「#カミマチ」少年役に寄せて
公演が終了して随分経ちましたね。
梅雨前線六月族#8「#カミマチ」ご来場くださった皆様、ありがとうございました。
やっと稽古のない日々に慣れてきました。
六月族を御贔屓にしてくださっている方には「え?パントマイム????」そして野中をご存知の方には「喋ってる!」となったであろうこの作品。
私自身にも色々思う所があったもので。ちまちまと書き出して整理していたものを、こっそりアカウントを作っていたnoteにて気まぐれに放流することにします。
この場をお借りして新参者を温かく迎え入れて、何より劇中でも重要な役を任せてくださった添田さんと梅雨前線六月族の皆さんに御礼を申し上げます。
今回頂いたのは「少年」という役でした。
本当の名前は……一応作中には出てきましたね。
覚えてる人いますか?
実は「自分のことかと思った」という感想を聞く機会が何度かありました。
……私もこの子との初対面で自分のことかと思いました。
大道芸が好きでパントマイムが好き。
それだけじゃなくて、
見えないものに夢を見る。
よく悩むし、時には他人のせいにしてひねくれる。
こうと決めて走り出したら止まれない。
世間からズレていて、
精神的にも物理的にも不器用で、
なんだか生きづらい。
他にも色々。
そして私と少年とでそっくりなのが、
実は私も紙を綺麗に二つ折りにできないところ。
少年の過去を旅する中で「紙を真っ直ぐに折れない」というエピソードが出てきた時、添田さんに私の小さい頃のこと話したことあったっけ?と割と本気で思いました。
流石に少年のようにダイナミックにズレている訳ではないですが……昔々に指摘されて以来、いい大人になった今でもちょっと苦手です。
あ、でも一応、社会人としてやっていけるくらいにはズレなくなりましたのでご安心ください。
とはいえ、ちゃんと折らねばと他人よりも時間がかかりすぎてしまうのが悲しいトコロ。
この役を演じている自分は、「ズレ」を自覚する心の中の自分からそれを隠して「普通」に生きようとする自分への怨念や劣等感や卑屈さの塊だったように思います。
みんなは違うの?
全部器用に生きられるの?
僕だけを奇異な目で見ないでよ
偉そうに説教しないで
僕の話を聞いてよ
人間誰しも1つや2つ、周囲とのズレや生きづらさや、何か抱えて……隠して生きているものがあるんじゃないかと思っています。それを仮託した存在としてこの子が感じてもらえたなら。そして皆さんの心の中の「少年」や、皆さんの周囲に現実にいる「少年」が少しでも許容されたなら、とても嬉しいです。
私の折った紙がズレている時は……少年が隠れきれてないんだなと、笑って許してください苦笑
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