郷土遺跡【縄文時代】
1 場所
小諸市甲、東雲区に所在する。国道18号を小諸警察署の交差点で北上し、小諸高校を過ぎた西側に遺跡はある。標高830m。小諸市の浄水タンクが近くにあるが、縄文時代もこの700~900mの 標高ラインは浅間山の第1伏流水が湧出するため、縄文遺跡の集中地帯でもある。
2 特徴
浅間山麓最大の縄文中期集落遺跡である。上信越自動車道建設に先立つ発掘調査では、縄文中期後半から後期初頭の竪穴住居跡107軒などがみつかっている。中期後葉の特徴ある文様から「郷土式」と呼ばれる土器型式が設定されている。これは浅間山の半径約25㎞圏内に分布することが知られている。また、釣手部に顔を表現した釣手土器は「郷土型」とされ、こちらも本遺跡の名前が冠されている。この他、佐久では出土例が少ない土偶67点や三角柱状土製品2点など希少品の発見も少なくない。(櫻井秀雄)
3 ミニ案内
上信越自動車道関連での出土品は長野県立歴史館で保管展示されている。
報告書は全国遺跡報告総覧で見ることができる。
https://sitereports.nabunken.go.jp/16231
遺跡からチェリーパークラインで浅間山方面へのぼっていくと、30分ほどで標高2000mの高峰高原へ着く。佐久平を見下ろせる絶景ポイントであり、夏は暑さを忘れさせてくれ、冬にはスキー場がオープンする。宿泊施設には高峰高原ホテルと高峰温泉があり、高峰高原ホテルでは景色を楽しみながらレストランで昼食をとることもできる。懐古園と並ぶ小諸の観光名所である。チェリーパークライン沿いの歌碑をめぐるのもおすすめ。
(桜井秀雄)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?