百合小説「君と一緒なら」
辺り一面に光の海が広がる。白、黄色、赤、緑、青……さまざまな色の電飾が駅前の公園を彩っている。
「わー!見て、綺麗!」
イルミネーションのアーチを、彼女は駆け抜けていく。
「ねえ、すごくない!?」
こちらを振り返って笑う君は、まるで子供みたいだ。
「もう、菜乃華。そんなに走ったら転ぶよ?」
今日は駅前で開催されているクリスマスマーケットに来ていた。
近くの駅で毎年行われているイベントだ。菜乃華がどうしても行きたいと言うので二人でやって来た。私は、寒いし人が多いし、最初はあま