専門職が複数の視点を持ったからこそ描けた未来
私は今、3枚の名刺を持っています
理学療法士として病院で勤務していた時代は、まず名刺がなかった
転職して、初めて自身の名刺ができたときは感慨深かった
そんな私が、今は気づいたら名刺を複数持っている自分になっていました
将来の夢=職種
理学療法士という職種を希望し始めたのは高校生の時
バスケでケガをし、それをきっかけにこの職種を知りました
バスケの先輩がたまたま理学療法士の資格を取れる大学に進んだこともあり、一気に私の進路が定まっていきました
それまでは、「将来の夢は?」と聞かれると
スチュワーデス!と答えていました
理由は「背が高いから」
何かの情報で背が高いとスチュワーデスになれると知り、一気に惹かれていたんですね
こんな、将来を描いてきた私にとって
「将来なりたい自分」=どんな職種として存在していたいか
という視点でずっと未来を考えてきました
未来が描けなくなった時
新卒で入職した病院で10年以上勤務を続けました
途中で結婚、出産、育休も経験
大学院にも通いました
キャリアの未来は鮮明に描けなくなってきたものの
プライベートでバタバタしていたので
近い目標が常にある状態でした
そんな私が
「この先どうしたらいいのか・・・」
と本気で思った時はいつか
それは毎年書いてきたキャリア面談のための用紙と向き合った時でした
産後、分かりにくくなってきたものの
第一子の産後は何とかひねり出して資格取得などを書いていました
が、第二子の産後1年が経過したとき、本当に何も浮かばなかったのです
ずっと水面下では転職を検討していましたが
この時に「あ、いまだ」と心の奥底から感じたのでした
転職してから大切にしてきたこと
ここから、在宅医療の分野での経験がスタートすることになりました
多様な経験をさせてもらい
今は、訪問リハビリ、訪問診療アシスタントをしながら
自立支援アドバイザーとして活動を始めました
在宅分野に移行してから、もうすぐで4年ほど経ちます
この分野では病院のように完全分業制ではありません
もちろん、各職種にしかできないことはあるので、専門性は必要です
しかし、介護と医療という2つの制度に挟まれているという性質上、どうしてもはっきりとした線引きができないことが多数あります
だからこそ、理学療法士だから理学療法だけやっていればOK!という視点では不足している、という実感があります
私が転職後、大切にしてきたのは複数の視点を持って目の前の業務にあたること、でした
急性期病院で理学療法士として10年以上の経験を持つ視点
訪問診療に帯同し、在宅医療に関わる方々とのバランスや繋がり方などを学んできた視点
ケアマネの資格も持ち、医療と介護の両方の制度から在宅医療を眺めているという視点
これらを全て統合したsakikoの視点で、必要な人にサポートを届けよう
そう思って、自立支援アドバイザーとしての活動を決めました
将来の夢を職種で考えていた時の自分には、まず思いつかなかった選択肢です
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そんなこんなで、気づいたら今は2つの職場を持ちながら個人事業主として活動することになりました
病院でキャリア面談の用紙を書いた時には、未来の自分が見えなかった
だけど
その時には全く想像していなかった未来に立っている
振り返ってみて、改めてその事実に気づけたような気がします