまい停滞の要因になってしまったのも事実。間受性能も絶対的な質こそないがそこそこ以上はあるので我慢してこの役割に担ってくれる場面もほしかった。ドリブル時にタッチが大きくなることが少なくないので精度はまだまだ課題。

jean-ricner bellegarde C+ 1264m(958m)

ボランチとしての獲得だったのか1.5列目としての獲得だったのかわからない枠。身長は高くないものの身体能力は高く推進力を持ち合わせる選手。中央での間受性能が一番の持ち味で、得意とまでは言い切れないが大外まで出た時にもそれなりに仕掛けられる選手。抜くドリブルというよりかは剥がすドリブルを得意とする選手だろう。視野の確保が不十分だったり、判断の質と精度が低かったり、リーグ慣れできていないのが理由かはわからないが能力以上に力を発揮できなかった印象。また控え組ということもあり、本職の1.5列目に起用時間は実際の半分程度しかなく、WBをやらされたりCFをやらされたりと中々起用のされ方も恵まれなかった。スタメンを確保する能力水準自体はあるので、ひとまず1.5列目としてリーグ慣れを通じて自分の能力を発揮することを目指したい。

tawanda chirewa E 151m(139m)

今季デビューの下部組織出身組(イプスウィッチユースから移籍してきたらしい)。正直プレータイムがあまりなく特徴を把握するところまでいっていない。単純な技術レベル、強度と継続性を見た感じはまだまだプレミアリーグの控えの水準としても難しいと感じた。ローン先で頑張れ!

CF

hwang hee-chan A- 2248m(2123m)

今季は裏抜け特化型CFとしての境地を開拓。相手の背後を取ってボールを引き出す動きは今季特に磨きをかけた。また両足で変わらない精度で成せるゴール前での切り返しとシュートはプレミアでも違いを生めるクオリティ。フィジカルも弱くはなく、調子が良い日は背負ってなんとかできるときもある。一方降りてきて叩く動きや楔を受け取るオンザボールは粗さが否めない。酷い日は全タッチミスってるんじゃねえかってぐらいミスる。常に背負うことを計算できるほどではないので、前線で引き取れない日はチームとして厳しくなることも。粒立てて言うほどのことでもないが、簡単なボール、足元に転がってきた超イージーボールを外すことは結構ある。

leon chiwome E 206m(176m)

今季デビューの下部組織組。単純にまだまだのレベル。ローン先で頑張れ!

nathan fraser E 349m(182m)

カップ戦などでは結果も出したが、プレミアリーグの水準にはまだまだの下部組織組。ローン先で頑張れ!

監督

gary o'neil D+

素晴らしかった点から書いていこう。まずはプレスを整備できる監督だということ。ときたま無秩序になってしまうときも散見されたが、基本的にはむやみやたらにプレスをかけずに連動して相手を囲い込むことができる。ときにはオールコートマンツーマンでプレスをかけたり、同サイド圧縮してプレスをかけて奪う整備をしたりという設計ができる監督だ。加えて中盤でガツっと奪える選手(主にleminaとgomes)を起用することでその守備は輝きを増し幾度となくカウンターに繋げることができた。またプレス一辺倒ではなく、相手を見て守備を選択することができ、相手によってはそこまでプレス意識を強めすぎず、リスクを管理してブロックを組んで撤退することを選べる、守備おいては非常に現実的な選択をできる素晴らしい監督だ。自身を「戦術家」と称していたが、守備を見ればその発言も頷けるだろう。
次に、戦えるチームを作れるということだ。シーズンを通して選手のコンディションが悪かったりということはあっても、選手たちが戦うことを諦めているという場面はあまりなく、これはo'neilのモチベーターとしての資質を表しているだろう。

酷かった点を書いていこう。まずは選手の戦力を把握する能力が著しく欠けていることだ。使うべき選手を使わず、使うべきではない選手を使う。明らかにピッチ上でボトルネックになっているにも関わらず起用や起用法をあまり変えず、結果徒に勝ち点を失ったのみならず、若手の出場時間を奪ってしまったり、主に新加入選手のチームへの適応を遅らせることとなってしまった。
次に、シーズンを走り切るのが下手すぎることだ。シーズンは毎試合フルパワーで戦えばよいわけではなく、シーズン(38試合)で勝ち点を最大化するように戦う必要がある。コア級の選手だったとしても、起用が続けば疲労が溜まりパフォーマンスレベルが落ちることもあるし、最悪の場合は怪我での離脱もある。これらを上手く管理するために、使える試合では控えの選手を活用する必要があるのだが、o'neilは頑なにスタメンを変えなかった。結果怪我人が重なる不運はあったにせよ主力は怪我で離脱し、使うべきタイミングで使われない控え組が上手く戦力化することはなく想定以上に勝ち点を拾えなかった。(怖い話をすると、o'neilはこれをおそらく理解しておらず控えの実力不足と一蹴していることだ)
加入当初、粗はあるがそれなりに良さを見せていたbellegardeは、適性外のCFで起用されたり、雑にWBで使われたり、チームシステムへの適応時間とはいえない交代投入での起用となったり、本職で使われる時間が少なすぎた。随所に輝きを見せていたboubacarも、途中起用時は本職ではなく雑にオープンな展開で走るだけのタスクを与えられがちだったり。控え組がスタメン奪取を奪うチャンスがなさすぎるなど、シーズンを通しての戦い方が下手すぎた。
次に、ビルド時も崩し時も設計に乏しすぎることだ。ビルド時、必要以上に保持の形を見せる割には、ボールを前進する設計が皆無すぎるので相手のプレスに対して低い位置で失い即ピンチを招くし、放棄するならどこかでボールと選手の待ち合わせ地点を作りたいが、それもないので回収率も低い。崩し時、選手の質はそれなりにはあるのでなんとなく運べるが、ゴールへの設計がないので決まった形でゴールを窺えない。o'neilの何かしようとする姿勢は大変素晴らしいのだが、ただ姿勢が素晴らしいといえどチームの勝ち点にプラスになっていない現状、その姿勢を手放しに称賛することはもちろんできないだろう。

Gary O'neilは素晴らしい監督だろう。残留という目標を掲げるチームにとっては。

おわりに

長々と書きました。14位を成功と捉えるか、失敗と捉えるか、各選手、監督の仕事ぶりを素晴らしいと捉えるかは人それぞれだと思いますが、自分の意見は上の通りです。チームが正しい方向に進むことを願って、場合によっては来季も楽しみたいと思います。閲覧ありがとうございました。

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