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ジャニオタと、実写版映画弱虫ペダル

私はKing & Princeの永瀬廉くんのファンで、今回の映画については単純に『楽しみ』にしていました。
もちろん、原作ファンの方の戸惑いや反発は知っていましたし、ある程度理解はしていたつもりです。ぶっちゃけ、まあ、色々ありますからね! 実写映画って!! 『似てない』とか『話が違う』とか、もう単純に『つまんない』とかとか……。原作クラッシャーとかいう辛い言葉もあります。

で、今回はどうなるのか。ぶっちゃけ、蓋を開けるまではわからない。――そして期待は、今回は良い方に裏切られました。

たくさんの感想を読みながら、ただ、私がそれ以上に感じたのは、『弱虫ペダル』のファンの方の懐の広さでした。

今回の実写は、1)いないキャラもいる 2)原作の改変がある 3)キャラの見た目を寄せきってはいない(髪の色とか身長とか) と、正直地雷まみれとも言えるんですよ。どのポイントにおいても、「こんなの弱ペダじゃない! 原作の冒涜だ!!」と叫ばれても仕方ないと思う。でも、多くの方がそれについて理解を示してくれた。
1)と2)については、2時間という尺に収めなければいけないための、取捨選択の結果。 3)については、『現実にいる高校生らしさ』を優先したから(とはいえそれでも身長はカバーしきれない理由ですが)。と、私が思う以上に納得してくださってる方が多い印象でした。

それでも、これだけの変更があってもなお、『これは成功だ』とおっしゃっていただける理由はなんなのか。

それは多分、『自転車競技のすごさ・面白さ』という点がブレていなかったからかなと思うのです。

少なくとも私がこの映画で感じたのは、『自転車レースって、熱くて面白いんだなあ。自転車をこぐのって、楽しそうだなあ』だったのです。部活に入ることを迷う坂道に、鳴子くんが「足が2本あれば自転車はこげる!」というような台詞を言ったとき、「ああ、私にも、自転車をこぐ楽しさは感じられるのかな」と思ったのは本当です。
実は、私の友人には弱虫ペダルのファンの子も数人いるのですが、私を含めガチオタ気質が故に、実際にロードバイクを購入してる人は一人や二人じゃなかったりします。正直、「よっぽど好きなんだなぁ」と思っていたのですが、それが何故だったのか、理由がようやくわかった気がしました。

小野田くんみたいな化け物じみた走り方はそうそうできないと思うけど、でも、自転車に乗ってみたくなる。あの疾走感を、実際に自分でも感じてみたくなるんだ――と。

それが、『弱虫ペダル』の大きな魅力だったとしたら、たしかに、今回の実写版映画は、そのメッセージを、変わらずに伝えてくれたと私は思います。

その大きな理由は、監督のセンスによるところがものすごく大きいと思います。
今回の実写は、ただ単に現実の人間がやればいいってことじゃなく、かつ、その世界をまんまなぞるのでもなく、『その世界を、現実に着地させること』という難しいことをやり遂げてるように感じます。
それができた、ブレなかった、その全部の理由は、皆さんが仰るように、
実際に自転車を漕いだこと。
それが全部で全てな気がするのです。

あの回転数を、あの坂道を、熱いレースを、実際に演者たちが現実にしたこと。
CGを使うことをやめたのは、途中での変更だったそうですが、大正解だったと思います。
そしてそれをやり遂げた演者の方々の熱意と努力もまた、見る人の心を熱くさせたのではないでしょうか。


『本当』という言葉には、『実際にそうであること』という意味と、『本物であること』の意味があります。
今回の実写版映画は、私が言うのもおこがましいですが、『本当』の弱虫ペダルに近づいたものだったのではないかな……と。
そんな風に思うのです。

それを確かめるために、漫画とアニメを楽しむ旅に、これから私も出ようと思います。そして、久しぶりに自分の足で自転車も漕ぎたい。――でもこれは、もう少し暑さが和らいでから、かなあ。



(ところでこれ完全に余談なんですが。
自転車の登りは勿論ヤバいし、あれを人間が自分の足であの速度だせるの!?っていうのには驚きと同時に震えたんですが、あれ、下りも猛スピードですよね……? あっちもめっちゃ怖いし難しそう。一年生のレース、坂道くんがリタイアした後の二人の勝負も見たかった気がするー。……と、やっぱり原作読むしかないな!と思う次第です)

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