技術ではなく考え方が大事

私が人に何かを教えるときに必ず伝える言葉です。
「技術ではなく考え方が大事」

私がこの言葉を大事にする出来事があります。私は掃除屋です。民泊施設の客室清掃が私の掃除屋としてのスタートラインでした。しかし、私は掃除の仕事の経験はこれまで一度もありません。ゼロからのスタートです。
最初の研修は、手順から使う道具など一つ一つを目で見て観察することです。ストップウォッチで作業時間の計測し、
「何から作業するか?」
「使ってる洗剤は?」
「ベッドメイクのやり方は?」
目で確認したあとは一つ一つの作業を教えてもらいながら覚えました。
そこにはテキストも何もありません。テキストは業者の親方夫妻です。親方夫妻にとってやりやすいやり方があり、そのやり方、手順でゴールまでの道のりを教わりました。なので私も覚えるため、効率よくクオリティの高い仕事をするためにまずは教わった手順で作業をし、問題点を見つけてはその原因を探ってもっと良い方法を見つけて技術を磨いてきました。

私は冒頭で、

「技術ではなく考え方が大事」

という題名をつけさせていただきましたが、

「このやり方がゴールに導く方法だ!」
と考えて同じことを繰り返す人、

「教えてもらったやり方以外に良い方法はないかな?」
と考えてもっと良い方法をアンテナ張って探して試行錯誤する人、

どちらが良い仕事をすると思いますか?

間違いなく後者です。

つまり、たどり着くゴールは同じでも踏む過程は100人いたら同じ方法で教えても、同じテキストやマニュアルを読ませても、どんな方法を使っても人間である以上、100%コピーなんか出来ないわけです。

プロ野球の世界でも、大谷翔平選手の投げ方とダルビッシュ有選手の投球フォームは全く違います。投げ方を真似るなんてマジで難しいです。ただポイントで大事な共通点があったりするのですが、その共通点だけは両者同じだったりするわけです。

何が言いたいかというと
「スタート地点とゴール地点は同じでも、どんな道順で行ってもよいですよ。ただ一番早くゴールにつきましょう。」

やり方はいくらでもあるから教えてもらったやり方その通りに覚えて作業をするのではなく無限にあるよい方法を見つけて実践し、必要であればよい方法を多くの人に伝達できるように考える。

私は多くの人たちに後者の考え方を身につけてほしいと思っています。

私は現在民泊事業から完全撤退し、現在は美装屋さんに転身しました。
美装屋さんに転身できたのも全て冒頭の技術よりも考え方というスタンスで物事に取り組んでいるからです。

ご清聴ありがとうございました。


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