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SPY×FAMILY舞台化について考えていたらいつの間にか生執事に思いを馳せていた話。

先日、私はとあるニュースでスマホをぶん投げそうになった。

「SPY×FAMILYミュージカル化するよ!帝国劇場で!!アーニャ役はオーディションね!」

要約するとそんな感じのニュース。

Twitterでどなたかも呟いていたけど、アニメ化遅かったのに舞台化するのめちゃ早いね。
……ってそれどころではない。

帝劇……?!?
驚きすぎて太字使っちゃう。

これまた最近2.5次元舞台化及びキャスト情報などが発表された「呪術廻戦」の予想以上の箱(劇場)の小ささが記憶に新しかったからか(他にも要因は絶対にあるが)、このニュースは本当に驚いた。

誤解されないように先につたえておくと、私はSPY×FAMILYになにか恨みがあるわけではない。

アニメは毎週楽しみにしすぎてサブスクを毎日確認しては更新されていないことに落胆するし、友人から布教されたジャンププラスもインストールした。舞台も今後の情報によっては見に行くだろう。

それでもこのニュースには正直え…?急に…?と目を丸くしてしまった。


話は変わるが、私はミュージカル「黒執事」シリーズの大ファンである。(豪華客船までが好み)

ミュージカル「黒執事」(通称「生執事」)と言えば、高い再現性、 キャストの歌唱力の高さなどから高く評価され、若手俳優の帝劇ミュージカルへの登竜門と謳われることもあった大人気シリーズ。

実際、初演から2014年まで主役のセバスチャン・ミカエリスを演じていた松下優也さん、その後豪華客船編まで同役を演じられていた古川雄大さんは今やグランドミュージカルに欠かせない存在になった。

その他にも

・阪本奨悟さん(シエル・ファントムハイヴ役)
・植原卓也さん(グレル・サトクリフ役)
・中河内雅貴さん(アラン・ハンフリーズ役)
・廣瀬友祐さん(チャールズ・フィップス役)
・太田基裕さん(チャールス・グレイ役)
・矢田悠祐さん(チャールズ・グレイ役)
・三浦涼介さん(ジョーカー役)
etc

まだまだ書き足らないくらいだが、このように生執事シリーズに出演しその後グランドミュージカルに出演するようになった若手俳優は数多く存在する。

グランドミュージカルにあまり出演していない俳優でも、佐々木喜英さんや輝馬さんなど、2.5次元界で歌唱力を高く評価されている方も生執事に出演している。

生執事は原作を忠実に再現した2.5次元舞台としてのクオリティが非常に高い。衣装やウィッグの質もよく、英国貴族が主人公の舞台にふさわしい豪華さだった。


それに加え生執事の革新的だった点は、歌唱力の高い若手俳優や宝塚、劇団四季出身のベテラン俳優を惜しみなく起用出来た点だ。

それまで2.5次元舞台というと、見た目を優先するあまり歌や演技となると少し残念だったり、歌われた楽曲が空耳のネタに使われてしまったり(それもまた愛おしくて私は好きだが)、とにかく2.5次元舞台に慣れていない舞台ファンが見に行くと落胆しかねない要素がいくつかあった。


しかし生執事は上に書いたように歌唱力の高いベテラン俳優や売り出し中の若手俳優を数多く起用できたことにより、そのような残念なギャップを生み出すことはなかった。


黒執事という作品の登場人物が、若い男性ばかりではなく幅広い年齢層の男女であったことも上手く作用した結果だろう。

男ばかりの学生スポーツ系作品にはなかなか元宝塚の方が活躍出来る役どころは少ない。


こうしてミュージカル作品としてのクオリティの高さも損なうことなく、2.5次元舞台とミュージカル作品、どちらの面からも高く評価される舞台作品となった。

生執事への愛はまだまだぶつけたりないのでこれについてはいつか別の記事で書くことにする。


ここまで生執事について長々と紹介して何が言いたかったかと言うと、生執事も時代が時代ならば帝劇でやる作品になっていたんじゃないか。ということ。

帝劇で舞台化されることが全てじゃないし、赤坂ACTシアターでやっていたあのころの生執事が大好きであることも変わらない。

だが、最新作の上演劇場がキャパの少ない劇場に変わってしまったことや、テニミュっぽく(個人の見解)なってしまったことを踏まえるとどうしてもこのことが頭をよぎってしまう。

帝劇で舞台化するということはつまり製作が東宝だということ。そしてあのキャパを埋めるためにお金が沢山かけられる。

つまりはキャストの情報などが出ていない現時点でもある程度のクオリティは約束されていると予想できる。そして帝国劇場での舞台化ということで話題性はバッチリだ。

要は羨ましいのだ。SPY×FAMILYが。

しかしなぜ東宝が若者層が主な読者である少年ジャンプ作品を帝国劇場でミュージカル化することにしたのだろうか。

これはあくまで私の考えだが、近年の漫画原作舞台の知名度がぐんと上昇しているように思う。

ミュージカル「刀剣乱舞」に出演する刀剣男士たちが紅白歌合戦に出陣したり、2.5次元俳優と呼ばれる俳優たちがバラエティやドラマに出演したりするなど。
彼らの活躍により、「漫画原作の2.5次元舞台というものがある」ということを知った人は多いのではないだろうか。


そして、舞台「千と千尋の神隠し」の反響。
ついこの前まで帝国劇場で上演し、今も地方公演を続けている舞台「千と千尋の神隠し」は言わずもがなジブリ作品が原作の舞台だが、これがものすごい大反響だ。

私も見に行ったがものすごい再現性の高さでとても面白い作品だった。

そして帝国劇場という広い劇場で上演したにもかかわらずチケットは入手困難で人気の高さが伺えた。


このような流れがあった中で今回の帝国劇場での舞台化が決まったのではないのかなと思った。

生執事もこのような時代の流れがあった上で舞台化が検討されたのであれば帝国劇場で上演される可能性も充分にあったのではないだろうか。


ただこのような2.5次元舞台というものの知名度の上昇に生執事シリーズが貢献しているということも間違いないだろう。

生執事は元宝塚の女優さんを起用したり、既にグランドミュージカル界で人気が出ていた古川雄大さんを起用したりしたことにより、今まで2.5次元舞台を見たことのなかった俳優ファンを2.5次元の沼にどっぷり浸からせることに成功したのではなかろうか。現に私もそのうちの1人だ。

生執事が2.5次元舞台の魅力をより広い層に広めてくれたことによって今の2.5次元舞台の話題性や若手俳優の活躍があると考えれば、あの時生執事を上演してくれた全ての関係者様に感謝しかない。

ただ、大好きな作品であるが故にもうあの頃の規模で見ることはないのかもしれないと思うと悔しくてならない。いつかまた…あの頃の規模で上演されることを願う。(赤坂ACTシアターはしばらく魔法使いたちの居場所になるようなので別の劇場で。)

そしてこれは単純に観劇オタクとして、もし今度のSPY×FAMILYの舞台化が大成功したら今後の2.5次元舞台の大きな飛躍に繋がるかもしれないことを考えるとワクワクが止まらない。


SPY×FAMILY舞台化について考えていた結果生執事に思いを馳せ、

いいなぁぁぁ羨ましいなぁSPY×FAMILY!!!楽しみだなぁ!!

となった話でした。

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