組織の「便利使い」を極めたら、その先に何が見えるのだろう
自分の職場には、「便利使い」というコトバがある。どこの職場にもあるのかもしれないが、いいコトバではない。少なくとも、自分は気分を害するコトバだ。
自分の職場の場合、業務内容、業務量、精神的負担が重い業務を任されるが、評価や給料に反映されない人を指す。ほとんどの人がひとつの業務が終わると、同様の業務を任される。
運のいい人は、そのような人たちの存在を知らずに過ごす。便利使いされる人はだいたい同じで、1人で担当、書面上に表記される内容も他と変わらない。実情を知らなければ気づけないのだ。
便利使いされる人達は、その負のスパイラルから抜け出すため上司に働きかけるが、身体を壊すまで使われ続けることもある。
諦めて淡々とこなしている人、嫌なのに抜けだせず弱っていく人、重い仕事ばかりだが一部の人に理解されることで納得する人。それぞれの気持ちで仕事をしている。
自分も人事異動の度に、その場所で1度は便利使いをされる。程度は中程度であるが、それでも普通の仕事で評価され給料が上がっていく人たちを見ると、納得できない気持ちがある。
しかし振り返ってみると、それらの業務のおかげで成長できた部分があることも確かだ。
限られた時間内に量をこなすうちにスピードがついた。組織内の面倒な動きを予想できるようにもなった。業務量の多さに動じなくなり、トラブルが起きそうになっても次の行動を想定するようになった。
また、何度か経験するうちに、便利使いが発動しそうなタイミングや内容が予測できるようになり、もし事前に予告があった場合、上司に最低限伝えることを考える余裕もでてきた。
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自分が便利使いされやすいことを自覚し、諦めながら仕事をしていたある日、ふと思った。
「便利使いを極めたら、その先に何が見えるのだろうか」
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便利使いが使命を果たすには、様々なものが必要だ。
まず、心身共に健康で忍耐が必要だ。
経験と知識の不足分は上司に埋めてもらうことになる。上司が協力的か、得意なことが何かを知る。自分の負担を左右する重要な材料だ。
事務的な準備や関係先、予備知識を含め全体像をつかむ力。
スタート後の臨機応変な対応。
他者のペースに左右される場合は、自分のペースへの切替えのタイミングの見極め。
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他にも必要な要素は色々とあるが、少し文字にしてみただけでも中々の技術ではないだろうか。全てできれば、ものすごくできる社員だ。
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しかし、理想と現実は遠いところにある。
理想を現実にして、涼しい顔をしてこなすことができたら…
「あの人がいる時は気づかなかったけれど、失ってその働きがわかった。」
そんな風に言われてみたい、と欲がでてきた。
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その時は感謝されないし、厄介者扱いになることもある。当然、モチベーションを保つのは難しい。
今、小程度であるが便利使いされているところだ。
今回はこれまでと違い、仕事をしているが認められず、怠けているとさえ思われている可能性がある。反面、仕事はほどほどに処理し意図せず行動が上司に良く映る人が近くにおり、その人には負担をかけているのに、自分は仕事していない、という絵になっている。
今までで1番気分悪く仕事をしている。だから、この記事は自分を励ますような内容になったのかもしれない。
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結論。
「便利使い」を極めたら、大抵のことには動じず、物事の線引きにも悩まず、精神的にも強くなり、楽な気持ちで仕事ができるようになるのではないか。
自分の状況を組織のせいにせず、便利使いは実は自分が楽になるためのツール。
そう理解すると、慰めとともに前向きにやりなよ、という自分への応援歌が聞こえてきた。
ありがとうございます^_^