楽しいと思う瞬間

どうせお金をもらうのであれば自分が楽しいと思えることを仕事として選びたい。そのためには、自分が楽しいと思うことが何なのかを知らなければならない。

自分の場合、大きく分けて活動のフィールドは仕事・研究・制作の3つがあるが、共通して楽しいと思える状態があることに気づいた。それは、「次にやること、道筋が次々に浮かんできて、無意識に手が動いている状態」である。

いわゆる、「フロー」と呼ばれている状態だと思われる。仕事であれば、プログラムのコードを書いているときや、全体のアーキテクチャを図に起こすような作業をしているときである。制作は特に顕著で、次のシーンが具体的に浮かんでこないときはまったく作業が進まないが、逆にアイディアが浮かぶと時間も忘れ作業に没頭し、気付いたら深夜ということはよくある。研究においてもシミュレーションのプログラムを書いているとき、この状態に入っている。

この時の感覚はまさに脳内麻薬に近いと感じている。最終的な完成系が8割以上イメージでき、そこに至るまでに必要な要素が風船のように浮かび、あとはそれをどの順序で繋いでいくかということだけになる。この状態に入ると、ほとんど脊髄反射のように勝手に手が動いていく。そして、これが自分の納得いくレベルまで完成した瞬間、言いようのない達成感と多幸感に包まれる。最終的な成果物は、プログラム、映像作品、シミュレーション結果のグラフなど、形は違えど、それを完成させるまでのプロセスにはかなり似た部分があると感じている。

このフロー状態が私の人生の楽しさや幸せにつながるのであれば、この状態を中心に様々な選択を行っていく必要がある。例えば、フロー状態で作業をする対象、フロー状態を維持するための生活スタイル、などである。

対象については、内向きと外向きの2方向で考える必要がある。内向きとは、フロー状態を高い質で維持できる対象であるのか、私自身の能力で解決できるか、興味を持てる内容か、ということ。そして外向きとは、その成果物が社会的に評価されるものなのか、だれに評価してもらうものなのか、ということである。集合論で言うと、内向きと外向きのそれぞれの集合の積集合を見極めることが必要である。



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