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まえとあと

 大都市と呼ばれる地域に緊急事態宣言が出された。

 「早くもとの生活に戻れるように…」というが、もとの生活とはいつの時点のことを指すのだろう、とふと思った。

 学校が休みになり、テレワークが進められ生活が大きく変わった人は多いだろう。さらに家で過ごすことを後押しするため、商業施設は休業し、夜間外出はダメということで苦しい選択の中で休業する方も多いだろう。

 学校の休校でいえば2ヶ月以上続くことになり、緊急事態宣言も1ヶ月となれば、生活習慣はおのずと変わってしまう。

 家族の状況にあわせて変わる人もいれば、いつもの場所に行けなくて変わる人もいる。

 1ヶ月後、今まで楽しみだと思って通っていたお店、好きな場所が自分にとってそのままの存在だとは限らない。

 仕方なく代替として始めたことが習慣として身につくと、学校や仕事を再開しても、家で過ごすのがいいとかお金を使う先を変えることになる。そうするとお店を再開してもお客が戻るとは限らず、みんながもとの生活に戻れるとは限らない。

 また、毎日続けているから守られている味や技術もある。お客の反応でわかること、作る量で変わってしまうもの、自宅では維持できない技術。そうやって失われるものもあるのではないだろうか。

 雇用を守り抜くなんてコトバ、きれいごとだけ言ってる感じで白々しい。

 ほんの半年前と比べて、こんなに世界が、暮らしが、大きく変わるなんて思ってもいなかった。

 まえとあと。

 同じには戻れない。

 現実はもっとシビアだ。

ありがとうございます^_^