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イヤホンをつけるなら

 最近はワイヤレスのイヤホンを使われている方が多いので、こちらもつけていることに気づきにくくなった。

 イヤホンマイクで急に話し出す方にまだ慣れていない自分は、ワイヤレスのイヤホンの存在を自然に認知するまで時間がかかりそうだ。

 イヤホンで音楽を聞いたり、勉強したり、動画やゲームをしたりと様々な音を聞くのはいいのだが、外出時に使用するのであればやはり周りの音が聞こえるぐらいの音量が適当だろう。

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 先日、電車内での出来事。

 車椅子の方が乗車するため、係員が折り畳みスロープをセットしながら車内に声をかけた。

 「お客さまが乗車されますので、スペースを空けてください。」

 この駅から3つ先にターミナル駅があり、ほとんどの人がそこで降車するが、ターミナル駅はこの駅と反対のドアが開くためみんな乗車側のドアに背を向けていた。

 それでも数人の人が振り返り、スペースを空ける。

 しかし、ドアに背を向けて真ん中に立っていた1人の青年に動きはない。

 車椅子の方は、足置きが彼の足にあたるかあたらないかのギリギリの場所に止まった。

 度胸のない自分は、彼に声をかけることはできなかった。

 そっと様子を伺うと、彼はワイヤレスのイヤホンを使っていた。恐らく、係員の声が聞こえず、周りの動きにも気づかなかったのだろう。

 彼は次の駅でくるりと回転し勢いよく降りよとして、ようやく自分の後ろに車椅子の方が乗車していたことに気づいたようだ。

 幸いぶつからずに回転直後にぎりぎり避けて降りていった。

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 また別の日の出来事。

 イヤホンの意味がないぐらいの音量で音漏れしている人がいた。

 自分は3駅先で降りるので、気にせずそのまま乗車していた。

 しかし、テンポが速くなんだか目が回りそうなその音楽にだんだん気分が悪くなってきた。

 あとひと駅だから、と自分に言い聞かせ、意味もなく息を止めてそのことに集中して気を紛らわせる。

 朝から無駄に体力を使いながら、会社に向かった。

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 時間は限りあるものだから大切に使いたい。

 それは誰しも思うことだが、家を出ると周りには様々な状況の方がいることを忘れないようにしたい。

 最近は通勤や通学時におにぎりやパンを食べながら歩いて乗り換える人や、仕事帰りらしき人がアルコール飲料の缶を楽しみながら乗車している人を見かけることがある。

 偉そうなことを言える立場ではないが、匂いに敏感で、ある種類の食べ物やアルコールの匂いで吐き気を催す人もいる事を知ってもらえるとありがたい。

ありがとうございます^_^