見出し画像

50歳の時の仕事を想像しているか問われた

 会社は外部に対して社員をどれだけ大切にしているかアピールする必要がある。

 我が社にはそのための(と勝手に自分が思っている)制度のひとつとして、自身の異動希望や社内でのキャリアデザインを提出させるものがある。

 フォーマットは決められたもので、提示された選択肢から選択する設問と自分で記入する設問から成り立っている。

 上司に提出したあとは面談があり、一応上司が本人にヒアリングしたという体裁になっている。

**********

 実際には人事異動やキャリアデザインに反映されることはほぼない。

 面談でも、あくまで希望というだけで希望どおりになるかはわからない、と念押しされる。

 反対に面談は個室(といっても天井まで仕切りがないので、聞こえる人には丸聞こえなのだが)で上司と一対一になれるため、個人的な話やオープンにできない仕事の話をする場となり、社員を育てる機会というより個別に仕事の話ができる場になりがちだ。

**********

 今の上司は感覚の違いから仕事の話はできるないので、いつも質疑応答みたいな感じで終わるのだが、今回は「50歳の時にどんな仕事してるか想像してる?」と言われた。

 新しいことを吸収しにくく、環境の変化にも苦労するであろう50歳の時にできている仕事につながる異動希望を考えよ、ということだ。

 自分の経験上、この制度は本人の異動希望やキャリアデザインを聞いてます、という既成事実をつくるためのものなので、先の質問に真剣に答えても意味はないが、一応伝えた。

 しかし、上司に伝えた内容は本心ではない。

**********

 自分はその性格から、サラリーマンを長く続けられる自信はなかった。

 まだ人員にも余裕がある時代に就職したので、仕事は進まないがマスコットキャラとして職場を和ませてくれるおじさんや、そのおじさんの仕事をコントロールし、ときにはおじさんの仕事もさばく先輩や、年功序列でおじさんの方が給料が高い事実をみてきた。

 だから自分は、40歳になったら最前線にはおらず、若い人に助けられながらなんとか仕事している人になっているだろう、と思っていた。

 その後、日が変わらないと帰れない職場に異動し、40歳になったら…はそのままで50歳で会社を辞め、年金がもらえるまで勤務条件を緩くして別の会社で働きたいと思うようになった。

 幸い、早期退職制度も50歳から活用できる。

 しかし、子どもが産まれ、将来に必要な資金額が大幅に変わった。

 50歳の時、子どもはまだ小学生、高学年だ。

 今は時短を使ってなんとか家庭生活を送っているが、子どもが小学生になると時短が使えなくなるため、家庭運営の方法を考え直さねばならない。

 自分も家族も、みんなが今と変わらず元気だとは限らない。

 ゲガや病気で入院や治療が必要だったり、介護が必要になっているかもしれない。

 もう若くもなく家庭運営への影響も考えると、自分にとって会社でのキャリアデザインなんて遠い話しだ。

**********

 しかし、一応夢はある。

 以前は喫茶店の片隅で、その人の呟きや悩みを聞くような事をしたいと思っていた。

 今は、この先の時代に喫茶店がどうなっていくかわからないし、仕事するなら自宅の近くがいい。

 何かリモートを使って、同じようなことができないかと思っている。

 以前から自分の経験は、誰かと共有するためにあると感じていたので、のんびりまったり、お互い心穏やかになれるようなコミュニケーションの場を作りたいのだ。

 さて、これからどうなっていくのか。

 みなさんも50歳といわず、自分の職業計画を改めて見直してみてはいかがだろうか。

 現実と乖離していても、理想や夢を持つことは全然かまわないのだから、リアルと夢物の2つを描いてみるのも面白いかもしれない。

 

 



ありがとうございます^_^