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またひとつ文化が消える日

 少し前の話になる。

 「キムタクがマクドナルドのCMにでてる!」

 「キムタクがマックと言った!!」

 あぁ、「マクド」の呼び名はこのCMにより消えた…

 大げさかもしれないがこれは、木村拓哉氏が出演するマクドナルドのCMを初めてみたときの正直な感想だ。

 西の方の出身である自分の地元では、マクドナルドは「マクド」と呼ばれていた。

 今でも自分はそう呼んでいる(店舗が生活圏内にないので、呼ぶことはあまりないが。)

 マクドナルドの呼び名は、ひとつの文化だと思っている。

 しかし、このCMにより、ひとつの文化が消える日がきたと思った。

 もちろん、このCMがそのようなことを意図しているはずはない。朝マックは昔から「マック」だ。しかし、キムタク×全国放送(というのだろうか?)の影響力は大きい。

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 テレビやコンビニ、スーパーの全国展開…これらの影響により、子どもから地方独特の方言を聞くことは少なくなった。地方の食文化や行事が全国的に周知され、もとがどこの地域のどんな風習だったかわからなくなってきている。

 例えば恵方巻。これは関西方面の行事だったが、全国に店舗をもつコンビニやスーパーで商品として展開され、認知度はあがった。今ではイベントの一種になり、販売ノルマや食品ロスといった問題にまで発展している。

 もともとは地方の一文化だったのに、最後はその文化が悪者扱いされるのは心が痛い。

 また、自分は「おでん」という言葉を初めて聞いた時、どんな食べ物かわからなかった。自分の住む地域には似た料理として「関東煮」(かんとだき)というものがある。

 子どもを預けている保育所には、玄関にその日のお昼ご飯をひらがなで書いた掲示物がある。

 「かんとうに」と書かれたメニューをみて、先生は「かんとだき」を知らない世代なんだなと思った。

 コンビニで売られているのは「おでん」。関東煮の名称は、消えていくだろう。

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 技術の発展により、遠い異国のこともとても詳しく知ることができるようになった。

 一方で、淘汰されるものもある。

 「本当に必要であれば、市民の力で守られるはず」というようなことを言う人もいた。

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 ひとつひとつは自分の中に。

 少し寂しさは感じるが、時は流れ、モノは形を変えていく。

 それは、全てに言えること。

 


 

 

ありがとうございます^_^