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ほっこりと・・・

去年から、ウチのほん近くで居酒屋をやっている次男に、毎週1回、お弁当を頼んでいた。私の入院中にも家でひとりになる主人のために、
「週一回は親父の顔を見られるし」と、せっせと運んでくれていた。

 その後、退院した私の体調は良くなったと言えど、キッチンにながくは立って居られなくて、今までのように好きな料理が作れなくなってしまった。

 そこで、買い物もままならず、生協で頼んでいる冷凍(最近の冷凍技術の進歩たるや眼を見張る)ものを駆使し、目先を変えながらなんとか三度三度の食事を済ませているのだが、やっぱり新鮮なお造りや魚など食べたくて、週一回運ばれるお弁当を続けてもらっている。

 お弁当の配達が、店の仕込みの忙しい時刻と重なるので、最近は、店と私のマンションのちょうど中間に住む次男家の小学4年生の孫④(孫⑥まで居る)が、自転車で運んでくれるようになった。美味しいお弁当に可愛い孫の顔を見られ、ハイタッチして帰ってくれる後ろ姿に、心配はするもののその成長、たくましさに毎回、幸せを感じる。

 ところで、24節気を意識し旬のものにこだわった次男の店のメニューには感心しきり。前回も、愛媛の大きな栗の渋皮煮を上手に作っていた。

 この渋皮煮は、私の母のおハコでもあった。そして、私の元気な頃は、この時期『栗仕事』と銘打ち、毎年、大きな栗を買い求めては作って冷凍しておき、お正月のおせちの中へと潜り込ませるのだった。

 少々手間はかかるけれど、母から私、私から息子へと、三代繋いでくれていると思うと、口の中でほろほろ崩れる栗に胸の中もほっこりしてしまった。
 

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