見出し画像

花譜の深化と開花を観測する~花譜4th ONE-MAN LIVE 怪歌に寄せて〜

2024年1月14日。代々木第一体育館にて花譜4th ONE-MAN LIVE 怪歌が開催されました。

最初に。

映画「竜とそばかすの姫」の「心のそばに」。開演前BGMの開演直前ラストに流れたあの曲はずるいよなあ。
歌が好きな普通の高校生の女の子が、仮想世界で自由な歌声を響かせることでやがて世界に知られていく本作は、当然花譜ちゃんはじめ世のVsingerに通ずるものがあって。リアルと仮想世界の境目のようなものを考えるにはなかなか難しさを感じる点、花譜プロデューサーのPIEDPIPER氏は常に悩ませて向き合っているのだろうなという思いをこの曲から感じざるを得ませんでした。どんな苦難と強い思いがこのライブで表現されるのだろうか、始まる前から感情がぐちゃぐちゃになった。

昨年3月に花譜ライブシリーズ「不可解」が完結となり、初期からタッグを続けてきたカンザキイオリとの別れを経て新しいライブシリーズとして始まった「怪歌」。どんな不可解な怪しい歌が繰り広げられるかと思わされた一方で、当然真の意味は別にあって。
そんな「廻花」の「開花」は私たちを驚かせました。ついに花譜の成長はここまで来た。

2019年8月の1stライブ「不可解」直後あたりの時期から花譜を観測し続けてきた私が、"廻花"の登場に今思うことを書き残しておきたいと思います。ライブの感想は気が向いたらどこかで別に書きます。

花譜へ

まず、私は花譜ちゃんがこれからも彼女の好きな歌を好きなように歌い続けてくれればそれでいいと、観測初期からずっと思い続けてきました。その思いは今もこれからも変わらない。だから、どんな形であれ歌い続ける彼女を応援し続けたいと思います。

"花譜"と"花譜ちゃん"と"廻花"

今回が4thライブと言いながらここまで10本弱のワンマンライブを成功させてきた花譜ですが、活動期間が長くなればなるほど、花譜という存在は、たくさんの楽曲と、歌唱形態と、一緒に歌い/創りあげる多くの仲間たちを手に入れてきました。それらが増えれば増えるほど、「花譜」は強くなっていく。いまや「花譜」という存在は日本のVsingerを牽引する1人、現代の最新技術とエンターテインメントの集合体のようなものとなりました。
同じことを考えている人は多いと思いますが、アーティストとして存在する「花譜」というアバターと、そのアバターを駆使して歌う「花譜ちゃん」という一人の少女は、シームレスに1人の存在ではあるものの、厳密には少し違うものだと思っていて。
「花譜」が大きくなればなるほど、「花譜ちゃん」は「花譜」にならねばという気持ちと責任は大きかったと思います。
だから、ある意味新しい歌唱形態のひとつとして、「廻花」という新しい選択肢が生まれたのは彼女にとって救いだったのではないでしょうか。

アバターととオリジンの共存について

バーチャルアーティストのアバターとオリジンの共存は、VALISさんが身近な存在として挙げられますし、花譜/廻花と似たような立ち位置としてはYuNi/cyanosを真っ先に思い浮かべましたが、彼女たちはあくまでもオリジンが現実に出てくるんですよね。だから、それとは少し違う廻花の存在って特質なもので。
花譜オリジンの表現方法までこだわり尽くした神椿、本当に凄いよなあと。
「廻花」はあくまでもバーチャルの世界に存在するものであり、花譜オリジンが現実の舞台に生身の姿で出てきたわけではありません。
ただ、限りなくそこにいるような、リアルとバーチャルの境界線がわからないような出力方法で顕現するという手法を使った神椿の技術力は凄いなあと思うし、そのような選択肢を取らせてくれて良かったなあと思います。
別に、リアルにオリジンが出てくるのが悪いとかそういうのではなく、今の花譜が次に進むためのステージの一つがこの廻花だったことが、限りなくベターな選択だったのではないかなと、私は思います。将来的に花譜ちゃんがリアルに出てきたいなら、それはそれでいいと思うし、その時はその時に考えます。なんならVALISさん、今回VWPライブでバーチャルアバターで出てきた後にリアルオリジン出てきてめちゃくちゃびっくりした。今の神椿さんの技術力ならどちらでもできるということですよ。選択肢があるのって素晴らしい。
今回の怪歌ライブで廻花を表現するフィールドとして、奥行のあるステージとライティング演出までスクリーンの中に表現されました。
手前のライトは現実に存在するが、奥のライトはバーチャル空間のもの。それに私はとても驚きました。これが最新の神椿技術博覧会。

少女・花譜からの成長

廻花の表現方法は本当に絶賛するべきものだと思いますが、一応一言言っておきたいのが、どんな出力であれ、やっぱり突然オリジンが出てきたのは驚いたというか。今まで"少女"のイメージが強かった花譜が、突然綺麗なシルエットの"女性"として出てきたのだから。完全に脳がバグってしまって、廻花が出てきた以降の最後のパートはあまり記憶がない。
花譜ちゃんは我々が思っている以上にいつの間にか大きく成長していた。あれは"花譜ちゃん"じゃない、"廻花さん"だった。そう感じざるを得なかった。
一瞬でも感じてしまったこの思いをこれからどう向き合えばいいのか分からないというのが、これから花譜を観測し続ける上での大きな課題かもしれない。ただ、どんな姿であれ、私は彼女の歌が私は好きだし、彼女には彼女が好きな歌を好きなように歌い続けて欲しいという思いは芯を変えずにこれからも持ち続けていたい。

怪花での「廻花」パートについて

廻花パートでは「ターミナル」「ひぐらしのうた」「スタンドバイミー」「転校生」「かいか」の5曲が披露されました。ターミナル、今までに聴いたことない花譜の音楽と出逢えたあの衝撃良かったなあ。
https://x.com/curling_flower/status/1747271255366193525?s=46&t=AYbgttR_dD941HvfAU39Xw花譜武道館で初披露された、彼女作詞作曲楽曲ですが、これから少しずつ楽曲が小出しされていくのかなと思ったので、今回5曲も披露されたのはとても驚きました。
高校生の頃から温めてきた曲から今回のために書き下ろした楽曲まで。めちゃくちゃあるじゃん、良い曲。彼女は誰かのためではなくて、自分のために書いた楽曲がこれまで多かったので、昔の曲は出せない、みたいな話を前にしていたような気がするのですが、廻花という表現方法ができたからこそ、これからは「花譜」の重みを感じず、花譜ちゃん自身の思いをもっと出ていって欲しいなと私は思いました。むしろどんどん出してくれ。

最後に。

あえてもう一度書くけど、私は彼女の歌声が好きだし、花譜ちゃんがこれからも彼女の好きな歌を好きなように歌い続けてくれればそれでいいという思いは今もこれからも変わらない。だから、どんな形であれ歌い続ける彼女を応援し続けます。
今回の公演については色んな声があると思うけど、負けずに花譜ちゃん・神椿さんには思いを貫いて攻めのライブを続けて欲しいなと思います。
そんな「普通の女の子の可能性の続き」を、私はこれからも観測し続けていきます。どこまで大きくなるのだろう。楽しみだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?