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【有料部分あり】【約24000文字】頂点とはかくも近くにありながら、それでいて永遠に追いかけるものー櫻坂46 in 東京ドーム 毎日note #51 2024年6月20日付

割引あり


2019年9月、欅坂46、初の東京ドーム公演。
2022年11月、櫻坂46、櫻坂として初めての東京ドーム公演。
そして、今回が3回目。

不思議なもので、同じ東京ドームであるはずなのに、全て接する感情が違う。
欅坂のときは、欅坂がどの色で染めてくれるのか、緑は緑だとしても、その濃度はやはり違う気がしていた。アンコール不協和音は、相当濃厚な緑になって魅了した。
櫻坂1回目のドームは、主役が菅井友香卒業セレモニーであり、彼女以外のメンバーは心の整理がしきれていない状態でLIVEに臨んだような気がしている。結果的に、泣いて泣いて泣いて、というドーム公演にはなったが、櫻坂の未来を考えたときに、果たしてそれだけが残るようなLIVEでよかったのか?と。総じて素晴らしい内容には違いなかったが、後から思い出すとしたら、菅井友香のドレス姿しか出てこない、となったらそれはどうなのか。菅井友香卒業コンサートならそれでこそ、という感じではあるが、櫻坂のLIVEの一部の卒セレという扱いである以上、メインは本来櫻坂のLIVEでなければならない、でもそうならないのでは、という危惧であった。

通算3回目の東京ドーム。

実は、自分がどんな感情になるのか、そこを大きなポイントにしていたのは事実だった。
過去2回のドームで彼女たちが見せてくれたのは、当然ながら今最も見せたい自分たち、であったはずだ。
だとするなら、2024年6月現在の櫻坂46が見せたい自分たちとは、何なのか。
そしてそれを見たとき、自分は何を思うのか。
それを生の感情で確認したい。
少々の無理をおしてでも、この時期の東京に来た理由はそれだった。


「頂点に導きます」

オープニングアクトを飾ったのは、山﨑天だった。
そして、彼女が示した右手。その指の先。

あのときだ。

山﨑天はあのとき、13歳だった。

ここ最近、櫻坂のLIVEを観て印象に残っていることのひとつが、彼女が本当に楽しそうにLIVEをしていることで、この状況を心から好きでいることが伝わる。それほど尊いことはないのであって。
二期生が加入したときの、欅坂ファンの一部に生まれた「一期生21人信奉」、二期生が入ることで欅坂が変わってしまうことを恐れたとも思える人たちからのバッシングを最も受けたのは、最年少の彼女だった。
もうここが解せなくて。
最年少の彼女がなぜそんな矢面に立たなければならないのか、それを周りの大人はなぜ守ってやらないのかと怒りにも似た感情が支配したのを忘れない。


欅坂が改名したあとは、彼女を含む二期生が主体となった。
逆に考えれば、変化を嫌う欅坂という存在も、その変化の中心に立つはずだった二期生という存在も、どちらをも守るための施策が「改名」だったのではないか、というのは過去のnoteでも書いたけれど、いずれにせよそこで表に出てきたのも山﨑天であった。

アイドル界の、頂点。

あのときと同じ、右手を大きく掲げたオープニングで山﨑天は、何を思っただろう。
55000人の東京ドームで、頂点が少しでも見えたのかどうか、それは彼女にしかわからない。
でも、そのヒントになるのは、やはり「楽しむ」ということなのではないだろうか。
東京ドームに満員の観客を呼べるアーティストは、そんなに多いわけではない。
その中心に一人いて。
その状況を楽しめる。

ある意味で、頂点を極めないとできることではない。

義務感ばかりで、頂点に立てるほど甘くないのは先刻ご承知のはず。
自分が心から楽しまなければ、人を楽しませることなどできるはずがない。

そして、中学1年生ですでに匿名の言葉の暴力に悩んだ彼女が、そのことできっと短くない期間自分の感情とも戦ってきたはずの彼女が、それをやってのけている、という現実。

ムービングステージで彼女がステージごと移動する、そんな短い時間にそれこそこれまでの彼女が過ごしてきた全てが想われて、涙が出そうになったのを堪えた。

感傷に浸って、ここで一雫涙を流したとて、何になる。
それより、今の彼女たちをその目にしっかりと映すことのほうが大切じゃないか。

時は戻したい。でも戻れない。

コイントス。


夢を見るなら先の未来がいいというあの曲へそのまま移行する。




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