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日本中の伝統的工芸品を紹介


さくらいとは「福井県の伝統工芸を応援するアイドルグループ」ではありますが、外出自粛や移動の自粛によりオンラインを中心に活動することがこれまで以上に求められています。

そこで、このページでは福井だけにこだわらず、日本中の素晴らしい伝統的工芸品を紹介し、日本の皆さんを応援していきたいと思います。
*紹介内容やリンク先は「伝統工芸青山スクエア」さん

日本の伝統的工芸品の定義

「伝統的工芸品」には、法律上では次の要件が必要と規定されています。

①主として日常生活で使われるもの
冠婚葬祭や節句などのように、一生あるいは年に数回の行事でも、生活に密着し一般家庭で使われる場合は、「日常生活」に含みます。
工芸品は「用の美」ともいわれ、長い間多くの人の目や手に触れることで、使いやすさや完成度が向上します。また色・紋様・形は、日本の生活慣習や文化的な背景とも深く関わっています。

②製造過程の主要部分が手作り
すべて手作りでなくても差し支えありません。が、製品の品質、形態、デザインなど、製品の特長や持ち味を継承する工程は「手作り」が条件です。持ち味が損なわれないような補助的工程には、機械を導入することが可能です。
製品一つ一つが人の手に触れる工程を経るので、人間工学的にも妥当な寸法や形状となりますし、安全性も備えています。

③伝統的技術または技法によって製造
伝統的とはおよそ100年間以上の継続を意味します。工芸品の技術、技法は、100年間以上、多くの作り手の試行錯誤や改良を経て初めて確立すると考えられています。技術と技法は一体不可分なものですが、どちらかといえば技術は、「技術を磨く」といわれるように「一人一人の作り手の技量」「精度」に関わりが強く、技法は「原材料の選択から製法に至るノウハウの歴史的な積み重ね」に関わるものといえます。

伝統的技術、技法は、昔からの方法そのままでなく、根本的な変化や製品の特長を変えることがなければ、改善や発展は差し支えありません。

④伝統的に使用されてきた原材料
③と同様に、100年間以上の継続を意味し、長い間吟味された、人と自然にやさしい材料が使われます。なお、既に枯渇したものや入手が極めて困難な原材料もあり、その場合は、持ち味を変えない範囲で同種の原材料に転換することは、伝統的であるとされます。

⑤一定の地域で産地を形成
一定の地域で、ある程度の規模の製造者があり、地域産業として成立していることが必要です。ある程度の規模とは、10企業以上または30人以上が想定されています。個々の企業だけでなく、産地全体の自信と責任に裏付けられた信頼性があります。

これらが日本の「伝統的工芸品」に認定される条件になります。


★福井県の伝統的工芸品


『越前打刃物』(えちぜんうちはもの)/金工品
主な製品:鎌、なた、はさみ、包丁

日本古来の火作り鍛造技術と手仕上げを主として、鎌、包丁等を主な製品としています。



『越前和紙』(えちぜんわし)/和紙
主な製品:木版画、襖(ふすま)紙、印刷、免状、書道、日本画
色紙、封筒、便箋(びんせん)

温かみに満ちた優雅な肌合い、また紙そのものの持つ風格、強靱さ等言葉では言い表せない「生成(きなり)」の豊かな感性を持ち、「日本文化」が息づく和紙です。



『越前焼』(えちぜんやき)/ 陶磁器
主な製品:酒器、花器、茶器、日用雑器、壷、かめ

釉薬(ゆうやく)を使わずに焼く焼き締めや、灰釉(かいゆう)、鉄釉(てつゆう)を中心とした、素朴な肌触りの陶器です。飾り気のない作り、温かみのある土で焼かれた、暮らしに使う器としての美しさを持っています。



『越前漆器』(えちぜんしっき)/漆器
主な製品:椀、膳、盆、重箱

挽物はトチノキ、ミヅメ、ケヤキ等の木を縦方向に立木挽きします。塗りは花塗(はなぬり)という、刷毛の跡やほこりが付かないように仕上げの漆を塗り、そのまま乾燥させる技法が特徴です。堅牢な下地作りに塗り重ねた艶と、優雅な作りには定評があります。別名、河和田塗としても知られています。



『越前箪笥』(えちぜんたんす)/木工品・竹工品
主な製品:車箪笥、帳箪笥、水屋箪笥、桐タンス、小物入

ケヤキやキリ等の木材を奈良時代より伝わる越前指物の技術で加工し、豊かな装飾の錺金具や漆塗りが施された重厚なつくりの和箪笥です。鉄金具には越前打刃物の、漆塗りには越前漆器の技術が使われ、近隣の伝統的工芸品とも深いつながりがあります。



『若狭塗』(わかさぬり)/漆器
主な製品:花器、茶器、酒器、箸箱

若狭塗は、卵の殻、青貝、マツの葉、ヒノキ葉、菜種等を使って模様を作り海底の様子をあらわします。またそこには、星のように、あるいは宝石のように、金箔が光っています。手仕事なので、同じ品はありません。



『若狭めのう細工』(わかさめのうざいく)/貴石細工
主な製品:装身具、置物、茶碗、風鎮(ふうちん)

めのうは、年輪状の模様を持った半透明で味わいのある石英という石です。この原石を200~300度で焼くと、美しく発色することに気づいた人達が、若狭独特の焼き入れの技法を作り上げました。非常に硬い原石に、時間をかけて彫刻・研磨を施し、愛らしい動物や仏像、香炉、杯、様々な装身具等に仕上げます。


■北海道の伝統的工芸品


『二風谷イタ』(にぶたにいた)/木工品・竹工品
主な製品:着尺、着物、手甲、脚絆、帯地、壁掛け、小物類など

木製の浅く平たい形状のお盆で、日常生活で長く使用できる実用品でありながら、モレウノカ(うずまき・形を模したもの)、アイウシノカ(刺がある・形を模したもの)、シクノカ(目・形を模したもの)などのアイヌ文様、ラムラムノカ(ウロコ・形を模したもの)と呼ばれるウロコ彫りが施されている、美しさも兼ね備えた工芸品です。



『二風谷アットゥシ』(にぶたにあっとぅし)/織物
主な製品:盆、小物

アットゥシとは、アッニ(オヒョウ)等の樹皮の繊維で糸を作り、アットゥシカラペ(機織り機)を使って織られた反物のことを言います。水に強く、通気性に優れ、天然繊維としては類稀な強靱さと独特の風合いを持っています。


■青森県の伝統的工芸品


『津軽塗』(つがるぬり)/漆器
主な製品:家具、座卓、茶器、食器、文箱、盆類、硯箱、箸、花器

津軽塗は、青森県弘前を中心に作られてきた、わが国最北端の伝統漆器です。温もりと潤いにあふれた、手作りならではの味わいがあります。小さな文様が着物の小紋の柄のように粋な感じのする「ななこ塗」、艶消しの黒地が渋くモダンな感じのする「紋紗塗(もんしゃぬり)」等、様々な種類の技法が特色です。


■岩手県の伝統的工芸品


『秀衡塗』(ひでひらぬり)/漆器
主な製品:椀、盆、菓子器、重箱、茶器、花器

下地は、最も丈夫と言われる本堅地(ほんかたじ)を使っています。加飾は当地で昔から伝えられてきた漆器の「秀衡椀」を手本にしたもので、「源氏雲」という雲の形と、いくつかの菱形の組み合わせで作られる「有職菱文様(ゆうそくひしもんよう)」が描かれます。ちょっと見ると金箔を使ったとても華やかなデザインに見えますが、実際手にとってみると、一番上に塗られた上塗りの黒や朱色の漆や加飾は、光沢をおさえた仕上げをしているので、漆本来の美しい艶を味わうことができます。



『浄法寺塗』(じょうぼうじぬり)/漆器
主な製品:椀、皿、盆、茶器、花器

昔から汁椀・飯椀・片口等暮らしの中で使われる漆器を作っています。昔から伝えられている椀には飾りの付いたものもありますが、ほとんどが無地の本朱・黒・溜色(ためいろ)の単色で、光沢をおさえた仕上げになっています。 国内最大の漆生産地でもあり、良質の原材料を使った飽きのこない質感が最大の特徴です。



『岩谷堂簞笥』(いわやどうたんす)/木工品・竹工品
主な製品:整理箪笥、車付箪笥、小箪笥

ケヤキやキリ等の木を素材とし、漆塗りの上に、手打ち手彫りで作られた堅牢で優美な金具が取り付けられています。金庫の役目をするために、鍵のかかる金具が使われます。重厚で伝統的な和箪笥です。



『南部鉄器』(なんぶてっき)/金工品

主な製品:茶釜、鉄瓶(てつびん)、花器

「質実剛健」「丈夫で長持ち」これが南部鉄器のイメージです。また茶の湯釜や鉄瓶に描かれている、様々な絵柄や美しく並んだ粒が描き出す「霰(あられ)」の文様は、作る人々の心の機微と温もりを感じさせてくれます。


■宮城県の伝統的工芸品


『鳴子漆器』(なるこしっき)/漆器
主な製品:盆、茶托(ちゃたく)、重箱、菓子器

透明な漆を使って木地の木目を見せる「木地呂塗(きじろぬり)」や、木地に漆を何度もふいて染み込ませ、漆の色だけを表面に残して仕上げる「ふき漆仕上げ」があります。また、独特の技法を使ったものに、墨を流したような模様を作り出す「竜文塗(りゅうもんぬり)」があります。そのほか、伝統的な「塗立て(ぬりたて)」技術による製品には、しっとりとした美しさがあります。



『仙台箪笥』(せんだいだんす)/木工品・竹工品
主な製品:仙台箪笥

材料にはケヤキや栗を用い、大きさは、幅4尺(約120センチ)、高さ3尺(90センチ)。ケヤキの木目が浮かび上がる木地呂塗りに、豪華な鉄の飾り鉄金具が付くのが特徴です。



『雄勝硯』(おがつすずり)/文具
主な製品:自然石硯、天然共蓋付き硯、特殊硯

硯にとって最も大切な部分は、墨をする際に歯の役割を果たす鋒鋩(ほうぼう)です。雄勝硯の特徴は、この鋒鋩の荒さ、細さ、堅さ、柔らかさが丁度良いバランスになっていることです。色は黒または暗い藍色で、豊かな艶があり、石肌は滑らかです。



『宮城伝統こけし』(みやぎでんとうこけし)/人形・こけし
主な製品:こけし

こけしは、最も簡略化された造形の美しさに加え、清楚にして可憐な姿は山村の自然に囲まれた素朴な工人の心を通じて表現した美しさであり、産地の独特の形・模様を通じて今日に受け継がれています。
宮城県内には、「鳴子こけし」「作並こけし」「遠刈田こけし」「弥治郎こけし」「肘折こけし」の5つの伝統こけしがあり、系統作者により形・描彩にちがう特徴があります。


■秋田県の伝統的工芸品


『川連漆器』(かわつらしっき)/漆器
主な製品:椀、鉢、皿、盆、重箱

製品はすべて木製で漆塗りです。一目でわかるような目立った特徴はありませんが、下地に重点をおき堅地仕上げをしているため、非常に丈夫で、しかも価格を低くおさえています。小物から家具まで品揃えが豊富です。



『樺細工』(かばざいく)/木工品・竹工品
主な製品:茶筒

ヤマザクラの木の皮を用いて作られる、国内では他に見ることのできないものです。木の皮の種類には、あめ皮、ちらし皮、ひび皮等12種類程あり、用途に応じて使い分けられています。仕上げられた作品に同一のものはありません。



『大館曲げわっぱ』(おおだてまげわっぱ)/木工品・竹工品
主な製品:櫃(ひつ)、水差し、盆、すし鉢、弁当箱、菓子器、
小物入れ、コーヒーカップ、ビールジョッキ

天然の秋田杉の柾目(まさめ)と香りが冴(さ)え、木目は真っ直ぐで弾力に富んでいます。軽くて、年輪の間隔は細かくきれいに揃い、鮮やかな赤、淡い黄色の明るく上品な木目が生かされた製品には、シンプルな味わいの中に美しさと気品があります



『秋田杉桶樽』(あきたすぎおけたる)/木工品・竹工品
主な製品:櫃(ひつ)、菓子器、花器、酒樽、銚子樽、
ジョッキ、すし桶、風呂桶、傘立

天然秋田杉は、年輪が揃っていて木目が細かく、美しく、香りが良い上に、伸び縮みが少ないため狂いが生じにくい等、優れた特性を持っています。秋田杉桶樽の木の温もりは、生活に潤いと豊かさを与えてくれます。


■山形県の伝統的工芸品


『置賜紬』(おいたまつむぎ)/織物
主な製品:着物地、袴、帯、袋物

置賜紬は、この地区で生産されている織物すべての呼び名です。その種類は米琉板締小絣、白鷹板締小絣、緯総絣、併用絣、草木染紬、紅花紬の6品種ありますが、いずれも糸を先に染めてから織る先染めの平織(ひらおり)です。



『羽越しな布』(うえつしなふ)/織物
主な製品:帯、小物

羽越地域の山間部に生育するシナノキ、オオバボダイジュ又はノジリボダイジュの樹皮から取れる靭皮(じんぴ)繊維で糸を作り、布状に織り上げたもの。 日本では、縄文や弥生時代から衣装や装飾品などに利用され、今日、山形県鶴岡市関川地区や新潟県岩船郡山北町において受け継がれています。原料が樹皮の繊維であることから、その風合いは粗々しいものの、ざっくりとした手触りと落ち着きのある風合いに特徴があり、帯地ばかりでなくバッグ、帽子等多くの日用品にも加工されています。



『山形鋳物』(やまがたいもの)/金工品
主な製品:茶釜、鉄瓶(てつびん)、青銅花瓶、鉄鍋、置物、銅器

日本文化を代表する茶道になくてはならない茶の湯釜の多くが山形産です。鉄瓶、青銅花瓶、鉄鍋、置物等、薄手で、しかも繊細な肌や正確な形は伝統的工芸品にふさわしい優れた技術によるものです。



『山形仏壇』(やまがた仏壇)/仏壇・仏具
主な製品:仏壇

木地前面にケヤキ、セン等の木の木目板を張り、「木目を出した塗り」を施し、温もりを出しています。肘木桝組みによる「宮殿(くうでん)」は心を打つ美しさです。黒色をつけて唐草模様に沈金を施した「金具」は落ち着きの中にも豪華さがあります。巻竜、天人等の彫刻は豪華絢爛です。



『天童将棋駒』(てんどうしょうぎこま)/その他の工芸品
主な製品:将棋駒

ホウノキ、ハクウンボク、イタヤカエデ、マユミ、ツゲ等の木地に天然の漆を用いて文字を書きますが、高級品は本ツゲに字を彫り、そこに漆を盛り上げて作られます。全国の将棋駒の生産量の95%以上を生産しています。


■福島県の伝統的工芸品


『奥会津昭和からむし織』(おくあいずしょうわからむしおり)/織物
主な製品:からむし織

奥会津昭和からむし織の一番の特徴は、原材料である昭和村産のからむしの品質の高さです。からむしはイラクサ科カラムシ属の植物で、「苧麻(ちょま)」または「青苧(あおそ)」とも呼ばれ、茎の部分の靱皮繊維(外皮の内側の繊維)を利用します。水分の吸湿・速乾性に富み、天然繊維としては非常に強く、水に濡れると強さが増し、耐久性にも優れています。さらりとした感触が心地よく、夏の衣料を始め小物や装飾品など用途は多岐に渡ります。特に、夏衣としては、一度着用すれば他の織物を着ることができなくなると言われるほど上質な製品です。



『大堀相馬焼』(おおぼりそうまやき)/陶磁器
主な製品:茶器、酒器、花器、灰皿

磁釉という青みのある透明なガラス質で、表面をおおった陶器を主に作っています。ひび割れが模様のように器全体をおおっていることから「青ひび」と呼ばれており、このひび割れ模様が、作品を親しみやすいものにしています。青磁釉の主な原料である砥山石はこの産地のみで採れる原料です。青磁釉の他には、灰釉(かいゆう)、あめ釉(ゆう)、白流釉(しろながれゆう)等を使っています。



『会津本郷焼』(あいづほんごうやき)/陶磁器
主な製品:食卓用品、茶器、花器、酒器

陶器、磁器の両方を作っている産地です。ひとつの製造元で両方の焼き物を作っているところもあります。磁器には、呉須という青色の絵の具を使った染付や、日本や西洋の絵の具を使った多色の色絵等、色々な種類があります。陶器は実用的なものが多く作られています。それらには、あめ釉(ゆう)や、灰釉(かいゆう)等、伝統的な釉薬(ゆうやく)が使われています。



『会津塗』(あいづぬり)/漆器
主な製品:椀、重箱、茶托(ちゃたく)、盆

日本人好みの縁起の良い図案や、多彩な加飾が楽しめます。錆絵を使った渋みのある「鉄錆塗」、米のもみ殻をまいて模様を出す「金虫くい塗」、木目の美しい「木地呂塗(きじろぬり)」等の多彩な塗りの技法が見どころです。



『奥会津編み組細工』(おくあいづあみくみざいく)/木工品・竹工品
主な製品:手さげかご、抱えかご、肩かけかご、腰かご、菓子器、
米研ぎざる、小豆漉しざる、そばざる

奥会津地方の山間部で採取されるヒロロ、山ブドウやマタタビなどの植物を素材とする編み組細工で、山間地における積雪期の手仕事として、日常の生活に用いる籠や笊などが伝承されてきました。 現在では、福島県大沼郡三島町を主な産地とし、ヒロロ、山ブドウ、マタタビ素材とした手さげ籠、抱え籠、肩かけ籠・菓子器・炊事用具などが作られています。自然素材を用いた堅牢で素朴な手編みの良さが特徴です。


■茨城県の伝統的工芸品


『結城紬』(ゆうきつむぎ)/織物
主な製品:着物地、帯

真綿から手で糸を引き出すため、長さの異なる百数十本の一つ一つの繊維が絡まり合うだけで、糸に撚(よ)りがない嵩高繊維(かさだかせんい)の代表格です。そのため、絹でありながら木綿織風の素朴さがうかがえるのが特徴です。


『笠間焼』(かさまやき)/陶磁器
主な製品:洋食器、和食器、花器、置物

笠間焼には、200軒ほどの窯元や、陶芸作家、販売店があります。主として手作りの製品で個性的なものや、これまでになかった新しい感じのするものから伝統的なものまで、色々な感性の作品が共存する特異な産地として注目をあびています。


『真壁石燈籠』(まかべいしとうろう)/石工品
主な製品:庭園用石燈籠、神社仏閣奉納用石燈籠

硬白度の色調を持つ真壁石燈籠は、柔らかさのある、繊細優美な彫刻が特徴で、しかも重量感があります。苔が付くことにより、一段とその特徴が生かされ、日本庭園等に一層の優雅さと趣きを与えます。


■栃木県の伝統的工芸品


『結城紬』(ゆうきつむぎ)/織物
主な製品:着物地、帯

真綿から手で糸を引き出すため、長さの異なる百数十本の一つ一つの繊維が絡まり合うだけで、糸に撚(よ)りがない嵩高繊維(かさだかせんい)の代表格です。そのため、絹でありながら木綿織風の素朴さがうかがえるのが特徴です。



『益子焼』(ましこやき)/陶磁器
主な製品:食器、花器類

伝統的な土地の素材である益子でとれる陶土と、釉薬(ゆうやく)等の技術が結び付いて生まれた、落ち着いた艶のある素朴な焼き物です。


■群馬県の伝統的工芸品


『伊勢崎絣』(いせさきがすり)/織物
主な製品:着物地

手作業を中心に数多くの工程を経て製作されているので、作品にかかわる職人によって、同じ柄の作品でも出来上がりはそれぞれ微妙に違います。



『桐生織』(きりゅうおり)/織物
主な製品:着物地、帯

桐生織は品種が多く、生産の量の少ない付加価値の高い先染めジャカード織物です。いずれもセンスの良いデザインや紋様で作られています。


■埼玉県の伝統的工芸品


『秩父銘仙』(ちちぶめいせん)/織物
主な製品:着物地、和洋装小物類、室内用品

そろえた経糸に粗く緯糸を仮織し、そこに型染めをし、製織する技法です。製織の際に仮織りした緯糸を手でほぐしながら織っていくため、「ほぐし捺染」や「ほぐし織り」と呼ばれています。
糸に型染めをするため表裏が同じように染色され、裏表のない生地ができあがります。また、経糸の型染めの色と緯糸の色との関係で角度によって色の見え方が異なる玉虫効果が見られる場合もあります。



『春日部桐簞笥』(かすかべきりたんす)/木工品・竹工品
主な製品:衣装箪笥、抽出(ひきだし)箪笥、洋服箪笥

江戸の昔から、質実剛健な武士文化に育まれて来ただけに、無駄な飾りを廃した地味で質素な外観と、直線を基調にしたデザインが特徴です。



『江戸木目込人形』(えどきめこみにんぎょう)/人形・こけし
主な製品:節句人形、歌舞伎人形、風俗人形

木目込人形とは、桐の粉をしょうふ糊で固めた桐塑(とうそ)で作った型に、筋彫りをし、そこに布地をきめ込んで(挟んで着付けて)作るものです。



『岩槻人形』(いわつきにんぎょう)/人形・こけし
主な製品:雛人形、五月人形、浮世人形

岩槻人形は、頭に取り付ける胴が大振りで、頭の輪郭も丸く、造作もはっきりとしたもの(目が大きく少し派手目な彩色)が多いのが特徴です。


■千葉県の伝統的工芸品


『千葉工匠具』(ちばこうしょうぐ)/金工品
主な製品:工匠具

千葉県の鍛冶職人が伝統的な技法で製作する刃物・手道具類のことです。主な製品として、鎌、鍬、包丁、洋鋏があります。



『房州うちわ』(ぼうしゅううちわ)/その他の工芸品
主な製品:うちわ

良質の女竹を骨部分に、真竹を弓部分に使用し、京うちわの差柄、丸亀うちわの平柄に対して、丸柄であること、丈夫で半円の格子模様が美しいうちわです。


■東京都の伝統的工芸品


『村山大島紬』(むらやまおおしまつむぎ)/織物
主な製品:着物地

軽く着心地の良い紬は、祖母から母へ、そして娘へと受け継がれてきました。確かな伝統の深い味わいは、現代においても人の心が通うファッションです。



『本場黄八丈』(ほんばきはちじょう)/織物
主な製品: 着物地、帯

本場黄八丈の色は黄色・茶色・黒の3色で、その渋みのある色合いが優雅な絹織物です。



『多摩織』(たまおり)/織物
主な製品: 着物地、羽織、コート、袴

多摩織にはお召織(めしおり)、紬織、風通織(ふうつうおり)、変り綴(かわりつづれ)、綟り織(もじりおり)の品種があります。伝統的に渋い実用的な作品が多く作られてきましたが、最近では、洗練されたデザイン、新しい感覚、優れた技術をとり入れつつ、伝統的な手作業により特色のある優れた製品を産み続けています。



『東京無地染』(とうきょうむじぞめ)/染色品
主な製品: 染色品

無地染とは、一反(13メートル弱)の白い生地を顧客の好みの色に染める、最も基本的な染色法である。色見本は微妙な濃淡の違いも含めて百七十色あり、柄や厚さが異なる生地にオーダー通りの色を再現することは容易ではない。目安となる色の設計図はなく、職人は基本となる五色の染料を混ぜ合わせ、理想の色に近づけていく



『東京染小紋』(とうきょうそめこもん)/染色品
主な製品:着物地、羽織

小紋染に用いる型紙は、伊勢形紙が用いられ、熟練した技術者によって手彫りされています。東京染小紋は、長い伝統に培われた技術によって生み出され、その微妙な幾何学模様と、単色でも粋で格調高い趣を持つところに特徴があります。



『東京手描友禅』(とうきょうてがきゆうぜん)/染色品
主な製品:着物地、羽織、帯

江戸は当時から現代まで、大消費地として洗練されたファッションが求められてきました。東京手描友禅は、そうした土地柄を背景に色数をおさえた粋なデザインを特色とし、地味な感じの中にも明るい色調と新しさのあるデザインを特徴としています。



『江戸和竿』(えどわざお)/木工品・竹工品
主な製品:釣竿

江戸和竿は実用品で、釣る魚の種類や釣りをする場所によって使いやすさも違い、人によって好みもあります。これらの条件を満たしたものに、美しい漆塗りを施しています。



『江戸指物』(えどさしもの)/木工品・竹工品
主な製品:箪笥、机、台、棚、箱物、火鉢、茶道・邦楽用品

朝廷用・茶道用が発達した京指物に対し、江戸指物は、武家用、商人用および江戸歌舞伎役者用のものが発達したことが特徴です。木材の木目の美しさ最大限に生かし、あまり装飾的になることを避け、すっきりとした造形と堅牢な作りで江戸の粋を表現しています。特に、御蔵島の桑材は、「島桑」と呼ばれて最高の材料であると評価を受けています。



『東京アンチモニー工芸品』(とうきょうあんちもにー)/金工品
主な製品:インテリア小物、アクセサリー小物

アンチモニー製品はどっしりと本物の風格を秘めた比重が銀に近い合金素材で、インテリア小物や アクセサリー小物、装飾工芸品などとして様々な用途で活用されております。 また、近年では東京都立産業技術研究センターとの共同開発により、鋳造合金「エテナ」の開発に成功しました。エテナ 製品は従来の錫製品では不可能だった鏡面仕上げができ、銀製品に優とも劣らない格調高い製品です。



『東京銀器』( とうきょうぎんき)/金工品
主な製品:茶器、酒器、花器、置物、装身具

金属工芸の粋とも言うべき東京銀器は、優雅で長持ちし、その上、無害なため、器物、置物、装身具等、日常生活の色々な分野で利用されています。鎚(つち)で打ち出す「鍛金(たんきん)」や、たがねを用いて文様を彫る「彫金」の製品が作られています。



『江戸木目込人形』( えどきめこみにんぎょう)/人形・こけし
主な製品:節句人形、歌舞伎人形、風俗人形

木目込人形とは、桐の粉をしょうふ糊で固めた桐塑(とうそ)で作った型に、筋彫りをし、そこに布地をきめ込んで(挟んで着付けて)作るものです。



『江戸べっ甲』( えどべっこう)/その他の工芸品
主な製品:めがね枠、かんざし、櫛

江戸べっ甲とは、主に東京都で生産される伝統的工芸品で、南国の海に生息するタイマイというウミガメの甲羅を用いて作られます。タイマイの甲羅を加工して作られるかんざしや櫛は、淡い黄白色の輝きを持ち、その美しさと肌触りの良さが特徴です。
タイマイの甲羅は、熱を加えると自由に加工出来るため、様々な製品を作ることができます。



『江戸からかみ』( えどからかみ)/その他の工芸品
主な製品:襖(ふすま)、壁、天井、障子、屏風用の加飾された和紙

「からかみ」とは、襖や障子、屏風などに貼る加飾された和紙のことをいいます。江戸の街で発展した「江戸からかみ」は、町人文化を反映した自由闊達でのびやかな文様が好まれ、モチーフも日常生活に馴染み深いものや自然の草花など季節感溢れる文様が多いといえます。



『江戸切子』( えどきりこ)/その他の工芸品
主な製品:食器、酒器、花器、食卓用品、置物、装身具
文具、日常生活用品

切子は、ガラスの表面に、金属製の円盤や砥石などを使って、さまざまな模様を切り出す技法です。江戸切子はこの技法によって作られています。 菊や麻の葉などの植物や、篭目・格子など江戸の生活用具を図案化した模様が、伝統模様として受け継がれています。江戸切子の柄は、それらを巧みに組み合わせて作り出されます。 かつては透明なガラス地にカットを施した「透き」と呼ばれる製品が主流でしたが、近年では、透明なガラス地の表面に色ガラスの膜を被せたガラスをカットした「色被せ(いろきせ)」の製品が主流となっています。 「色被せ」の製品は、色地の部分と透明部分の対比がはっきりした、メリハリの効いたカットに特徴があります。



『江戸木版画』( えどもくはんが)/その他の工芸品
主な製品:木版画

江戸庶民の生活に密着したもの、すなわち、庶民の暮らしを写し、喜びを刻み、夢や憧れを摺り上げたものが江戸木版画の特徴です。また、一組の版木から何百枚もの木版画が大量に製造されることも特徴です。

『江戸硝子』( えどがらす)/その他の工芸品
主な製品:食器、酒器、花器、食卓用品、置物、日常生活用品

「江戸硝子」とは、江戸時代からの伝統を受け継ぎ手造りで製造されたガラス製品のことです。「江戸硝子」製品の良さは、機械による大量生産品とは異なり、製品のひとつひとつが全てオリジナルの1点ものであることにあります。その味わい深く、手作りだかこそ出せる独特のデザイン性や深みなど、職人が丹精込めて作り上げられた製品です。


■神奈川県の伝統的工芸品


『東京無地染』(とうきょうむじぞめ)/染色品
主な製品: 染色品

無地染とは、一反(13メートル弱)の白い生地を顧客の好みの色に染める、最も基本的な染色法である。色見本は微妙な濃淡の違いも含めて百七十色あり、柄や厚さが異なる生地にオーダー通りの色を再現することは容易ではない。目安となる色の設計図はなく、職人は基本となる五色の染料を混ぜ合わせ、理想の色に近づけていく。



『鎌倉彫』(かまくらぼり)/漆器
主な製品: 盆、皿、茶托(ちゃたく)、鉢、箱

独特の彫り技術によって表現される力強くて大胆な彫刻模様と、マコモ墨という墨を朱色の漆に蒔き付け、彫刻の立体感を強調する方法は、他の漆器に見られない鎌倉彫の大きな特徴となっています。



『小田原漆器』(おだわらしっき)/漆器
主な製品: 盆、皿、椀、茶托(ちゃたく)

挽物の技術が優れていることと、自然の木目の美しさを十分に生かした塗りに特徴があります。木目の美しさを損なうことなく充分に生かす摺漆塗(すりうるしぬり)や、木地呂塗(きじろぬり)があります。



『箱根寄木細工』(はこねよせぎざいく)/木工品・竹工品
主な製品:室内用品、食卓厨房用品、文庫、小箪笥、装身具

箱根山系は、木材の種類の多い所として、日本でも屈指の地域です。種類の豊富な木々を用い、自然の色合いを生かして、幾何学文様を表現したのが寄木細工です。箱、引き出し、小箪笥、茶托(ちゃたく)、装身具等、色々な種類の製品があります。


■新潟県の伝統的工芸品


『羽越しな布』(うえつしなふ)/織物
主な製品:帯、小物

羽越地域の山間部に生育するシナノキ、オオバボダイジュ又はノジリボダイジュの樹皮から取れる靭皮(じんぴ)繊維で糸を作り、布状に織り上げたもの。 日本では、縄文や弥生時代から衣装や装飾品などに利用され、今日、山形県鶴岡市関川地区や新潟県岩船郡山北町において受け継がれています。原料が樹皮の繊維であることから、その風合いは粗々しいものの、ざっくりとした手触りと落ち着きのある風合いに特徴があり、帯地ばかりでなくバッグ、帽子等多くの日用品にも加工されています。



『塩沢紬』( しおざわつむぎ)/織物
主な製品: 着物地

摺(す)り込み・括(くく)り作業による、蚊絣と呼ばれている細かい十字絣や亀甲絣によって構成された絣模様には、独特の上品さと落ち着きがあります。



『小千谷縮』( おぢやちぢみ)/織物
主な製品: 着物地、洋服、室内インテリア

小千谷縮は、苧麻(ちょま)と言われる麻の繊維から作られており、水分を吸いやすく、吸い込んだ水分を良く発散させるため、すぐ乾燥します。その上、小千谷縮独特のシボを作っているため、肌にベタつかず夏の着物として快適です。



『小千谷紬』( おぢやつむぎ)/織物
主な製品: 着物地、室内インテリア

紬に用いる糸は、繭を綿状にしてから作られるため、糸に膨らみがあり、軽く暖かな織物が出来ます。民芸調の柄が色々あり多彩なおしゃれが楽しめます。



『本塩沢』( ほんしおざわ)/織物
主な製品: 着物地

生糸を使用し、緯糸に強い撚(よ)りをかけて織り上げた後、湯の中でもんで出すシボの立った生地の風合いが特徴の絹織物です。そのサラリとした肌触りと、十字絣や亀甲絣(きっこうかすり)により構成された絣模様は上品さと優雅さで有名です。



『十日町絣』( とおかまちがすり)/織物
主な製品: 着物地、和装小物

十日町絣は、伝統的な美しさと現代の感覚を融和させて作る民芸調の絣織物です。絹独特の艶と生地の風合いの良さ等、その深い味わいを愛する人たちは多く、気軽な外出着や家庭でのおしゃれ着として、日常生活の中で広く着用されています。



『十日町明石ちぢみ』(とおかまちあかしちぢみ)/織物
主な製品: 着物地

戦前まで、独特な清涼感を持った優雅な夏の着物の代表として、一世を風靡しました。戦後、生産は次第に減少したものの、その製造技術は十日町固有の伝統として受け継がれ、今なお、根強い支持を受けています。



『村上木彫堆朱』(むらかみきぼりついしゅ)/漆器
主な製品: 重箱、盆、茶器、花器、菓子器

木製木地に細かい彫刻をすることを得意とし、その彫刻をより引き立たせる漆塗りの技術が独特です。村上木彫堆朱は、堆朱(ついしゅ)、堆黒(ついこく)、朱溜塗り(しゅだまりぬり)等6種類の技法の総称です。代表的な技法である堆朱は、朱の上塗りを艶消しで仕上げた、落ち着いた肌合いを特徴としています。



『新潟漆器』(にいがたしっき)/漆器
主な製品: 盆、箱、座卓類、花器、茶器

花塗、石目塗、磯草塗、錦塗、竹塗などの多彩な塗りが特徴で、中でも竹塗は、下地の際に錆で竹の節等を作り、その上に色漆で竹の肌や模様をつけるという他の産地では見られない塗りです。



『加茂桐簞笥』(かもきりたんす)/木工品・竹工品
主な製品:箪笥

キリの木は白く艶があり、上品で絹にたとえられる美しさです。箪笥の柾目(まさめ)は、淡い地色に濃い茶褐色の線を刷毛で掃いたようで、他の家具にない木目の美しさがあります。引き出しの隙間がない上に開け閉めが楽で、湿気や熱から収納物を守り、長期にわたり保護します。



『越後与板打刃物』(えちごよいたうちはもの)/金工品
主な製品:のみ、鉋(かんな)、まさかり、ちょうな、
彫刻刀、切り出し、やり鉋

与板の打刃物は、火作り鍛造技法によるもので、その切れ味、使いやすさに定評があります。



『越後三条打刃物』(えちごさんじょううちはもの)/金工品
主な製品:庖丁、切出小刀、鉋、鑿、鉈、鉞、鎌、木鋏、ヤットコ、和釘

使用分野ごとに特化した形状、材質を用い作られているため扱い易く、切れ味の持続性もあり、長期使用に耐える耐久性も兼ね備えています。



『燕鎚起銅器』(つばめついきどうき)/金工品
主な製品:茶器、台所用品、酒器、文房具

「鎚起」とは鎚(つち)で打ち起こすという意味です。一枚の平らな銅板を鎚で打つことを繰り返し、立体的な形に作り上げます。やかんのように注ぎ口のあるものの注ぎ口の部分まで打ち出すことのできる、高い技術があります。



『新潟・白根仏壇』(にいがた・しろねぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:仏壇・仏具

仏壇は耐久性と、全体の調和が大切です。須弥檀(しゅみだん)、宮殿(くうでん)等のバランス、彫刻や蒔絵の図柄、漆の塗り具合や金箔の仕上がり、金具取り付け等、全体の仕上がり具合から生まれる荘厳優美な品格を備えているかどうか等が大切です。



『長岡仏壇』(ながおかぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品: 金仏壇

長岡仏壇は台座と主体が分かれる組立方式のため、30年から100年経っても塗り変えて再生できます。特徴的な所は、宮殿(くうでん)の三ツ屋根作りです。「唐破風(からはふ)」と「千鳥破風(ちどりはふ)」を組み合わせた二重屋根の両側に「唐破風」の脇屋根のついた伝統的なものです。



『三条仏壇』(さんじょうぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品: 金仏壇、宗教用具

寺院宮殿の造りを手本として重んじた正統的な宮殿(くうでん)造り、格調高い本漆塗、金箔押し、優れた飾り金具には定評があります。


■山梨県の伝統的工芸品


『甲州水晶貴石細工』( こうしゅうすいしょうきせきざいく)/ 貴石細工
主な製品: 置物、装身具

天然宝石の特徴を活かした作品が多く、同一作品は他にありません。



『甲州印伝』( こうしゅういんでん)/ その他の工芸品
主な製品: 印鑑入れ、財布、袋物、ハンドバック

漆模様付けされた、柔らかく丈夫で軽い鹿の皮で出来た袋物は、使い込むほど手に馴染み、愛着が増します。



『甲州手彫印章』( こうしゅうてぼりいんしょう)/ その他の工芸品
主な製品: 印章

水晶研磨術に含まれた水晶印材の製造と、印面に文字を彫る技術の発展は、ツゲ材、水牛材等にも及び、他県に見られない産業形態を構成しています。印材メーカー、印面彫刻業者、販売業者等、山梨県内にすべての業者が集まっており、現在も同様の形態で推移しています。


■長野県の伝統的工芸品


『信州紬』( しんしゅうつむぎ)/ 織物
主な製品: 着物地、帯、羽織

主な商品は、着物用の「反物」と「帯地」の2つで、様々な色柄のものが生産されています。特に、100%山繭で作った山繭紬はここだけの特産品です。



『木曽漆器』( きそしっき)/ 漆器
主な製品:座卓、盆、膳、重箱、そば道具、花器、家具

木肌の美しさを生かす「春慶塗(しゅんけいぬり)」、幾層もの漆によりまだら模様を表わす「堆朱(ついしゅ)」、彩漆(いろうるし)で幾何学模様を作り出す「塗り分け呂色塗(ぬりわけろいろぬり)」に特色があります。



『松本家具』( まつもとかぐ)/ 木工品・竹工品
主な製品:箪笥、飾り棚、座卓

無垢材(むくざい)を使用した色々な種類の製品が、細かく巧みな細工を施され、伝統の組み接ぎ技法によって組立てられます。表からは見えない所まできちんとした仕事がなされ、極めて堅牢な家具です。仕上げの拭き漆は、木目の美しさ、木の温かみを伝えています。



『南木曽ろくろ細工』( なぎそろくろざいく)/ 木工品・竹工品
主な製品:木地鉢、茶櫃(ちゃびつ)、盆、汁椀

南木曽ろくろ細工の良さは、天然の木目を生かして素朴で温かい手作りの良さを、木製品の隅々にまで感じさせるところにあります。十分に選びぬかれた天然木の木質、木の味等細かな変化に合わせて、作る製品が決められます。



『信州打刃物』(しんしゅううちはもの)/ 金工品
主な製品:鎌、包丁、なた

1本1本の鎌・包丁は鍛造された後、打ちのばされるため強靱な刃物になります。鎌は、刃の巾が広く「芝付け」「つり」により柄を水平に持っても鎌身が斜めに立ち、刈り取られた草を手元に寄せられるのが特徴です



『飯山仏壇』(いいやまぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:金仏壇

17 世紀後半に始まる。生地は松、杉、朴などを使用。本組み生地、弓なげし、宮殿の肘木組物「艶出押し」 の金箔押しなどの伝統的技法により、主に浄土真宗系の仏壇を生産している。



『内山紙』(うちやまがみ)/和紙
主な製品:障子紙、永年保存用紙、加工書道用紙、紙加工品、一〆張り

原料はすべて和紙原料の中で最も強くしなやかなコウゾを使用し、パルプは使用していません。コウゾ100%の紙は強靱で、通気性、保湿力に優れています。日に焼けず、強靱で長持ちするため障子紙としては最適です。また、長期間にわたって保存するための紙としても優れています。


■岐阜県の伝統的工芸品


『美濃焼』(みのやき)/陶磁器
主な製品:花器、茶器、飲食器、置物

伝統的工芸品として指定されている美濃焼は15種類あります。中でも志野、黄瀬戸(きぜと)、織部、瀬戸黒(せとぐろ)等は色合いを大切にしたもので、淡い色彩のソフトな素地と釉薬の仕上がり、バランスのとれたデザインを最大の見どころとしています。



『飛騨春慶』(ひだしゅんけい)/漆器
主な製品: 盆、花器、重箱、菓子器、茶道具、文庫、卓上品、和家具

板を立体的に仕上げる曲げの技法は特に優れており、色々な製品に活かされています。飛騨春慶は、透明で木肌の持つ美しさをそのまま活かすところに特徴があります。



『一位一刀彫』(いちいいっとうぼり)/ 木工品・竹工品
主な製品:茶道具、置物、面

色を付けずに木の特性を十分に活かした彫刻は、小動物や仏像等、細かな表情を巧みなノミさばきで作り出しています。一本の木から生み出される置物には迫力があります。



『美濃和紙』(みのわし)/和紙
主な製品: 本美濃紙、美術工芸紙、箔合紙

美濃和紙は、「流し漉(す)き」の方法で漉くので、紙面に漉きムラがなく繊維が絡むため、出来上がった和紙は薄い紙でも布のように丈夫でしかも美しく出来ます。障子紙を始め、保存文書用紙等に最適です。



『岐阜提灯』(ぎふちょうちん)/その他の工芸品
主な製品:提灯、大内行灯(あんどん)

形が清楚で、細工が精巧で、火袋には優雅で秀麗な彩色絵が施されています。骨になる竹ひごは細く、紙は極めて薄く、花鳥、風景、人物等の絵が描かれています。形は球形か卵型をしています。


■静岡県の伝統的工芸品


『駿河竹千筋細工』(するがたけせんすじざいく)/木工品・竹工品
主な製品:花器、盛籠、茶托(ちゃたく)、盛器、盆、虫籠、菓子器

細く丸く削られた竹ひごをしなやかに曲げ、竹の輪に組み込んでゆく技法から、色々な形が生み出されます。出来上がりには丸ひごの持つ温かさ、柔らかさが感じられます。



『駿河雛具』(するがひなぐ)/ 人形・こけし
主な製品: ひなまつり・端午の節句飾り、ミニュチュア製品

唐草・花鳥山水等華麗な蒔絵が、ひなまつりの飾り物としての駿河雛具を際立たせています。指物、挽物等の木地も細部にわたって緻密に作られています。例えば掌に乗る針箱一つをとっても、引き出しまできっちり箱状に作られているのが特徴です。


『駿河雛人形』(するがひなにんぎょう)/ 人形・こけし
主な製品:雛人形、煉天神(ねりてんじん)、時代人形

雛人形の最初の工程である胴作りと、布地の柄や色彩等の選び方には作者の特徴が表れます。それよりもさらに作者の個性が表われる工程が、「腕折り(振付けとも言う)」です。これは雛人形作りの修行の中でも最後の工程とされ、100体並んでいても「腕折り」を見れば誰の作品かわかるほど重要なものです。


■愛知県の伝統的工芸品


『名古屋友禅』(なごやゆうぜん)/ 染色品
主な製品:着物地

名古屋地方は堅実な土地柄と地味な気風のため、模様の配色は色数を控え、一つの色の濃淡で絵柄を描くような渋いものです。留袖の黒の地色は、名古屋独特の「トロ引黒染(くろそめ)」の技法が考案されたもので、黒の色艶が優れています。



『名古屋黒紋付染』(なごやくろもんつきぞめ)/染色品
主な製品:着物地、羽織

家紋を描き入れた時の紋の染際をきれいに染め上げるため、浸染(しんせん)では初めから家紋の形の紋型紙を使用します。名古屋独特の紋当網付(もんあてあみつけ)技法で染めるので、染色時間も長く、黒色がしっかり染まっています。引染(ひきぞめ)では紋の形に防染糊(のり)を伏せて、黒の色艶の優れた「トロ引黒染(くろそめ)」で染め上げます。



『有松・鳴海絞』(ありまつ・なるみしぼり)/染色品
主な製品:着物地、羽織、浴衣(ゆかた)

木綿絞の代表産地で、絞の技法は100種にも及び、多彩な文様が表現されています。最も代表的な絞技法には縫絞(ぬいしぼり)、くも絞、三浦絞、鹿の子絞、雪花絞(せっかしぼり)等があります。藍染めの絞には、絞りのときに出来る濃淡に、独自の風合いがあります。



『三州鬼瓦工芸品』(さんしゅうおにがわらこうげいひん)/
主な製品: 陶磁器

製品に釉薬をかけず、焼成後の高温状態の時に酸素を遮断して強制還元(燻化)を行うことで、「いぶし銀」と呼ばれる独特の発色が現れます。瓦屋根の中で、魔除け、厄除け、繁栄や富の象徴として飾られてきた鬼瓦が、庶民の暮らしの中に取り入れられ、床の間飾りや玄関飾りへと用途を広げてきました。また、近年では国宝・重要文化財などの復元も手掛けています。



『常滑焼』(とこなめやき)/ 陶磁器
主な製品:茶器、花器、置物、植木鉢、壷、かめ

原料に含まれている鉄分を赤く発色させるのが特徴となっています。土肌を生かした製品、釉薬(ゆうやく)を施した製品等々、色々な製品が揃っています。



『赤津焼』(あかづやき)/ 陶磁器
主な製品:茶器、花器、飲食器

7種の釉薬と、素地(きじ)にへらで彫って模様を付ける「へら彫り」、型で押して模様を付ける「印花」、素地の表面が軟らかいうちに、竹櫛や金櫛を使って平行線、波形、渦巻、点線等の模様を描く「櫛目」、朝鮮から伝えられた技法で、濃いネズミ色の地に白い土で菊の花の模様等を表した「三島手」等の12種類の技法があります。これらの技法を駆使して、桃山時代から伝わる鉄絵を描いています。主に作られているのは茶道具や生け花の道具、割烹食器で、手作りの高級品として専門家に高く評価されています。



『瀬戸染付焼』(せとそめつけやき)/ 陶磁器
主な製品:食卓用品、茶道具、華道具、室内装飾用品

瀬戸染付焼の大きな特徴は、素焼した生地の表面に直接筆で細かい模様を描く下絵付けにあります。呉須絵の具の藍色から生まれる色彩で、鳥や花、昆虫や風景を磁器の表面に細かく描く技術や、潤いを持った絵にするための焼成の技術は、この産地独特のものです。



『名古屋桐簞笥』(なごやきりたんす)/木工品・竹工品
主な製品:昇箪笥、中開箪笥、衣装箪笥、小袖箪笥、帯箪笥、総桐チェスト

他の産地のものと比べて20cm程度幅が広く、昇箪笥の右下に小引出しが付いています。金具は金や銀の着色が施され、「袋戸(ふくろと)」には金箔画や漆塗蒔絵が描かれる等、豪華なものが多くみられます。



『尾張仏具』(おわりぶつぐ)/仏壇・仏具
主な製品:仏壇・仏具

木製漆塗製品が中心で、各工程において宗旨宗派、寺院用具・在家用具の違いなど製品の細かなところまで専門化され、良質な製品を大量に供給できます。
木魚・丸金台は現在では日本全国で尾張地区でしか生産されていません。



『名古屋仏壇』(なごやぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:仏壇

名古屋仏壇には各宗派にあったそれぞれの様式があります。優美な浄土を具現したものや禅風を感じさせる落ちついた作品等、その技術の確かさを誇っています。また、高台という台の部分の中等に、用具一式が収納できる合理性は名古屋仏壇の特徴です。



『三河仏壇』(みかわぶつだん)/ 仏壇・仏具
主な製品:仏壇、宗教用具

毎日のおつとめが便利なように、台が低く作られていることが特徴です。また、「うねり長押(なげし)」という仕様のため、華麗な宮殿(くうでん)が良く見えます。伝統的な技術・技法によって作られ、漆、彫刻、金具、蒔絵、金箔押し等豪華な仕上げが施されています。



『豊橋筆』(とよはしふで)/ 文具
主な製品:書道用筆、面相筆、日本画筆

豊橋筆は一般書道用筆が主体です。近年、値段の安い中国筆が進出しており、大きな打撃を受けています。しかし、日本人に向く高級品作りに全力を注いで、中国筆に負けないものを作っています。



『岡崎石工品』(おかざきせっこうひん)/ 石工品
主な製品: 灯籠、多重塔、鉢物

主な製品である石灯籠は、単純な美しさを持つ直線や曲線が、交差することによってさらに色々な線と面を構成しています。高度な手法を使った飾り付けの彫刻は、石工品に繊細さと優美さを与えています。



『尾張七宝』(おわりしっぽう)/その他の工芸品
主な製品:花瓶、香炉、額、飾皿、宝石箱等

焼き物といえば、一般に陶器のようなものと思われがちですが、尾張七宝は素地に金属を用い、その表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)を施し、花鳥風月、風景等の図柄をあしらったところに特徴があります。


■三重県の伝統的工芸品


『伊賀くみひも』(いがくみひも)/その他繊維製品
主な製品:帯締め、羽織紐、ネクタイ

美しく染め上げられた絹糸、その一筋一筋が交わり合い、くみひも独特の風合いと味わいを作り出します。その技法は古来より伝えられてきたものです。



『四日市萬古焼』(よっかいちばんこやき)/陶磁器
主な製品:急須、茶器、花器、酒器、室内置物

お茶を愛する人々に古くから親しまれている萬古焼の急須は、お茶の味わいを高めるだけでなく、使い込むほどに落ちついた独特の艶が現れます。



『伊賀焼』(いがやき)/陶磁器
主な製品:茶器、花器、土器、行平(ゆきひら)、食器

すぐ隣の信楽焼と比べて硬く、また、やや重みがあります。焼く時の窯中の状態によって、焼き物の色や形に色々な変化が表れることを「窯変(ようへん)」と言いますが、この窯変によるビードロというガラス質や焦げの付き具合、そして器そのものの力強い形や色が、伊賀焼の特徴となっています。



『鈴鹿墨』(すずかすみ)/ 文具
主な製品:和墨

鈴鹿墨は、地理的、及び気候風土の諸条件に恵まれているため、作品創作時の墨の発色が良く、上品で深みがあり、基線とにじみが見事に調和します。



『伊勢形紙』(いせかたがみ)/工芸材料・工芸用具
主な製品:染色用具、美術工芸品、インテリア

伊勢形紙は友禅、浴衣、小紋等の柄や文様を、着物の生地に染めるために用いる伝統的工芸用具です。


■富山県の伝統的工芸品


『高岡漆器』(たかおかしっき)/漆器
主な製品:盆、箱物、室内調度品

長い伝統に培われ、伝えられた技の代表的なものとして、うるみ色の地に玉石を貼り、錆絵(さびえ)を描く「勇助塗(ゆうすけぬり)」、多彩な色漆を使って立体感を出していく「彫刻塗」、あわびや夜光貝等、虹のような輝きをもった貝殻を使って、山水や花鳥等を表現する「青貝塗」があります。



『井波彫刻』(いなみちょうこく)/木工品・竹工品
主な製品:欄間、天神様・獅子頭等の置物、衝立、パネル

クスノキ・ケヤキ・キリの木を材料として、風景、花鳥、人物等を題材に、両面から「透かし深彫り」を施します。200本以上のノミや彫刻刀を駆使する高度な技術を持つ伝統的な木彫刻です。



『高岡銅器』(たかおかどうき)/金工品
主な製品:花器、香炉、ブックエンド、文鎮、パネル、
置時計、壁面レリーフ、照明器具

商品の種類や表現意図により13種類の工法があります。色々な工法を駆使して鋳造、加工された製品は、卓上置物から花器、香炉、パネル、ブロンズ像、大仏にまで及んでいます。



『越中和紙』(えっちゅうわし)/和紙
主な製品:染紙、書画・版画用紙

越中和紙は古典的な障子紙、半紙、提灯紙、近代的な書画、版画用紙や100種以上にも及ぶ染紙等多品種が生産されています。また、強靱なコウゾ紙は、型染絵加工品として全国で売られています。



『越中福岡の菅笠』(えっちゅうふくおかのすげがさ)/その他の工芸品
主な製品:菅笠

菅はカヤツリグサ科のカサスゲで、雪解けに新芽が出て、七月には背丈以上に伸びます。七月末に刈り取り、三週間天日干しをし、保管しておきます。
ここ福岡は、もともと湿地帯で昔から良質な菅が収穫できました。
富山の厳しい冬を越す福岡の菅は、全国でもトップクラスの品質をほこり、全国各地に納品されていきます。
歴代天皇即位・大嘗祭の御菅蓋や、伊勢神宮式年遷宮の御料笠御笠・御翳も福岡の菅が使用されています。



『庄川挽物木地』(しょうがわひきものきじ)/工芸材料・工芸用具
主な製品:茶盆、茶托(ちゃたく)、菓子器、椀、茶櫃(ちゃびつ)
茶筒、銘々皿、盛鉢

天然の木の魅力はそれぞれ持ち味が違うことにあります。年輪が様々な形で現われ、その表情は変化に富み、独特の深い色調は木目を引き立てます。木の温かみを大切にした製品作りを目指し技術を磨いています。


■石川県の伝統的工芸品


『牛首紬』(うしくびつむぎ)/織物
主な製品:和装用品、着物地、帯、小物類

2匹の蚕が共同で作る玉繭(たままゆ)から作られる、太くて節のある玉糸を使って織り上げるのが特徴です。玉糸特有の節と独特の光沢は、白生地のままよりも、染め上げることで、野趣に富んだ優雅さと、素朴な民芸調の味わいが表れます。



『加賀友禅』(かがゆうぜん)/染色品
主な製品:着物地、帯、小物

加賀友禅の特徴は、落ち着きのある写実的な草花模様を中心とした絵画調の柄です。加賀百万石と言われた豊かな前田家の文化的な趣味を強く反映して、渋さの中にも武家風の気品を漂わせています。



『加賀繍』(かがぬい)/その他繊維製品
主な製品:着物地、帯、袱紗(ふくさ)、衝立、掛軸、装飾用額

加賀繍の特色は、金糸や銀糸をはじめ多種多様の絹の色糸を、一針一針手で繍い上げて描く模様や絵の美しさにあります。華やかで温かみのある美しさには、加賀百万石の奥ゆかしさと、厳しい風雪に育まれた加賀人の「誇り」と「真心」が繍い込められています。



『九谷焼』(くたにやき)/陶磁器
主な製品:花器、食器、茶器、置物、酒器

九谷焼は多色の絵が描かれる上絵付けに本来の持ち味があります。豪快で濶達な線書きの上に、緑、黄、赤、紫、紺青の五彩で施される和絵具の、重厚な輝きが、九谷焼の特徴です。九谷独特の、やや青みを帯びた素地がその落ち着いた色調で、上絵付けを一層引き立てます。



『輪島塗』(わじまぬり)/漆器
主な製品:什器、装飾品、家具

完成品からはわかりませんが、壊れやすいところに布を貼り、何回も漆を塗り重ねてあります。そこに沈金や蒔絵の豪華な模様がつけられます。また、傷んだ漆器を修理して、再び新品のように使うことができます。



『山中漆器』(やまなかしっき)/漆器
主な製品:盆、茶托(ちゃたく)、重箱、茶道具

非常に細かい縞模様を作り出す「千筋」や「象嵌(ぞうがん)」等の「加飾挽き」の技術・技法を使った作品は、高く評価されています。椀等に見られる、蒔絵の部分が盛り上がっている高蒔絵も山中漆器の特徴です。古典的な味わいに新しい感覚が調和した生活用品として親しまれています。



『金沢漆器』(かなざわしっき)/漆器
主な製品:室内調度品、茶道具、花道具

金沢漆器は江戸蒔絵、京蒔絵とともに並び称される加賀蒔絵だけではなく、木地部門・塗り部門のそれぞれが高い技術を駆使して製作され、今なお、加賀百万石の遺風を感じさせます。



『金沢仏壇』(かなざわぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:仏壇

加賀は真宗王国とも呼ばれるほど浄土真宗の盛んな土地柄のため、他の地域に比べて仏壇の需要がありました。加賀藩細工所の蒔絵技術や、彫刻の技術が仏壇にも活かされたという伝統をもとに、金箔をふんだんに使った製品が特徴となっています。



『七尾仏壇』(ななおぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:仏壇、みこし、宗教用具

七尾仏壇は、長い歴史をもつ七尾の文化を表している芸術品です。現代では数少ない完全な職人による温かみのある手作り仏壇で、堅牢で荘厳華麗な作りです。



『金沢箔』(かなざわはく)/工芸材料・工芸用具
主な製品:神社仏閣、仏壇仏具、織物の金糸・銀糸、漆器の蒔絵・沈金、
陶磁器の絵付け、屏風(びょうぶ)・襖(ふすま)紙・壁紙、
看板・金文字・水引き・表具用

箔は極めて薄く、金箔では厚さ1万分の1~2mmです。このためどんな複雑な模様の材料にも箔押しができ、そのうえ原料である金の輝きは少しも失わず、その美しさと華やかさは人々の心を惹きつけて止みません。


■滋賀県の伝統的工芸品


『近江上布』(おうみじょうふ)/織物
主な製品:着物地、帯、婦人服地

近江上布は、「緯糸絣」と「経緯併用絣」があります。緯糸絣は主に緯糸を羽根巻にして「型紙捺染(かたがみなっせん)」を行います。また、経緯併用絣は両糸に「櫛押捺染(くしおしなっせん)」をし、経糸と緯糸の絣を合わせながら織るので最高級品となります。麻は、水気を良く吸うので、身に付けると涼しく爽やかな着心地です。


『信楽焼』(しがらきやき)/陶磁器
主な製品:花器、食器、傘立、置物、植木鉢、庭園用品

陶土の特性を生かした大物陶器が多く作られています。登り窯や穴窯を使って焼くため、窯の中で素地の表面に、燃やしている薪の灰が付いて溶け釉薬(ゆうやく)の役割りを果たす自然釉(しぜんゆう)や、陶器の表面に現れる「火色」と呼ばれる赤いまだら模様、焼けた薪から出る灰が落ちて表面に溶け付く「灰かぶり」等の特徴があります。素朴な土の味わいがポイントです。



『彦根仏壇』(ひこねぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:仏壇

彦根仏壇は豪華で荘厳な雰囲気を持つ大型仏壇ですが、小型の仏壇であっても決して窮屈な感じを与えないのが特徴です。また、日常の使用に便利なように細かく工夫が施され、必要な道具、付属品の収納を考え、文書箱や台が一体となっています。


■京都府の伝統的工芸品


『西陣織』(にしじんおり)/織物
主な製品:着物地、金襴(きんらん)、裂地、緞帳(どんちょう)

西陣織の特徴は、「多くの品種を少量ずつ作る方式をもととした、先染めの紋織物」にあります。綴(つづれ)、錦、緞子(どんす)、朱珍(しゅちん)、絣、紬等、多くの種類の絹織物が作られています。特に多色の糸を使う紋織物は絢爛豪華な糸使い紋様の精緻さを誇ります。



『京鹿の子絞』(きょうかのこしぼり)/染色品
主な製品:着物地、羽織、兵児帯、帯揚、洋装用品、室内装飾品

絞り染めの中でも鹿の子と言われる疋田絞(ひったしぼり)、一目絞(ひとめしぼり)の、その括り粒の精緻さや、括りによる独特の立体感の表現は、他に類のないものです。この他、それぞれの括り技法の持つ表現力を組み合わせて、模様が表現されています。



『京友禅』(きょうゆうぜん)/ 染色品
主な製品:着物地、コート、羽織

花鳥山水等を写した京友禅は、日本の着物の代名詞になっているといっても言い過ぎではないでしょう。多くの色を使いながらも、気高く奥ゆかしい京友禅の色柄には、京都千年の歴史が育んだ、美しい感覚が息づいています。



『京小紋』(きょうこもん)/染色品
主な製品:着物地、コート、羽織

小紋は、武士の裃(かみしも)にあるような小さな文様を、一色で型染したものです。現代では、昔ながらの文字通り小さな文様で型染された小紋はもちろん、洋花等を思いきり大胆に図案化したものまで色々なものがあります。



『京黒紋付染』(きょうくろもんつきぞめ)/染色品
主な製品:着物地、羽織、ネクタイ、腕章

生地は絹織物です。化学染料を用いても、深みや微妙な味のある黒色を出すために、紅または藍等の下染も行っています。紋章上絵付けは、手描きの場合と型紙による型刷りの場合とがあります。



『京繍』(きょうぬい)/その他繊維製品
主な製品:着物地、羽織、旗幕、緞帳(どんちょう)

絹織物、麻織物に絹糸、金銀糸等を用い、伝統の高度な技法を用いて刺繍し、華麗で雅やかな平安の香りを伝えています。



『京くみひも』(きょうくみひも)/その他繊維製品
主な製品:和装飾用、帯締め、羽織紐(ひも)、和洋服飾品

くみひもは千年以上も前から利用されており、神社や寺、衣服、鎧兜、刀の下緒等あらゆるものに使われています。用途に応じた組み方があり、その数は3,500種類にも及んでいます。明治時代以後は和装小物の帯締めとして使われてきました。



『京焼・清水焼』(きょうやき・きよみずやき)/陶磁器
主な製品:飲食器、花器、茶器、香道(こうどう)用品

伝統を重視した繊細、優麗、巧緻な器と、現代の暮らしに潤いを与えるにふさわしい斬新な器とが共存し、それぞれが独特の雰囲気を保っています。



『京漆器』(きょうしっき)/漆器
主な製品:茶道具、食器、家具

京漆器は長い歴史に育まれ、他の産地に見られない「わび」「さび」といった内面的な深い味わいを備えています。優雅で洗練されたデザインと、堅牢さに加えて、平面や立体の作りの美しさや、繊細な仕上がりが特徴です。



『京指物』(きょうさしもの)/ 木工品・竹工品
主な製品:箪笥、飾棚、茶道具

京指物は、桐製品に代表されると言えます。桐材は水気を防ぎ、熱にも強いことから、桐製品は収納調度の高級品の代名詞となっています。京指物で使う桐材は、長い自然乾燥、アク抜きといった素地作りに心を配っています。



『京仏壇』(きょうぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:仏壇

京都には各宗派のもととなる総本山が100以上あり、それに加えて3,000余りの寺々や数多くの国宝・文化財があります。京仏壇は、各宗派の総本山の本堂の様子を忠実に再現小型化した精緻な工芸品として「京もの」と呼ばれ、格調の高さと精神性を誇っています。



『京仏具』(きょうぶつぐ)/仏壇・仏具
主な製品:木製仏具、金属製仏具、木彫仏、仏画軸

各宗派のもととなる総本山が100以上、3,000余りの寺々や数多くの国宝・文化財に囲まれた環境の中で発展して来た京都の仏具作りは、その多彩で高度な分業の技術を集めた技と心の結晶とも言えるものです。各宗派にはそれぞれのデザインや特別な仕様があります。



『京石工芸品』(きょういしこうげいひん)/ 石工品
主な製品:石灯籠、鉢物、挽臼(ひきうす)、層塔(そとう)、彫刻物

京石工芸品は、ほとんどが庭園装飾用で1人の石工(いしく)がすべての工程を手がけています。用途や形により様々な製品が作られています。特に石灯籠は桃山時代以後、茶道の流行に伴い日本庭園の欠かせない主役となっています。



『京人形』(きょうにんぎょう)/人形・こけし
主な製品:市松人形、雛人形、五月人形、風俗人形、御所人形

京都は場所柄、周囲に仏具関係、繊維関係、漆芸関係等の工芸が発達しており、人形作りに良い環境にあります。また、頭、髪付、手足、着付け等、作業ごとに職人が分けられているため、その部門ごとに最高の部品が作られ、結果として高度な人形が出来上がります。



『京扇子』(きょうせんす)/その他の工芸品
主な製品:招涼持ち扇(しょうりょうもちおうぎ)、儀式扇、芸事扇、飾り扇

良く吟味された材料の竹や紙を用いた、確かな手仕事から生まれる小さな工芸品には、表面的な美しさだけではなく、その風合い、持ち味等、実用品こそが持つ様々な「美」があります。



『京うちわ』(きょううちわ)/その他の工芸品
主な製品:うちわ

京うちわは、豊かな風土と文化・歴史に育まれながら、今日もなお作り手たちの技と心で常に新しいデザイン感覚を付け加えています。単に涼むための用具としてだけでなく、優れた美術工芸品として私たちの目を楽しませ、生活に華やかさと潤いを与えてくれます。



『京表具』(きょうひょうぐ)/その他の工芸品
主な製品:掛軸、巻物、額装、襖(ふすま)、屏風(びょうぶ)、衝立(ついたて)

京都の美しい環境と京都人の洗練された美意識に支えられ、湿度の高い盆地の風土が表具作りに適していたこともあって発展しました。また、床の間の発生や室町時代末期から江戸時代にかけて茶道が盛んになったことから、茶人たちの美意識を反映した表具が完成しました。


■大阪府の伝統的工芸品


『大阪欄間』(おおさからんま)/木工品・竹工品
主な製品:欄間、衝立(ついたて)、彫刻額

大阪欄間には屋久杉の木目を生かした絵画調の「彫刻欄間」、キリの肌と透かし模様が調和した「透彫(すかしぼり)欄間」、模様を表した「筬(おさ)」、「組子(くみこ)欄間」、特異な「抜(ぬき)欄間」があり、日本家屋にふさわしい、装飾と空気交換の機能性を備えています。



『大阪唐木指物』(おおさかからきさしもの)/木工品・竹工品
主な製品:棚、机、台、箱物

シタン、コクタン等の唐木を素材とし、飾棚、茶棚等を始め、座敷机、花台等の机類が主に作られ、堅牢さと落ち着いた雰囲気には定評があります。



『大阪泉州桐簞笥』(おおさかせんしゅうきりたんす)/木工品・竹工品
主な製品: 収納家具、各種桐箪笥

使用する桐材は1~2年かけて十分自然乾燥させてから使うので、アクが出ることはありません。桐材は20mm以上の厚い無垢板(むくいた)です。前面には、年輪の細かい木目が真っ直ぐ通った桐の柾目板を揃えて、高度な技法である「矧(は)ぎ加工」を施してあるので見栄えがします。



『大阪金剛簾』(おおさかこんごうすだれ)/木工品・竹工品
主な製品: 簾

天然の竹の素材を活かした、優雅で格調高い簾は、室内の仕切りや日よけとして使われ、日本的な雰囲気のある優しい美しさを備えています。



『堺打刃物』(さかいうちはもの)/金工品
主な製品:包丁

安土桃山時代、煙草庖丁の製造が堺で始まり、江戸時代初期には、出刃庖丁、料理庖丁が製造され、全国的にその地位を確立した。さらに江戸時代後期には、植木鋏等の製造が行われ、それぞれ専業者が株仲間を組織し産地を形成した。
伝統的な火造り、刃付け、研ぎの方法によって作られた刃物は、その切れ味、使い易さに定評がある。



『大阪浪華錫器』(おおさかなにわすずき)/金工品
主な製品:神仏具、酒器、茶器、菓子器、花器

錫は安定の良い金属です。イオン効果が大きく水の浄化作用があり、微妙なうまみを損なわないため、酒器に適しています。花瓶にも適し、気密性があるため高温多湿のところでも保存性が高いので茶筒に向いています。



『大阪仏壇』(おおさかぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:仏壇

大阪仏壇は各宗派用にそれぞれ違った型の仏壇を製作しています。また、内部上段の前面には、高蒔絵(たかまきえ)の技法により段金具を打ち付けたように見せ、金具による木地の損傷を防ぐ工夫を凝らしています。 金箔を押した柱や彫刻の表面には優美な彩色を施しています。この他、扉前面の飾り金具八双(はっそう)に各宗派の違いを出しているのが特徴です。


■兵庫県の伝統的工芸品


『丹波立杭焼』(たんばたちくいやき)/陶磁器
主な製品:食器、酒器、茶器、花器、置物、植木鉢

灰釉(かいゆう)や鉄釉(てつゆう)等による、飾り気のない野趣味たっぷりな暮らしの器を作り続けています。登り窯で焼く作品では、焼いている時に燃料の松薪の燃えた灰がふりかかり、釉薬(ゆうやく)と溶け合って窯変(ようへん)し、「灰被り(はいかぶり)」と呼ばれる独特の色や模様が現われます。この現われ方は一つ一つ違います。



『出石焼』(いずしやき)/陶磁器
主な製品:花器、茶器

磁器産地の中で、唯一「純白」を誇る白磁の産地です。また、その美しさを引き立てる彫刻の技術は、とても高度なものです。絹の肌を思わせる出石焼は清楚な風情を持ち、優雅で気品にあふれています。



『豊岡杞柳細工』(とよおかきりゅうざいく)/木工品・竹工品
主な製品:柳行李(やなぎこうり)、バスケット類

自然木の味わい、強くしなやかな風合い、柔らかさと粘りを生かしながら、職人の手によって一つ一つ編み上げていくカゴの技法には、縄編み6種類、側編み(そくあみ)33種類、縁組(ふちぐみ)18種類があり、製作する人の意図によって様々な作品が出来上がります。



『播州三木打刃物』(ばんしゅうみきうちはもの)/ 金工品
主な製品:鋸、のみ、鉋(かんな)、小刀

江戸時代から和鉄の鍛練が継承され、明治時代に、新しい技術により、多くの品種の打刃物が開発されました。現在でも伝統的工芸品に直接携わっている職人は全体の20%を占めており、伝統を守っています。



『播州そろばん』(ばんしゅうそろばん)/ 文具
主な製品: そろばん

そろばんの玉はカバ・ツゲの木から、枠にはコクタン等、堅くて重い天然の木を用いています。「うろこ細」等繊細な伝統技術によって組み立てられたそろばんは、使いやすさ、珠(たま)はじきの良さに加え磨き上げられた美しさを備え、まさに木の美術品としての価値も備えています。



『播州毛鉤』(ばんしゅうけばり)/ その他の工芸品
主な製品:毛鉤

毛鉤作りは、魚の種類と季節、天候、水深、水質等の自然環境により合ったものを作ることが大切です。これを追求して1,000以上の種類の毛鉤を作り上げられました。全神経を手先に集中して、水生昆虫そのままを真似て作り上げた、美しい色をあしらった幻想的な工芸品です。


■奈良県の伝統的工芸品


『高山茶筌』(たかやまちゃせん)/木工品・竹工品
主な製品: 茶筌、美術品、コーヒーの泡立て用

高山茶筌は120種類もあり、茶道の流派と、薄茶用、濃茶用、献茶用、野点(のだて)用、茶箱用等の用途によって、素材や形、穂の数等が異なります。また、茶筌の味削りという工程のでき具合により、お茶の味が微妙に異なります。



『奈良墨』(ならすみ)/文具
主な製品:墨

奈良墨は、奈良県奈良市において生産されている墨です。明日香の地で始まったとされ、都が京都へ移ってからも奈良には多くの社寺があることから、写経や学問に必要な墨の工房は奈良に留まりました。奈良県奈良市にある興福寺二諦坊の燈明の煤を集めて作ったとされている油煙墨が、良質な「奈良墨」として名声を得て以降、現在まで長い伝統を保持しています。



『奈良筆』(ならふで)/ 文具
主な製品: 書道用筆

ヒツジ、ウマ、シカ、タヌキ、イタチ、テン、ウサギ、リス等、十数種類の動物の毛が筆の原材料として使用されます。弾力、強弱、長短等千差万別な毛質を巧みに組み合わせて作ります。


■和歌山県の伝統的工芸品


『紀州漆器』(きしゅうしっき)/ 漆器
主な製品:盆類、菓子鉢器類、食器類

日常生活で気軽に使える漆器が主体で、全体的にシンプルでがっちりとした印象があります。黒江塗、根来(ねごろ)塗は代表的な塗りの一つです。



『紀州簞笥』(きしゅうたんす)/木工品・竹工品
主な製品:桐箪笥

キリ材は、淡い黄色の木肌が上品で美しく、軟らかく、軽いといった収納家具の素材として適した特徴を備えています。和歌山は組手等の工作が細かく正確なことでも知られています。



『紀州へら竿』(きしゅうへらざお)/木工品・竹工品
主な製品: 主にへら鮒釣りを目的とした釣り竿

三尺(約90㎝)程の3~5本の竹を「並継ぎ」し、竿先は円錐状に削って穂先 とし、持ち手はグリップのように太く、バランスの取れた調子と丁寧な装飾の調和が持ち味です。


■鳥取県の伝統的工芸品


『弓浜絣』(ゆみはまがすり)/ 織物
主な製品:着物地、座布団、のれん、袋物

農民の自分たち用の衣料として始まったものだけあって、素朴でざっくりした風合いを持っています。絵絣の技法を生かし「縁起物」また「厄除け」「吉祥」と、生活に関連を持つ柄が、繊細かつ大胆に表現されています。



『因州和紙』(いんしゅうわし)/和紙
主な製品:画仙紙、書道半紙、襖紙

品質の高さには定評があり、書道、墨絵に適した紙である画仙紙、半紙が有名です。



『出雲石燈ろう』(いずもいしどうろう)/石工品
主な製品:庭園用石燈籠、神社仏閣奉納用石燈籠

細かい粒子がしっかり詰まっている石質の原石のため、気品高く柔らかで優美な作品が出来ます。色合いが良い上に、早く苔が付いて古色を帯び、自然と良く調和します。さらに寒さや、熱さに強く、徳川時代初期の作品が現代まで残っているように、長年の風化に良く耐えます。


■島根県の伝統的工芸品


『石見焼』(いわみやき)/陶磁器
主な製品:水かめ、すり鉢、炊事用品

磁器に近い粘土を使い、鉄を含む地元の石を使った茶褐色の釉薬(ゆうやく)や、アルカリを含む石を使った透明な釉薬を用いた製品が主力です。この透明釉は、完全燃焼した炎で焼くと黄土色を、不完全燃焼した炎で焼くと青色になります。



『石州和紙』(せきしゅうわし)/ 和紙
主な製品:障子紙、石州半紙、封筒、便箋(びんせん)、はがき、名刺

コウゾ紙は繊維が長く最も強靱です。ミツマタ紙は繊細で弾力があり、柔らかな艶があります。ガンピ紙は最も繊細で光沢があり虫の害に強い紙です。生産の多いコウゾ紙はかつて商人が帳簿に用い、火災のとき井戸に投げ込んで保存を図ることができたほどしっかりしています。



『雲州そろばん』(うんしゅうそろばん)/ 文具
主な製品:そろばん

そろばんで最も重要なものは珠です。珠の動きが良く、冴(さ)えた高い音のするものが良いものと言えます。特に珠の穴の仕上げや芯竹の仕上げは、入念に仕上げられているので、長く使用するほど使いよくなります。



『出雲石燈ろう』(いずもいしどうろう)/石工品
主な製品:庭園用石燈籠、神社仏閣奉納用石燈籠

細かい粒子がしっかり詰まっている石質の原石のため、気品高く柔らかで優美な作品が出来ます。色合いが良い上に、早く苔が付いて古色を帯び、自然と良く調和します。さらに寒さや、熱さに強く、徳川時代初期の作品が現代まで残っているように、長年の風化に良く耐えます。


■岡山県の伝統的工芸品


『備前焼』(びぜんやき)/陶磁器
主な製品:食器、酒器、茶器、花器、置物

素朴で重厚な作風、土味の持つあたたかさ、使い勝手のよさに特徴がありますが、最大の特徴は窯変(ようへん)にあると言えます。焼く時の窯の中の状態によって、焼き物の色や表面が変化する自然の産物である窯変のために、備前焼は全く同じ作品がニつと作れない自然の芸術となっているのです。



『勝山竹細工』(かつやまたけざいく)/ 木工品・竹工品
主な製品:そうけ、めしぞうけ、米あげぞうけ、パン籠
盛籠、花器、壁掛け

一貫して実用工芸品本位に製作を続けています。製品は素朴な中にも存在感があり、使いやすさと丈夫さには定評があります。竹という素材の持つ味から、和洋の食卓に利用できる活用性の広さがあります。


■広島県の伝統的工芸品


『宮島細工』(みやじまざいく)/木工品・竹工品
主な製品:しゃもじ、ろくろ細工、刳物細工(くりものざいく)、彫刻

宮島細工は、しゃもじ製作を始めとして、ろくろ細工、刳物細工、彫刻と、幅広く日常生活に使用される物が多く作られています。製品は木地仕上げが多く、木本来の持ち味を生かしており、自然に育まれた木目の色調や手触りを十分に生かした製品です。



『広島仏壇』(ひろしまぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:金仏壇

広島仏壇は下地材料として、広島名産である牡蠣(かき)の殻を細かく砕いたものを使用した胡粉下地(ごふんしたじ)を使います。上塗りの「立て塗」の技術には定評があり、金箔押しの技術にも優れています。形式は大阪型と似ています。



『熊野筆』( くまのふで)/ 文具
主な製品:毛筆、画筆、化粧筆

学童用、一般用、書道専門家用等、書道に励む人々が望む筆を幅広く生産し、特殊筆もそれぞれ注文に応じて作っています。



『川尻筆』(かわじりふで)/ 文具
主な製品:書道用筆

「練り混ぜ(ねりまぜ)」という毛混ぜの技法が一般的です。この技法は大量生産には向きませんが、反面、高度な技術を必要としていることから、出来上がった製品は高い品質の筆となります。



『福山琴』(ふくやまこと)/ その他の工芸品
主な製品: 琴

最高級の桐乾燥材を使用し、精巧な細工が施される等、手作りの良さが随所にあふれています。優れた音色、甲の木目の美しさ、装飾の華麗さは、経験豊かな琴職人の手作り技術によって生まれています。


■山口県の伝統的工芸品


『萩焼』(はぎやき)/陶磁器
主な製品: 茶器、花器、食器、装飾用品

萩焼の大きな特徴は、焼き締まりの少ない柔らかな土味と、高い吸水性にあります。吸水性が高いため、長年使っているうちに茶や酒が浸透し、茶碗の色彩が変化します。この変化は、茶の湯を嗜む人たちの間では「茶馴れ」と呼ばれて愛でられています。 その他の特徴としては、形や装飾の簡素さがあります。ほとんどの場合、絵付けは行われません。胎土となる土の配合、釉薬のかけ具合、へら目などが、登窯の作用によって様々な表情を生みだすことを想定した上で、その魅力を活かすように作られています。



『大内塗』(おおうちぬり)/漆器
主な製品:丸盆、銘々皿、茶托(ちゃたく)、人形

西の京都とうたわれた山口の昔を今に伝える大内塗は、渋い大内朱の地塗りの上に、黄緑色の彩漆(いろうるし)で秋の草を描き、雲の形を描き入れ、家紋(の大内菱)を金箔で貼り付けた独特の文様が特徴です。



『赤間硯』(あかますずり)/ 文具
主な製品:硯

赤間石は材質が硬く、緻密で、石眼や美しい文様があり、しかも粘りがあるため細工がしやすく、硯石として優れた条件を持っています。また、墨を削る歯の役割を果たす「鋒鋩(ほうぼう)」がみっしりと立っているので、よく墨を磨き、墨の発色が良く、早く墨がすれ、さらっとのびの良い墨汁が得られます。


■徳島県の伝統的工芸品


『阿波正藍しじら織』(あわしょうあいしじらおり)/織物
主な製品:着物地、のれん、ランチョンマット、ネクタイ
ハンカチ、タピストリー

シボという独特の凹凸で、縦糸と横糸の本数と組み合わせによる張力差により生み出されています。
張力差を計算して柄や模様を整えることから、卓越した技術と経験を要しますが、シボがあることで、肌触りがよく、軽くて着やすくなり、汗をかいても肌に張りつかないため、特に夏のクールビズ衣料として重宝されています。



『大谷焼』(おおたにやき)/ 陶磁器
主な製品:酒器、かめ、鉢

大谷焼は、徳島県鳴門市大麻町において、約200年前から焼き続けられている四国を代表する陶器の一つです。 身の丈ほどもある甕や睡蓮鉢の大物陶器の製作には、「寝ろくろ」(二人一組となり一人が成形を担当し、一人が寝ころび足で蹴ってろくろを回す)を使用して成形するのが特に有名で、それを焼く登り窯の大きさは日本一とも評されています。 また、酒器は精巧なろくろ技術により、非常に薄手でありながら丈夫であることが特色です。



『阿波和紙』(あわわし)/和紙
主な製品:画仙紙、工芸紙、包装紙

手漉(す)きならではの生成(きなり)の色合い、優しい肌触り、しなやかな柔らかさと、驚くほどの強さがある草木染製品が阿波藍染和紙です


■香川県の伝統的工芸品


『香川漆器』(かがわしっき)/漆器
主な製品: 盆、茶托(ちゃたく)、菓子器、座卓

香川漆器の代表的な技法である、「蒟醤」、「後藤塗」、「存清」、「彫漆」、「象谷塗(ぞうこくぬり)」は、いずれも使っていると歳月とともに「渋」と「味」が美しさを増し、香川漆器独特の色調がでてきます。香川県内はもとより、全国各地からも年々注文が多くなり注目されています。



『丸亀うちわ』(まるがめうちわ)/その他の工芸品
主な製品:うちわ

丸亀うちわの特徴は、柄と骨が一本の竹で作られているものが多いことです。柄は丸柄と平柄の両方があります。


■愛媛県の伝統的工芸品


『砥部焼』(とべやき)/陶磁器
主な製品:飲食器、花器、置物

地元でとれる陶石を用いた温かみのある素地を生かし、それに大胆な筆使いの文様を青色で描いた染付(そめつけ)の食器や、天然の灰を使った柔らかい発色の青磁の花器等は実用的でしかも温かみのある独特のものです。



『大洲和紙』(おおずわし)/和紙
主な製品:障子紙、たこ紙、書道用紙

和紙は洋紙と違い、一枚一枚手作りであるところから、その温かさ、人間味等が伝わってきます。障子紙、書道用紙の他、最近ではちぎり絵等に多く使用される等、新しい用途が考えられています。


■高知県の伝統的工芸品


『土佐打刃物』(とさうちはもの)/金工品
主な製品:斧、鳶(とび)、鋸、鎌、包丁、鉈(なた)
柄鎌(えがま)、鍬(くわ)

土佐打刃物は、全国各地から形状や重さの違う刃物の注文を多く受けていたため、原寸と形を書いた注文書だけで製造ができます。これを称して「土佐の自由鍛造」と呼ばれています。この事は土佐の製造品種が多いことからも想像できますが、また少量多品種製造が可能なので、現在まで土佐打刃物が作り続けられています。



『土佐和紙』(とさわし)/和紙
主な製品:書道用紙、手工芸用紙、表具用紙、障子紙
絵画版画用紙、和紙加工品

和紙の原料、和紙作りのための道具、和紙作り、すべてが地元で賄われています。土佐で採れる豊富で質の良い原料をふんだんに使うため、優れた品質です。また、一軒一軒が異なる紙を漉いているため、その品種の豊富さに特徴があります。


■福岡県の伝統的工芸品


『博多織』(はかたおり)/織物
主な製品:帯、小物、ネクタイ、ドレス生地、インテリア製品

「献上博多」に代表される平織(ひらおり)は優美華麗なあでやかさを、紋織(もんおり)は繊細緻密な織柄と見事な色合いを見せています。博多帯は締めやすく、締める時の「キュッキュッ」という絹鳴りは博多織ならではのものです。



『久留米絣』(くるめがすり)/織物
主な製品:着物地、洋装、インテリア商品

絣は先染め織物の一種です。糸の段階で括(くく)りによる絣糸を作って染色し、織り上げていくため、デザインに深みがあります。素朴な織物で、着物、小物、インテリア用品等幅広く活用されています。



『小石原焼』(こいしわらやき)/陶磁器
主な製品:かめ、壷、置物、飲食器

刷毛目(はけめ)の大皿、飛び鉋(かんな)の壷等、加飾に特徴があります。現在も昔とあまり変わらない技法で壷、飲食器、花器等が作られています。



『上野焼』(あがのやき)/陶磁器
主な製品:茶器、酒器、花器、飲食器、香器、装飾器

発色や釉薬(ゆうやく)の流れ方、肌合、艶、窯変(ようへん)等、色々な陶器を楽しむことができます。絵付けはあまりせず、主に釉薬掛けです。茶陶として発展しただけに薄手の美陶が多いのが特徴です。



『八女福島仏壇』(やめふくしまぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:金仏壇

品質や八女福島仏壇の持ち味を保つために、材料は、江戸時代以前から伝統的に使用されてきたものを用い、ほとんどが手作りです。全体的に金箔が施され、仏壇の特徴を生かしています。



『博多人形』(はかたにんぎょう)/人形・こけし
主な製品:美人もの、男もの、歌舞伎もの

博多人形は美人もの、歌舞伎もの、能もの、風俗もの、道教や仏教の人物像、童もの等に大別できます。博多人形の持ち味・特性は、素焼きに着色する落ち着いた感覚の美しさと、きめ細かい彫り込み等です。



『八女提灯』(やめちょうちん)/その他の工芸品
主な製品:盆提灯、祭礼提灯、献灯提灯、装飾提灯

八女提灯は竹骨を一条螺旋式に改め、厚紙を薄紙の八女手漉き紙に変え、内部が透視できるようにして、山水、草木、花鳥などの彩色画描写をしたため、涼み提灯として名声を博しました。八女の土壌で育成された技術、技法を取り入れた昔ながらの素朴な提灯と近代的な盆提灯が作られており、風雅な情緒味に富んだ提灯として全国一の生産量を誇り、製品は広く、全国、海外へ出荷されています。


■佐賀県の伝統的工芸品


『伊万里・有田焼』(いまり・ありたやき)/陶磁器
主な製品:和洋食器、装飾品

伊万里・有田焼は、白く美しい磁肌や華やかな絵付け、食器としての使いやすさや丈夫さがその特色です。



『唐津焼』(からつやき)/陶磁器
主な製品:茶器、花器、徳利

唐津焼の魅力は、土の味わいと素朴な作風にあります。描かれている模様は野趣に富み、土の温もりを感じさせます。製品では特に茶陶器として有名です。


■長崎県の伝統的工芸品


『三川内焼』(みかわちやき)/陶磁器
主な製品:香炉、酒器、花器、茶器、割烹食器

白磁に呉須(ごす)の青で絵柄を付けた染付が特徴です。窯を開いて以来、朝廷や、将軍家への献上品が多かったので、日用品から装飾品に至るまで、常に高級品を作り続けてきました。製品は繊細優美で、精巧緻密さには定評があります。



『波佐見焼』(はさみやき)/陶磁器
主な製品:和飲食器

透けるような白磁の美しさと、青い呉須(ごす)で絵付けされた染付の、繊細で深い味わいが特徴です。また時代の変化に合わせて改良して作り続けてきことから、伝統的なものからモダンなものまで、幅広い製品があります。価格も手頃です。



『長崎べっ甲』(ながさきべっこう)/その他の工芸品
主な製品:髪飾り、ネックレス、小物

べっ甲の材料は赤道付近に生息するの海ガメの一種「タイマイ」の甲羅。江戸時代、鎖国によって貿易が許されていたのが長崎のみであったため、べっ甲の材料が入手しやすかった長崎でべっ甲細工が発展しました。
長崎べっ甲の特徴は、職人たちの経験と技で厚みや色合いなどを絶妙に調整する、緻密で精巧な技法。


■熊本県の伝統的工芸品


『小代焼』(しょうだいやき)/陶磁器
主な製品:茶器、花器、食器、装飾品

小代焼は、鉄分の多い小代粘土を使った素朴で力強い作風が特徴です。釉薬の調合割合、焼成温度の変化等により、青小代、黄小代、白小代、といわれる微妙な発色技法が使い分けられ、釉薬の深い美しさと自由奔放な流し掛けの模様は、器形と調和して素朴な中にもダイナミックな味わいがあります。



『天草陶磁器』(あまくさとうじき)/陶磁器
主な製品:茶器、花器、食器、装飾品

天草陶石は焼成時の収縮度が小さく可塑性があって適度のアルカリを含有するなど、磁器の原料としても釉薬の原料としても理想的な陶石です。透明感のある純白の磁器や、柞灰を使った温かみある磁器です。陶器は釉薬の二重掛け技法による赤海鼠の陶器や、黒釉を使った個性的な製品が多いのが特徴です。



『肥後象がん』(ひごぞうがん)/金工品
主な製品:装身具、インテリアなどの装飾品

肥後象眼には「布目象眼(ぬのめぞうがん)」「彫り込み象眼(ほりこみぞうがん)」などの技法がありますが、現在行われているのはほとんどが布目象眼です。布目象眼は地金として使用する鉄の表面に細い切れ目(布目)を入れ、そうして出来た溝に金銀の金属を打ち込んでいく技法です。肥後象眼では地金に塗料等を使わず錆色だけで深い黒色に仕上げることで地金の美しさを引き出すことや、金銀の厚み、縦・横・斜めの4方向から切る布目の切り方、肥後独自に受け継がれる文様などにより特徴である「重厚感」や「上品な美しさ」を表現しています。



『山鹿灯籠』(やまがとうろう)/その他の工芸品
主な製品:置物、記念品、土産物、インテリア、ランプシェード

熊本県北部に位置する山鹿市はかつて宿場町として、また菊池川を中心とした物流の拠点として独自の文化を築き栄えました。和紙の原材料である楮の栽培及び紙漉きも全盛期であった江戸時代、山鹿の繁栄を支えた「旦那衆」とよばれる実業家によって和紙工芸による技の競り合いが盛んになりました。そうして、藩主をもてなすものとして、神事の奉納品として、人を呼び込む観光資源として発展し、現在のような高度な技術を要する和紙工芸「山鹿灯籠」が確立したといわれています。


■大分県の伝統的工芸品


『別府竹細工』(べっぷたけざいく)/木工品・竹工品
主な製品:茶器、花器、盛籠、オシボリ入れ
銘々皿、マガジンラック、インテリア用品

別府竹細工に使用される竹は編み組みに適した大分県産のマダケという竹が主な材料となっています。その他用途に応じてハチク、クロチク、ゴマダケ、メダケ等の竹が用いられ、8種類の基礎技法を基本にして、竹本来の美しさを生かした製品を作っています。


■宮崎県の伝統的工芸品


『都城大弓』(みやこのじょうだいきゅう)/木工品・竹工品
主な製品:弓道具

弓は外側に7つ、内側に6つの節で構成され、形が決められます。弓の形は弓作りの職人によって異なりますが、上下の重さが釣り合っていて、弓を射るときの弓返りのときの重量の配分と重心を考えた弓が、良い弓です。


■鹿児島県の伝統的工芸品


『本場大島紬』(ほんばおおしまつむぎ)/織物
主な製品:着物地

繊細でしかも鮮やかな独特の美しい絣模様、そしてシャリンバイと泥染めによるしぶい風格、しなやかで軽く、しわになりにくい、奄美の自然から生まれた、人に優しい織物です。



『薩摩焼』(さつまやき)/陶磁器
主な製品:食器、茶器、花器、酒器、装飾品

薩摩焼の特徴は、やきものの種類の多様さにあります。伝統に基づく系統としては、堅野系、龍門司系、苗代川系、西餅田系、平佐系、種子島系の6つがあります。また、製品から分類すると、白薩摩、黒薩摩、磁器の3つに大きく分けることができます。 白薩摩は、淡い黄色の地に無色の釉薬が掛かった陶器で、表面を貫入という細かいヒビが覆っています。これに、染付や色絵、金彩をなどで装飾を施しています。 黒薩摩は、黒釉、褐釉、飴釉など各種の色釉をかけて仕上げた陶器で、鉄分の多い陶土を使用しているため器胎は茶褐色をしています。



『川辺仏壇』(かわなべぶつだん)/仏壇・仏具
主な製品:金仏壇

川辺仏壇は、7つの分業体制により製作された総合工芸品です。木地、宮殿(くうでん)、彫刻、金具、蒔絵、塗り、仕上げの各部門の職人たちの技術の粋を集め製作された仏壇は、細部まで手が入れられ堅牢で価格も手頃です。


■沖縄県の伝統的工芸品


『南風原花織』(はえばるはなおり)/織物
主な製品:南風原花織

かすりのように、経緯が一本ずつ交互に織り合わせれる織物を平織といいますが、2本、3本と糸をとばして変化をつけた織物を組織織もしくは紋織といいます。沖縄ではそれを「花織」といい、南風原花織は多様な色彩の花糸を使った立体感のある浮き柄が魅力的で、高い人気を得ています。
かすりに代表される一般的な平織りでは、タテ糸を通す綜絖(そうこう)と呼ばれる器具を2つ使うのが普通ですが、南風原花織では8枚ほど(多いときは10枚)もの綜絖を順番に操作して図柄を浮かび上がらせます。それだけ複雑で職人の腕が問われ、たいへんな手間と時間をかけてつくられる織物です。



『久米島紬』(くめじまつむぎ)/織物
主な製品:着物地、洋装、帯、テーブルクロス、のれん、小物類

地色が渋いので、帯を変えれば親子2代でも3代でも着用できます。現在は夏久米島織も商品になっています。紡ぎ糸の持つしなやかな風合と植物染料と泥染めによる深いこげ茶色の色合いは、身に着ける人の体をすんなりと包み、その人の肌の色を白く写します。



『宮古上布』(みやこじょうふ)/織物
主な製品:着物地

麻織物ですが、糸は細く、絣模様は精緻で、織り上げた布はロウを引いたように滑らかです。通気性に富み、三代物と言われるほど丈夫で長持ちします。



『読谷山花織』(ゆんたんざはなうい)/織物
主な製品:着物地、テーブルセンター、帯

可憐で細やかな花模様を色糸で浮かせ、これに絣の風合いをあしらった南国情緒あふれる織物です。模様には、綜絖花(そうこうはな)、手花(てばな)、絣等があり、反物では綜絖花と絣、帯地と手巾(ていさじ)では綜絖花と手花と絣というように、製品によって組み合わせが変わります。



『読谷山ミンサー』(ゆんたんざみんさー)/織物
主な製品:帯

先染めの綿の絣糸を素材とした紋織物で、南国特有の色彩感覚に満ちた柄模様で知られています。模様には、グシバナ、綜絖花(そうこうはな)、絣等があります。



『琉球絣』(りゅうきゅうかすり)/織物
主な製品:着物地

沖縄の自然や動植物の名前を取り入れた図柄が多く、今でも方言名で呼ばれています。主として絹糸を使用し、染料は草木染の他、化学染料等が使われています。反物を中心に織られており、夏物の壁上布(かべじょうふ)も生産されています。



『首里織』(しゅりおり)/織物
主な製品:着物地、帯、テーブルセンター

織から絣に至るまで、多彩に織られるのが、首里織の特徴です。その中でも特に、花倉織(はなくらおり)や道屯織(どうとんおり)は、王家、貴族専用とされ、首里でしか織られませんでした。



『与那国織』(よなぐにおり)/織物
主な製品:着物地、帯、飾布

与那国織は、紋織物の板花織シダティや優美さを秘めた与那国花織、人々の日常着として今に伝わる平織物のドゥタティ、うね織物のカガンヌブー等、風土と人々の真心によって染め織り上げられた、素朴な手作りの一品です。



『喜如嘉の芭蕉布』(きじょかのばしょうふ)/織物
主な製品:着物地、帯、座布団、ネクタイ、袋物
のれん、テーブルセンター

糸芭蕉からとれる繊維を利用して織り上げる芭蕉布は、沖縄の代表的な織物です。江戸時代には夏裃(なつかみしも)として人気がありました。軽くてさらりとした肌触りが独特で、盛夏の着物として現在も広く愛用されています。



『八重山ミンサー』(やえやまみんさー)/織物
主な製品:男物帯、女帯、ネクタイ、小物

起源は17世紀以前。語源は定かではないが、木綿の狭い帯「綿狭帯」が「ミンサー」となったとされている。絣は手括りで、藍の先染めのたて畝織。5つの絣と4つの絣が交互に配され、「いつの世までも末永く」の意味をもった男性用の帯。



『八重山上布』(やえやまじょうふ)/織物
主な製品:着物地、帯、タペストリー、のれん

図柄は他の沖縄織物と同じ琉球絣を用います。緯糸は手紡(つむ)ぎの苧麻(ちょま)で織られ、植物染料で染められ、手織りで生産されているので、微妙に色彩等が異なり、一つとして同じものはありません。また肌触りが良く、涼しげで夏用の着物として最適です。



『知花花織』(ちばなはなおり)/織物
主な製品:着物地、帯、羽尺、小物

模様を出した際に、布の裏の経糸が浮いているのが特徴です。



『琉球びんがた』(りゅうきゅうびんがた)/染色品
主な製品:着物地、帯、飾布

中国の型紙の技法、京友禅の手法も取り入れた沖縄で唯一の染物です。綿布、絹布、芭蕉布等に顔料、植物染料を用いて手染めします。色鮮やかな「紅型(びんがた)」と琉球藍の浸染(しんせん)による「藍型(えしがた)」とがあります。それぞれ南国独特の神秘的な魅力を持っています。



『壺屋焼』(つぼややき)/陶磁器
主な製品:酒器(カラカラ)、抱瓶(ダチビン)、獅子(シーサー)、壷

沖縄の焼物(やちむん)は、上焼(じょうやち)と荒焼(あらやち)に大別されます。上焼は、釉薬(ゆうやく)を施した、沖縄独特の色合い・図柄の食器等が作られます。荒焼は南蛮焼とも呼ばれる、釉薬を使わない比較的大きなもので、酒かめ、水かめ類等が多く生産されています。



『琉球漆器』(りゅうきゅうしっき)/漆器
主な製品:、茶椀、銘々皿、椀、重箱、棗(なつめ)

琉球漆器は主に朱色の漆や黒い漆を用いた花塗(はなぬり)で作られています。また模様つけの技法には「堆錦(ついきん)」や「沈金」、「箔絵」、「螺鈿(らでん)」等色々なものがあります。木地は、デイゴやエゴノキ、センダン等の木で、下地は豚の血等を使った「豚血下地(とんけつしたじ)」、上塗りは天然の漆を用いた塗り立てで、特に朱の鮮やかな美しさは他に例を見ません。



『三線』(さんしん)/その他の工芸品
主な製品:三線

三線は棹、胴、糸巻きから成り立ち、棹の形状によって型がきまり、代表的な7つの型は、それを生み出した琉球王国時代の名工の名前が付けられています。
三線作りには繊細な職人技が求められ、原木選びから数十年かけて仕上げることも珍しくありません。



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