日記のような何か 20230529

『レキシントンの幽霊』

 高校時代、現代文の教科書にあった短編。
 前からもっかい読みたいな〜とは思とったけど、この何ヶ月かは全然本を読む気になれんくて 映画とアニメをむさぼり食うみたいに観とったから、まぁリハビリみたいなもんか。

 当時の記憶も曖昧やから、ほとんど初めてみたいな気持ちで読みはじめる。

 まず、割とボリュームがあってびっくりした。
 序盤、語り手がレキシントンのケイシーさんちを初めて訪れるまでの経緯は特にそうで、思ったより描き込みが多くて「あれ?こんな話やったっけ……まぁ面白いからええか」てなりながら読み進める。

 いちばん印象的な 真夜中のパーティの場面は、「ちょっとだけ開けて 隙間から覗いとる映像」が、なぜか一人称の視点で頭の片隅にあったんやけど、実際は全然違うくて、あれ〜全然ちゃうや〜んてなった。
 でもあの時読んだのは間違いなく村上春樹の『レキシントンの幽霊』で、「こんなおもろいのになんで授業でやらんのやろ」て思いながら暇つぶしに読んだのも、著者紹介欄にモノクロの顔写真があって「へ〜こんな顔なんや〜」て思ったのもはっきり覚えとって、、、
 狐に摘まれるってこーゆーことなんかな。

 やっぱりはじめて読んだ時とはだいぶ印象が違った。ご飯とかお菓子とかでも「やっぱ久しぶりに食べたら美味しいな〜」てなるけど、あの感覚と近い気がする。
 ページをめくる感覚も久しぶり。槙島さんの名言、あれはほんまその通りやわ。

「紙の本を読みなよ。電子書籍は味気ない」

「本はね、ただ文字を読むんじゃない。自分の感覚を調整するためのツールでもある」

「(中略)精神的な調律、チューニングみたいなものかな。調律する際 大事なのは、紙に指で触れている感覚や、本をペラペラめくった時、瞬間的に脳の神経を刺激するものだ」

(TVアニメ『PSYCHO-PASS』1期15話「硫黄降る街」より)

 ん、その通りですわほんま。

   *

 めっちゃ脱線した。
 改めて、今のところ村上春樹の小説は『レキシントンの幽霊』がいちばん好き。
 次点で『蛍・納屋を焼く・その他の短編』。
 短編が好きなんかもしれん。

 他にも『羊をめぐる冒険』とか『ノルウェイの森』とか、気になるのがいっぱいある。どれもタイトルがおしゃれやねんな。
 選択肢が多すぎるって、ゲームやったらやり込み要素になるから嬉しいけど、現実やとまぁまぁしんどい。これは最近気付いた。意外やった。
 まぁ別に本は無理やり読むもんちゃうし、気が向いた時にゆっくり読んでいこ。

   *

教科書みっけた。なつかしすぎる
三省堂『精選 現代文B [改訂版]

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