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さまざまな話

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自分の書いたさまざまな話が入っています。二次創作もあります。よしなに。
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#短編小説

【話】焼いたグッエンコーベ

きょう知ったのだけど、彼女はグッエンコーベを生で食べるひとだった。こればっかりは嗜好の話であって、私にはどうしようもなかった。でも、それでも聞いてしまう。 「……焼いたグッエンコーベは、食べないの?」 「えっ」 喫茶店の窓から差し込む光が、彼女の黒いミディアムヘアを、きらきら、といっそう輝かせている。「あ、ごめんね、なんか、気になって」と言葉をつなぐと、「食べないかな」と返事が届く。 「……なんで?」 「このぷつぷつしたのが好きだから。こいつを食べたいから」 「……そっか」

【話】カード売り場駅のバイト

家から自転車で行ける距離に、カード売り場駅があった。 毎月1回、わたしの家の近くの線路を、青や赤に塗られた電車が爆速で通過していくのを見ながら育った。幼いころは、そのときが来るとお母さんに「ガタンゴトン来るよ」と言われて、お父さんにベランダで抱っこしてもらって、一向に止まる気配のないその電車を3人で見ていた。 たまに新幹線やリニアが在来線の線路を走ることがあって、それを見たお父さんは「強いな~」と、よくわからない感想を言ってたっけ。 ときおり化け物に周囲を荒らされることも