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【WSH】トレバー・ウィリアムズと契約

米国時間12月9日、ナショナルズが先発右腕のトレバー・ウィリアムズと2年総額$13Mの契約で合意間近だと報じられました。MASNでナショナルズを担当しているマーク・ザッカーマン記者が最初に報じています。

現在30歳のウィリアムズは、2017年にキャリアハイとなる14勝をあげるも、18年以降は低迷。ですが、21年にトレードでメッツ移籍後はスイングマンとして復活。22年は先発として9試合、リリーフとして21試合の計89.2回を投げて防御率3.21、三振率ではキャリアハイとなる22.6%を記録するなど好成績を残しました。昨季先発投手の防御率が5.97であったナショナルズにとって、ローテーションのアップグレードになることは間違いないでしょう。

右打者への投球は”シャーザー級”

22年はスイングマンとして防御率3.21を記録したウィリアムズですが、内訳を見ると先発時は38.2回で防御率4.19・三振率18.2%、リリーフ時は51回で防御率2.47、三振率25.8%と開きがあります。その原因の一つとして対左打者への相性の悪さが考えられます。対右打者には被打率.209・三振率31.7%と、昨季のマックス・シャーザー(被打率.207・三振率30.8%)級の好成績をあげています。一方の左打者に対しては被打率.319・三振率8.8%と悲惨な内容となっています。先発時は左打者との対戦が多くなるため、対左打者への投球を改善することが先発として成功するための鍵と言えそうです。

左打者攻略に向けて

図1:球種別の投球内容

上の図1をご覧ください。対右打者と対左打者の球種ごとの内容をまとめたもとです。ウィリアムズのマネーピッチはRun Value-12という高数値を叩き出している4シームです。しかし、左打者に対しては被打率.307・空振り率9.5%と機能していません。他の球種についても対右打者よりも成績が悪くなっています。

図2:左打者への投球分布図

次に図2をご覧ください。こちらはBaseball Savantから引用した対左打者への投球分布図です。左打者に対しては4シーム、チェンジアップ、シンカーとどれも外角中心に集まっており、内角を有効に使えていないことがわかります。唯一内角を突ける球種であるスライダーは被打率.400と機能していません。右打者に対しては4シームを高め、スライダーを外角低め、シンカーを内角低めに集めてストライクゾーンを広く使うことができているのですが、左打者に対しては外角一辺倒で打者としては狙いが絞りやすい状態になっています。スライダーの質を改善させるか、4シームで内角を突くアプローチを試すか、転換が求められると思います。

来季の起用法は?

ウィリアムズは、パトリック・コービンジョザイア・グレイマッケンジー・ゴアケード・カバリに次ぐローテーション5番手に入ると見込まれています。しかし、カバリは昨季デビューしたばかりの新人ですし、肩痛でシーズンを終えているなど健康面に不安があります。また、ゴアについても健康面に不安があるため、ウィリアムズはローテーションの一角としての働きが期待されます。また、上記の状況ですので、ナショナルズがもう一人ローテーションの中核を担えるような投手の獲得と思われます。その場合はウィリアムズがリリーフに回る可能性もあるでしょう。

おわりに

FA市場の高騰が続く今オフに、2年$13Mという先発として安価な契約で先発投手を補強できたのは良かったと思います。24年も安価にキープできるというのは魅力なので、来季先発として成功すれば夏のトレードデッドラインで売り捌くこともできるでしょう。対左打者を攻略して先発として成功できるか、注目したいと思います。

チームは依然として先発投手が不足しています。もう一人は補強すると思われるので、一体誰を獲るのか今後の動向にも注目です。

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Photo:https://flic.kr/p/2nizFDP


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