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咲とトカゲ 第4話(天野 咲物語)

今日も 朝日が上がり 咲の1日が始まる

慌ただしく 母親が朝御飯の支度をし
1人1人食卓を囲んでいく
食事が終わると それぞれ支度をし
父親が 仕事に出勤して 暫くたってから
姉が 学校に登校していく。

それから 母親はアパートの掃除
自分達の 部屋の掃除等々 こなしていく。

その頃 咲はと言うと おはじきや
ままごとセットを持ち 玄関先で遊び出す。

時計の針が 10時を過ぎた頃に
バケツの中に入る。
出たり入ったりを 繰り返しながら
アパートの横手の方に 生えている
雑草を抜き おもちゃのまな板にのせ
おもちゃの包丁で 切って遊んだりしていた。

道端の砂をかき集め おもちゃの茶碗に入れて
おもちゃの皿には 切った雑草を盛り付け
「はい ご飯出来ましたよ」と1人遊びをしていた。

そんな毎日を 過ごして居た咲だったが
1つだけ たまに残酷になる日がある。

それは トカゲのしっぽを切ることだ。

おもちゃの包丁で「えぃ~!」と言って
トカゲのしっぽを切るのである。

切れたしっぽは 身体から離れているのに
動き続けるので それを見るのが好きだった。
不思議で面白かったのである。

ある日 父親が仕事が休みの日に
花壇の手入れをしていた時
トカゲのしっぽを 切って遊ぶ咲を見た父は
「咲ちゃん トカゲが可愛そうだから もう切らないであげて」
咲は「何故?死んでないから いいじゃないの?」と言うと
父親は 何故トカゲのしっぽが切れるのか
トカゲの生体を事細かく 説明してくれたのであった。

それ以来 咲はトカゲを見掛けても
しっぽを切る事はしなくなった。

こうして 咲は遊びながらも
父親に 知識を教えてもらいながら
1日1日 成長していくのである。

今日のところは この辺で…
また次回咲の成長を語りたいと思います。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

   作 天静 凛

YouTubeで朗読しています。
https://youtu.be/EE-v8Hpzy8A





 

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