仮面ホワイトな日々

※こちらの記事は、自分の職場に対する不満をあーだこーだと痛々しく自分語りしているストレス発散感満載の自己満足記事でございます。どうぞご容赦ください。

 「ブラック企業」という概念があります。
 長時間労働、給料・残業代未払い、過度な責任、過剰なノルマ、パワハラにモラハラにセクハラにマタハラ、……と、すべてを兼ね備えた猛者はそうないでしょうが、劣悪、またはそれほどではなくとも「無理のある」環境が長期間にわたり積み重なると、心身に支障をきたし、最悪は死に至ることもある。
 対する概念に「ホワイト企業」があります。
 週休二日制、年休育休完備、残業ゼロ、ノルマ無し、結婚相談所の履歴書でいうと「年収10000万、都内持ち家、次男、両親と別居」みたいなカンペキ物件でしょうか。伴侶という特等席に座ることが人生の勝ち組といわんばかりに、ただ一つの椅子をめぐって、大変倍率の高い競争が繰り広げられることと拝察します。
 男女の機微のことはよくわかりませんが、会社の求人倍率○倍という数字は、やはり「安定した」企業と言われるほど高い傾向にありますね。

 わたしは、転職して現在の職場にお世話になっています。
 「条件」だけを見ると、完全にホワイト企業です。公務に近い職務内容で、大安定しています。公務員をされている方には「民間に比べたら天国のようなところだよ」と言われました。
 わたしは当時(転職前)の職場で、人間関係や公私の別なく仕事にかかわらなければならないストレス等に悩んでおりましたので、少しは楽になるものか、と入職してみたのですが、まあ1年目、のっけからイキナリ試練が参りました。

 以下、職場の愚痴をあーだこーだ記載しております。ご容赦を。

 同期10名、それぞれの係で「教育係」と呼ばれる先輩について業務を教えてもらう体制だったのですが(OJTのようなものでしょうか)、わたしの担当の教育係は、当部署初配属1年目で彼自身が右も左も分からない状態、係長は20年ぶりに部署移動で帰ってきたところで浦島太郎、係長補佐は何人もの無垢な女の子をイヤラシイ言動で退職に追い込んだ剛の女、となかなかの環境でありまして、わたしは臨時雇用で係の業務補助(雑用)をする方から、補助業務(雑用)を教えてもらい、半年ほどこなしていました。つまり、半年ほどほったらかされておりました。余談ですが、臨時雇用の方も、「何言ってるか分からない」と職場の方が匙を投げた剛の者で、本当に何言ってるか分からなかったです。
 同期の一人は、業務知識がトップレベルに詳しいデキる教育係に、部署歴の長い係長と係長補佐に手厚く迎え入れられ、わたしが業務補助(雑用)を学んでいる間に、専門知識をマンツーマンで指導され、「みんなが参照できるようにイントラネット上に情報共有のためのホームページを作成してはいかがでしょうか」と提言、わたしとは天と地ほどのご活躍ぶり。
 えーと「週休二日制」「年休育休完備」のホワイト企業です。
 しかし、おばちゃんたちはマウントを取り合ってヒエラルキーを形成し、同調圧力の圧迫具合はなかなか高く(「みんな一緒」とか「ふつう」とかいうワードが大好物です)、病気休暇所得者も少なからずいます。

 平安時代、藤原道長はじめとする貴族が、外戚政治で実権を握っていた時代、後宮はこんな状態だったのかもしれません。
 女の園、(外戚政治のために)男の子を求められる圧力、外出は年に数回の特別な日だけで牛車の中から外の様子をうかがうだけ、宮中では衣の色合わせが少しでも「オカシイ」と瞬く間に笑いもののさらし者になり、毎日顔を合わせるのは同じメンバーで、やることも特にない。
 「おそるべき、暇ですよ」とは、予備校時代に担当だった国語の先生の言です。
 だからこそ、宮中文学が花開いた。紫式部の源氏物語などは、こぞって続きをみんなが知りたがった。唯一に近い娯楽だったのでしょう。
 本来、遠く離れた時代の、特殊な環境について、想像が及ぶ余地はないはずなのですが、わたしの今の職場の環境を思うに、平安貴族のご令嬢たちはいかに息苦しかったことか、とふと思ったりする次第でございます。

 では、ホワイト企業の椅子という、外から見て喉から手が出るほど欲しい「カンペキ物件」を手放さないのか。
 外務省のキャリア官僚としてご活躍されておられた現皇后陛下は、皇太子妃時代に「適応障害」と診断されました。ある場所で有能で成果を上げることができる方が、別の場所では適応できないことがある。水の合う合わない、というのは当然あると思います。
 だからといって「やめてやるぅ……か?」となると、よくわからないのです。
 人間関係の悩みは、前職でもありました。自分は機能不全家庭で育っており、人間関係の悩みはここでなくてもついてくることです。
 また、少し患っていることがあり、すぐに起業や個人事業を始めることも難しい。
 「年齢=カレシいない歴」の人間不信ですから、結婚についてもあまり期待しない方がよいでしょう。
 ということで、決め手にかけてグズグズご厄介になっております。
 最近になって、職場での人間関係を、幼い自分と母親との関係に投影していると、自覚できるようになってきました。
 自覚して、NOTEに考えを書き、整理する。するとまた、新たな気づきがある。
 こうなったら利用できるものは利用させていただこうかしら、と開き直ったところでございます。

 しかしそれにしても、自分の職場を「ホワイト企業」と称するには少々抵抗があります。
 なので、「仮面ホワイト企業」という呼び名を、こんな世界の片隅で小さな声で提唱したい。仮面うつ病、という病名がありますよね。一見「健康」であるように見えて、実はうつ病が背後に隠れている状態の疾患です。
 明らかにブラック企業ではない。しかし、完璧物件のウチガワで、病気休暇取得者はポコポコと生まれては消え、また生まれては消えていきます。
 仮面ホワイト、言い得て妙だなと思った次第です。
 「ホワイト仮面」と、順番をアベコベにすると、途端にイカガワシサが倍々になる不思議。なんてこったい。
 時々NOTEにも仮面ホワイトな日々を書きなぐることがあると思いますが、どうぞご容赦いただければ幸いに存じます。
 今回のところは、これにて。

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