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失恋した男女に大金を払わせそれっきり・・・復縁屋の闇


復縁屋とは


別れた恋人と復縁したいー--。世の中には強くそう願う人が少なくない。

復縁をするためにプランを練り、偶然を装って第三者が復縁の手助けをする「復縁工作」をして別れた恋人との復縁の実現をさせる「復縁屋」という業者が存在する。


しかし、巧妙な手口によって傷心の依頼者に大金を払わせるだけ払わせ、ろくに稼働せずに復縁どころか大金だけ失うというトラブルが多発している。
中には4社に1000万円以上を支払った者まで存在する。もちろん復縁はできていない。そんな復縁屋の実態に迫る。


復縁工作について


復縁業者は現在15社以上が存在するが、どこも探偵業者が行っていて復縁工作の内容は張り込みなどをして別れた元恋人の現在の生活を調査、
そのデータを元に工作員が元恋人に偶然を装って近づき仲良くなり、工作員が別れた二人の仲を取り持つというシナリオだ。

復縁屋が行う復縁工作は高額で、各社様々なプランを掲げているがどこも依頼者が支払う金額は安くても100万前後、高額になると400万円にもなる

ところが、100万円以上の大金を払わせた後はろくに調査や工作をしない、途中で音信不通になるなど悪徳ともいえる業者も多く存在し、ネット上でも悪い口コミが広がっている。


復縁業者同志で悪い口コミを書きあったり、逆に自社を良く書くステマが行われている事も頻繁にあり、きちんと稼働をして復縁を実現させてくれる会社を見つけるのは困難である。

復縁屋に依頼する人は意外にも学校の教師や銀行員などの堅い職業、会社員が多い。


長い期間付き合っていた人からの依頼は意外に少なく、付き合って1.2か月で破局している者が復縁屋に依頼するケースが多い。
一番恋愛が盛り上がっている時に別れてしまったから、よりショックや未練が大きく残るからだと思われる。


実際に復縁屋に依頼した人の話


Aさん(20代女性)はマッチングアプリで知り合った20代男性と2か月付き合っていた。「彼とは遠距離で毎回地元に3時間かけて来てくれて、とても楽しく過ごし順調に交際を進めていたかのように思えたのですが
ある日突然別れようと一方的に言われてしまって理由を聞いても教えてくれませんでした。」


Aさんはネットの検索で復縁屋を見つけ依頼した。費用の見積もりは最低で70万円、場合によっては140万円くらいになるかもしれないが復縁できる確率は高いとのことで、
かなり高額でしたが藁をもすがる気持ちで契約した。

調査員の方が彼の調査をしっかりしたほうが成功率が高くなると言い、Aさんは1回15万円で調査をしてもらった。しかし調査員に言われるまま何回も調査をして調査だけで費用が100万円かかってしまった。
その後に偶然を装った工作員が彼との接触に成功して携帯の連絡先交換をするまでできて上手くいきそうに感じたが、Aさんが持っているお金が底をついてしまった。


「最初に復縁屋に依頼したお金も借金して作ったお金だったので、もうどうすればいいか分かりません・・・」
この会社では、Aさんのように一時は上手く行きかけたかのように思えた後に資金切れを起こして復縁工作がとん挫してしまうという口コミが相次いでいる。


Bさん(30代男性)も復縁業者と復縁工作をする上でのトラブルが起きている。
友人の紹介で知り合い、1年以上付き合っていた彼女と別れ、ネットで見つけた復縁業者に3か月間かけた復縁工作のプランで200万円を支払い契約した。


Bさんは、お金を払えばプロが何とかしてくれるだろうと、復縁したいという強い気持ちがはやるあまり比較検討などあまりせずにすぐに依頼しをした。

しかし、調査の結果、元彼女に新しい彼氏がいると復縁業者に言われ、3か月の契約だったのにも関わらず1か月で一方的に打ち切りにされ
残りの2か月ぶんの工作や調査費用は一切返金に応じてもらえなかった。
騙されたとBさんは感じたが、どうしても復縁したいという気持ちから10社以上の復縁業者と面談をした。


復縁業者の大半はアパートの一室に会社を置いていて、アパートの次にレンタルオフィスが多い。ホームページに会社所在地が途中までしか載せていない業者まである。

「面談は3時間行われますが、内容はとても薄く復縁するためのプランの話よりも、うちの会社は怪しくないですよ言ったり競合他社を潰す内容が多かったです。
どれくらいの成功率なのか聞くと苦笑いされて濁されました。


Bさんが驚いたのは、犯罪まがいの工作をしようとする業者まであったことだ。
工作員Cが対象者の女性のかばんをひったくり、工作員Dがそれを助け、助けたことをきっかけに工作員Dと女性が仲良くなるというプランを提案された。
復縁業者は「被害届はまず出されないし、出されたとしてもCとDのいたずらで遊んでましたと言えば大丈夫なんで」と言われたという。


Bさんは、10社以上の業者と面談をした中でほとんどがいい加減な業者なのではないかと判断をしたが
それでも復縁をあきらめきれずに1社に300万円を支払って契約しようと考えているという。


ある復縁業者は「うちは成功報酬制ですが着手金の50万円を貰ったらあとは仕事をしません。しているフリをする。契約を取ったら仕事が終わったようなものなんです」と話した。


復縁屋と弁護士・裁判

これだけ高額な契約でいい加減な仕事が目立つ復縁業の業界にも関わらず、裁判になったり表立って問題にならないのには理由がある。


まず、復縁業者はどこの会社も弁護士をつけている。依頼者のほうは面談時に「弁護士の先生が着いているなら大丈夫な安心な会社だ」と安心をして契約をしてしまうが
いざトラブルになった際には契約書の内容を弁護士が考え抜いて復縁業者に非常に有利に書かれているので、依頼者が裁判を起こしにくくなっている


依頼者は裁判をしても費用だけかかってデメリットしかならないので泣き寝入りするしかなくなる。
内容も「復縁」といったセンシティブなものなので周囲に知られたくないと感じる人が多いので訴えを起こしにくい。

500万円の借金をして復縁業者と契約している者までいるというが、人の心を取り戻すための金額に相場はなく、高額であるため詐欺まがいの悪徳業者が多発している。

人の心は、お金を払っても容易には取り戻せないー--。


日刊SPA!にて桜アスナ名義で復縁屋で働いた話についても執筆しています。



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