Wolves23-24前半戦振り返り


はじめに

開幕直前の監督交代に加えて多くの選手放出&財政難による補強の難航と苦しい開幕前から雲行きが怪しかったWolves。開幕2連敗から始まり監督解任も囁かれた中なんとか踏ん張り、20節を終えて11位につける大健闘。

前半戦の選手と監督の評価をお決まりの独断と偏見で勝手に下しつつ、冬の補強予想と後半戦の展望を書いていこうと思う。

A→素晴らしい
B→普通
C→残念

GK

Jose Sa B+ 1553分

珍しくハイボール処理のミスが今季は幾つかあるが、それ以外は相変わらずの安定感。特に今季初勝利を飾ったEVE(A)戦のパフォーマンスは素晴らしく、あそこでの勝利がなければチームは崩れていたかもしれない。課題とされているビルドアップは相変わらずPLでも下から数えた方が早いレベルで、簡単な楔を刺せない、左足をほとんど使えない、判断の質が非常に低い。O'neilがそこそこ保持の色を見せるため、放出候補になる可能性も少なくない。サウジアラビアからの魔の手が伸びているとの噂もあり、早ければ今冬にも動く可能性アリ。

Daniel Bentley B 427分

Saの怪我もありPLでの出番も得た2番手GK。Saのビルド能力が低すぎるのもあるが、Saに比べてビルド能力は良いもののそれ以外は勝てていないため、控えの域は超えない。ただ控えとしては十分以上の能力水準。後半戦はFAcupを中心に出番を得ると思うので、そこに期待。

Tom King X 0分

ナイス3番手。

DF

Max Kilman A- 1881分

今季よりキャプテンとなった元フットサル代表。足の速さを活かしたカバー範囲の広さや、同サイドへのフィード性能は渋いものの対角に飛ばすフィードは素晴らしく、足元の技術も卓越しており、能力水準が高くチームに欠かせないCBであることは間違いない。逆足である右足の技術は高くないため、前半戦は不慣れな右HVをやらされ課題は残るものの、個人性能の高さで後半戦も引き続きチームを最終ラインから牽引していくことだろう。今冬に右HVの補強が示唆されているので、上手くいけば左HVに入り得意なポジションで本領を発揮するだろう。

Craig Dawson B+ 1581分

昨冬に加入したいぶし銀CB。鈍足だが予測力がそれなりにあり、マンツー気味の潰しのタスクをしっかり遂行。足元は下手で覚束なく持ち方も悪いが、リスクを冒したフィードはそれなりの精度をもっており、盤面が硬直しがちなWolvesの攻撃を一気に加速させることもできる。空中戦の強さは相変わらず。ただボックス内での守備対応はだんだん怪しくなっている。

Toti Gomes B 1466分

ポルトガル代表にも招集されるなど、昨冬あたりから徐々に評価を上げ始めた。特に足の速さはスペースを空けがちなWolvesの守備を支える素晴らしい武器となっている一方、相手と正面から対峙した場面では簡単に剥がされることも多く、フィジカル勝負以外ではそこそこPLで分が悪い印象。ドリブルスキルはCBにしては高く、NEW戦でのアシストなど印象も良いが、トラップの基礎技術は渋めでプレスの餌食になりがち。ルーズボールを味方に繋げる力がかなり弱いので、個人的にはここの改善に期待したい。身体能力は間違いないので、基礎技術が積めれば有数のCBになる可能性は秘めている。

Santiago Bueno B- 296分

おそらくDawsonに代わるスタメン枠として補強されたウルグアイ人CBだが、Dawsonの後塵を拝す形でベンチを温める日々が続いている。Dawsonからさっさとポジションを奪ってほしい。Dawsonに比べてリスクを冒さないビルドアップが良くも悪くも印象的。ただリスクを冒さず無難なプレーを選択しているわけではなく前線に供給するチャンスを窺っている様子は見えるし、Dawsonに比べてボールの持ち方は上手いので、どこかで評価を上げるような気はする。SantiがDawsonからポジション奪わないと編成が難しくなるので、後半戦に期待。

Nelson Semedo B+ 1638分

Mitoma氏にはボコられたものの、Garnacho、Dokuを抑え込むなど今季は守備面での貢献がすごい。一方攻撃面はイマイチと言わざるを得ないパフォーマンスで、最終局面のクオリティが中々上がってこない。ただWBとして大外を大胆に使える能力は持ち合わせているので、後は本当に最後の精度だけ。直近の試合ではsarabiaへのアシスト未遂など徐々にクオリティは上がってきている印象。後半戦に期待。

Matt Doherty B 596分

今夏フリーで加入し見事に控えの穴をしっかり埋めてくれているベテラン。Semedoと比べて純粋な大外を使うWBではないため、中々見せ場に欠けるが、逆サイドにボールがあるときにペナ内まで入ってきて攻撃に厚みをもたらす役割は素晴らしく、守備面では穴にはならないレベルの対人とそこそこ強い空中戦で貢献。ここからプレータイムを伸ばすとは考えにくいが、控えとしていてくれるだけで有難い存在。

Rayan Aitnouri A- 1277分

Lopetegui政権では戦力外扱いで移籍先を探していたが、Lopetegui退任でスタメン復帰、持ち前の足元の卓越した技術を武器に、攻撃面では思い切りの良いドリブル、剥がし、単騎でのプレス回避性能など才能を余すことなく発揮。昨季途中には絶望的だった判断の質も改善傾向にあり、再びワールドクラスへの階段を歩み始めた。WBに配置されることで守備面の怪しさも目立たなくなり、システム変更の恩恵を大きく受けた一人だろう。後半戦でどこまで伸びていくか期待。

Hugo Bueno B+ 442分

怪我に苦しみつつ、控えとしてプレータイムを稼ぐ期待のユース組。昨季は厳しかったトラップ精度も今季は良くなっており、全体的に能力向上が窺える。武器であるクロス精度は相変わらず高水準だが、シザースでタイミングを窺いつつ縦に抜いてのクロスしか得意なことがなく、プレーの幅が少し狭め。攻守ともに良くなってきているため、縦にズラしてのクロスの他にもう一つなにか戦える武器があるとPLでも十分戦える選手になれると思う。AitnouriのAFCON離脱でどのくらいプレータイムを得るかはわからないが、試合ごとに成長していく姿に期待。

Jonny Otto C- 184分

攻守共に属人的で身体能力を求めるO'neilには合わず、練習で問題を起こしてトップチームから離脱。今夏に放出を断り、チームでポジション争いをすると誓ってくれた選手にとってはあまりに残酷で虚しい結末になってしまったが、能力水準自体は低くないので良い移籍先を見つけてくれることを願う。

MF

Mario Lemina A+ 1474分

アスリート能力の高い中盤として、守備範囲の広さとボール奪取能力で貢献。TOT戦あたりからは加えて前線に飛び出す役割をやったり、盤面に応じて最終ラインに降りてビルド補助したりと忙しい。前半の前半戦ではビルド能力に怪しさがあったが、TOT戦あたりからはビルドでも違いを見せ始め、攻守共に様々な局面で中盤の支配者に君臨。安心感が半端ない。個人的前半戦MVP1。

Joao Gomes A 1406分

PSMの最終戦では印象的なオンザボールを見せていたものの、PL基準ではやはり物足りなさが否めなかったが、前半戦の終盤で突如覚醒。持ち前のボール奪取力はそのままに、高い位置でのパスのクオリティとボールスキルが向上。Leminaと共に中盤を支配。後半戦は余程のことがない限りLeminaと共にスタメンで出続けるだろう。後半戦で個人的な最注目株。一気に評価を高め価値を上げてく予感。

Boubacar Traore B 548分

スタメン出場は少なく出場時間は多くないが、そこそこの展開力と出足の速い守備とオンザボールで貢献。なにがなんでもファールで止めるマン。課題は守備時にボールウォッチャーになりがちで埋めるべきポジションとマークを的確に遂行できないことか。Lemina、Gomesに加えて展開力で違いを生めるDoyleもおり、中々出場時間は得づらいだろうが、物怖じしない強気なプレーで上手くプレータイムを得てほしいところ。

Tommy Doyle B+ 497分

ManCityからの買取OP付きローンで加入した長短問わない展開力がウリのボランチ。攻撃面は期待通りのパス捌き。周囲の動きが良くなってこればより怖さを増してきそうだ。一方、身体能力は今一つで、LeminaとGomesに比べて無理が効かないのは悩みどころ。身体能力を補う予測力がついてこればスタメン奪取も夢ではない。昨季はダイナミックさも評価されていたらしいので、PLでもそれが発揮できると良い。多分買取りはするだろうなという感じ。格安OPだし買い取らない理由もない。慣れて球際でも五分以上でやれるようになったらかなり面白い。

FW

Matheus Cunha A 1711分

PSM含めてLopetegui政権では9番起用で苦しい日々を送っていたが、BOU(A)戦のSS起用を機に爆発。バイタルでボールを受けてパワフルなドリブルで打開したり近い距離間でパス交換をしてペナ内に侵入したり、CFが空けたスペースを活用したりと、9.5番として躍動。プレス志向のO'neilにピッタリの守備の献身性も持ち合わせており、間違いなくチームの軸に君臨。個で剥がせる推進力を活かしたオープンスペースでの躍動も素晴らしいが、ポゼッション時にも嫌なところに顔を出して崩しに関与することもできる。開幕時には怪しかった最終局面での判断の質も、チームメイトを信頼し始めたのか試合を経るごとに良くなっており、後半戦もWolvesの順位を押し上げる原動力になることだろう。開幕前が7G7Aぐらいいったら上出来だなと思っていたが、20節終了時点で6G5A。10G10Aの大台に乗せていくことを期待せずにはいられない。後半戦も引き続きチームのキーマンだろう。

Hee-Chan Hwang A+ 1516分

良くも悪くも便利屋の域を出ない選手と思っていたが、CunhaのSS起用に伴いCFにポジションを移動した関係で今季はCFで得点力が開花。右でも左でも可能な高品質な切り返しを武器に、ゴール前の落ち着きは異常だと言わざるを得ない。得点能力は素晴らしいもののそれ以外の貢献は微妙ではあったが、前半戦の終盤では得点面以外での質も上がってきており、もはやCFを本職にしても良いのではないかと思えるレベルでスタメンCFとしての地位を確立。CF補強はするとO'neilが明言しているため、後半戦はスタメン争いをしながらプレータイムを得るだろう。Kalajdzicはおそらく守備面での貢献度不足、Silvaはオンザボールの質不足などを理由にスタメン級のCFが不足していたWolvesにとって救世主となった。個人的前半戦MVP2。

Pedro Neto A 897分

昨季は怪我の影響もあり思うようなプレータイムも得られず結果も残せなかったが、今季は開幕から圧巻のプレーを期待通り披露。本職は左WG大外破壊マンであるはずだが、システム変更に伴い右SSでのプレーも開拓中。右WGとしてカットイン技術も上がってきており、またボールの置き所が良くなっているため右足を使わずとも左足で右の縦突破でも違いを見せることができている。Ake、PauTorresなど屈強なDFをぶち抜いた縦突破は記憶に新しいだろう。保持局面でもそれなりのクオリティを見せるが、やはり注目すべきはカウンター時のオープンコートの制圧具合で、大外でNetoが1vs1を作れればもはや勝ち確演出まである。当初2試合程度の離脱と思われていたハムストリングの怪我が予想以上に長引き、結果9試合の離脱となってしまったが、シーズンアウトすることなく戻れたのは不幸中の幸いだろう。復帰試合となった20節のEVE(H)では、ブランクを感じさせないキレキレの縦突破とオフサイドにはなったものの1vs1を沈めてゴールも決めており、後半戦も爆発間違いなしだろう。Cunha、Hwangとアシストを量産できる環境は揃っている。どれだけ記録を伸ばせるか楽しみだ。

Pablo Sarabia A 827分

Lopeteguiが獲得を熱望したスペイン人らしいテクニシャン系WG。個での推進力、打開力を求めるO'neilのスタイルには合わず、一時期はほぼ構想外レベルで起用されていなかったが、Netoの離脱とTOT(H)戦での圧巻のパフォーマンスを機に見事スタメンの座をものにした。スピードや突破力はないものの、綺麗な軌道で味方に優しいクロスや、カットインからのファイナルサードのパスなど、出し手としてあまりにも優秀。トランジション局面が多い展開でも自分の強みを出して存在感を演出。Neto復帰で序列は下がるだろうが、質は間違いない。継続的に出場時間を得て後半戦もWolvesを支えてくれるだろう。

Jean-Ricner Bellegarde B 521分

今夏にStrasbourg(Ligue1)から加入した選手。本職は中盤高めの位置であると思われるが、推進力と突破力も持ち合わせており、WGでも起用可能。PLでのボランチの可能性は未知数。ただボランチ出身なだけあり守備の対人の強さは他のSSにはない強み。足がものすごい速いわけではないがPL水準以上であり、初速というか1歩目でグイッと前に出られるためドリブルで運べる印象。また上背はない(172cm)が体幹が強く、当たり負けも簡単にしない体の強さをもつ。最終局面での判断の質はまだまだ改善の余地ありだが、スペックは高いのでよりフィットしてきたら楽しみである。とはいえSSはCunha、Neto、(Hwang)、Sarabiaなどとスタメン争いをしないといけないため壁が厚い。もう赤紙もらわないように気をつけてネ。

Fabio Silva C+ 374分

武者修行経て待望の帰還を果たし序盤はプレータイムを得たものの、HwangのCFフィットに伴い居場所を完全に失ってしまった逸材。まだまだ若手扱いされるべき年齢であるが、獲得時のコストからくる期待感と実力があまりにも乖離しており、何かと酷な状況に晒されがち。控えとしてプレータイムを稼がせつつ成長させていけば良いと筆者は考えているが、O'neilの構想では控えにも入らないようで、今冬RangersFCへのローン移籍が決まった。チームが苦しい状況での決定機逸、誤審認定されたものの暫定最下位相手に与えてしまったPKなど印象は悪く、中々風向きを変わる機会もなく。ローン移籍後にWolvesに居場所があるかはわからず、放出派も少なくないが、心の奥底では全サポーターが彼のWolvesでの活躍を願っているのは間違いない。PLという世界最高峰のリーグで継続的な出場機会を得ることは簡単ではない。RangersFCへのローンで何かを掴んで大きくなって帰ってきてくれることを祈っている。来季9番を背負ってピッチで躍動するSilvaの姿を願っている。

Sasa Kalajdzic B+ 281分

短い出場時間ながらピッチで貢献してきたものの、指揮官の信頼は勝ち取れず。オンザボールの質は間違いないし、オフザボールもHwangに比べてダメということは全くない。ではなぜ使われないのかといえば、やはり守備面での貢献になるのかなと思う。O'neilはCFにも広い範囲で継続的なプレスを求めるため、Kalajdzicは若干走力不足であることは否めない。にしても使われなさすぎではあるとは思うが。O'neilが結果も出して支持を集めている現状、彼の居場所はもうここにない感じは否めない。冬に獲得できるクラブは多くないため、一旦ローン移籍しつつ来夏売却が既定路線だろう。自身の怪我と監督交代に巻き込まれた不運は否めないが、こればかりは起こりうる事象で気の毒としか言いようがない。実力は申し分ないので、今後も素晴らしいキャリアが待っていることを祈る。

番外編

Matheus Nunes A+ 180分

移籍市場閉幕直前で練習拒否からの移籍強行という最悪ムーブをかましてチームを去り、多くのファンのヘイトを買った元クラブ史上最高額プレイヤー。移籍はしたものの、しっかりと移籍金を残しつつボランチの後釜(Tommy Doyle)を連れてきたと考えると、個人的にはナイスムーブであったとすら思える。もう1季NunesをWolvesで見たかったという気持ちもあるが。移籍先で頑張ってほしい。

Joe Hodge X 55分

特徴や役割が被りそうなTommy Doyleの加入もあり、今後のWolvesでの居場所探しは中々難しそうなのが正直なところである。EFLcupで負った怪我も治り、ここから5番手のボランチとして編成入りするかローンに出されるかは不明だが、今季何か掴めると良い。

Nathan Fraser X 57分

下部組織で結果を残す大型CF。EFLcupでトップチームデビューを果たし、結果も残した。トップチームで戦うにはまだレベル感が足りず、今季残りと来季は武者修行をすることが予想される。トップチームで戦う未来があると良い。

監督

Gary O'neil A+

開幕直前就任、編成が大きく動いたチームを率いるという難しい状況にありながら、下馬評を大きく覆す11位で前半戦を終えたのは素晴らしい以外形容する言葉が見つからない。
基本的に前からしっかり人を捕まえてプレスにいく強度と運動量を求めるスタイル。ビルドアップは時には可変式で3CB+2CMで保持する形だが、前進方法が定まらず能動的なビルドアップは発展途上。相手がある程度プレスに来る場合はシャドーの推進力を活かして攻撃に繋げられるものの、同格以下に安定して勝ち点を積めるような戦い方はまだまだできず。シーズンが進むにつれて選手と適性を理解した配置と人選の遂行能力は上がってきており、選手それぞれが特性通りに力を発揮している様子は窺える。
直前就任ということもあり編成が監督好みではなく、スカッドを満遍なく使うことなく過密日程でも選手を酷使気味なところは気になったものの、運良く怪我人も出ず乗り越えられた。冬の補強を経て編成を練り直し、上手くプレータイムを分散させながらシーズンを戦っていくことを期待したい。
ひとまず結果を出したことにより、20節のEVE(H)戦では試合終了間際にチャントが歌われるほどファンからの信頼は厚い。試合終了後選手とも互いに笑顔を見せてコミュニケーションを取り合っていることからも、一部を除き選手からの信頼を勝ち取っている感じはする。
年末最終試合であったEVE(H)戦では結果も素晴らしいが、今季ベストゲームと言える内容で締め括ることができた。Wolvesを再び欧州コンペティションの地に連れていくことを願って、まずはAFCON、アジアカップ組(Hwang、Aitnouri、Traore)が離脱する日程を上手く切り抜けたい。後半戦に期待だ。

冬の補強と後半戦の予想

今季のWolvesは基本的に攻撃時は3-2-4-1を採用。守備時は4-4-2でプレスとブロック構築をすることもあったが、多くの試合で3-4-3を採用。O'neilの理想は守備時4-4-2攻撃時3-2-4-1の可変式システムである気はするが、ここ最近は相手を問わず守備時3-4-3攻撃時3-2-4-1のシステムで戦っており、結果も残していて選手の特性も活きているため、後半戦もこのシステムを継続していくと予想される。

3-4-3を採用したときの基本人選は下の画像の通りである。

今冬で補強されるポジションは基本的に2つだろう。CFとCBだ。ただしSaの移籍の噂に伴いGK補強も噂されており、Saが放出される場合に限りGKも補強されることだろう。

まずはCFだ。KalajdzicとSilvaがほぼ構想外扱いで前半戦はCup戦を除いてほぼ出番なし。Silvaは既にRangersFCへのローン移籍が決まっており、Kalajdzicもプレミアリーグとブンデスへローン移籍の噂がちらほら出始めている。現状Hwangの1枚のみであり、控えが不在であるポジションは補強が必須だ。Hwangもアジアカップで離脱するため、年明け最初のPL.BHA(A)までには獲得が決まっていることだろう。Hwangは監督からの信頼も厚く、ここ最近で一気にCFとしての境地を開拓した。Hwangに代わるCFで冬にそこそこの値段で取れるCFが市場に出ているかはわからないが、少なくともHwangとスタメン争いをできるレベルの選手が獲得されるだろう。
求められるタイプで言えば、まずは守備の献身性だ。Kalajdzicが使われなかった理由はここにあった。相手のビルドを機能不全に陥れる継続的な高い走力が必要だ。またストライカーとしての得点性能が必要なのはもちろんだが、保持局面でポストプレーでSSと縦関係を作れたり、後方からパスを引き出す裏抜け性能もほしい。要は攻守共に万能性の高いCFが必要だ。20節のEVE(H)のHwangはほぼ完璧なCFだった。あのレベルの選手が欲しい。

次にCBだ。現在のWolvesは編成の都合上左利きのKilmanを右HVに起用せざるを得ない状況であり、これがマイナスに働いている場面も少なくない。右HVをこなせるスタメン枠を補強しつつ、Kilmanを左HVに移動させるのが最も効果的な編成となるだろう。Totiは前述の通り身体能力は素晴らしいが、Kilmanに優先されるレベルではなくベンチ降格だろう。もしくはCCBとしてDawson、Santiagoとスタメン争いをするかもしれない。
求められるタイプで言えば、プレスに出ていくWBの裏をケアできるカバーリング能力と、相手のFWを捕まえて前で潰す能力は必須だ。加えて保持局面でシャドーに楔を刺す能力があれば良い。対角へのフィードが飛ばせれば最高だ。。O'neilはHVに高い身体能力を求める。

現在は10位のChelseaと勝ち点で並んで11位という状況だ。シーズンが進むにつれて内容も良くなってきており、結果も付いてきた。PLは上位層の力が強く、欧州コンペを取れる順位に食い込むことは正直かなり難しいだろう。上位の層が厚すぎる。とはいえ調子を上げてきたWolvesであり、冬の補強が嵌まれば狙える可能性はあるのかもしれない。このままトップハーフの尻を追いかけつつ虎視眈々と狙っていきたい。課題はやはり同格以下に勝ち点を拾うことだろう。ビッグ6に3勝3敗、Newcastle、AstonVillaに引き分けと上位陣との対決をそこそこ良い結果で終えるものの、調子の上がる前のLutonに引き分け、SheffUtdには今季初の白星を献上してしまった。後半戦は同格以下にはホームで戦う試合が多いため、サポーターの援護をもらいバッコリ勝ち点を稼げると良い。上位陣とはアウェイでの試合が多めなため、何とか耐えて泥臭く勝ち点を拾いにいきたい。

このまま良い調子でとは中々いかないだろうが、チーム一丸となって耐えるときは耐えて、素晴らしい結果で今季を終えることを祈りたい。とりあえずは冬の補強。意外と安めな補強は当てる印象があるWolvesなので、予算の限られた冬の補強に期待して移籍市場を楽しむことにしよう。



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