マガジンのカバー画像

佐久の考古遺産

32
佐久考古学会が2021年に刊行した『佐久の考古遺産』から部分引用した遺跡紹介です。
運営しているクリエイター

#佐久の遺跡

大豆田遺跡(弥生時代)

大豆田遺跡(弥生時代)

1 場所
 佐久市長土呂に所在する。周防畑遺跡群のひとつを構成する遺跡である。標高は約700mである。佐久平北部に特徴的な田切地形から沖積地へと変化するその境部分にある。

2 特徴
 平成27年4月に開校した佐久平浅間小学校建設に伴い、平成24年に佐久市教育委員会が発掘調査を実施した弥生時代後期の集落遺跡である。
注目されるのは、28点もの土器からイネ・アワ・キビなどの穀物圧痕が確認されたことで

もっとみる
岩下遺跡(縄文時代)

岩下遺跡(縄文時代)

1 場所
 小諸市八満に所在する。標高774~800m程の浅間山麓の南向きの緩やかな傾斜面に立地する。

2 特徴
平成4・5年に上信越自動車道建設に先立って県埋蔵文化財センターが発掘調査を行った。
ここで注目されたのは、縄文後期前葉の集落である。南向き斜面を段切りして東西約25mの平坦面を造成し、カット面に張出部を設けた敷石住居跡3軒が並び、その前面には石棺墓や土坑墓群がみられた。大土木工事で造

もっとみる