見出し画像

【WSH】ハンター・ハービーを放出

こんにちは。ハーパーです。久しぶりの投稿になります。

さて、一時はワイルドカード争いに食い込んでいたナショナルズでしたが、気づけばリーグワースト3位に下落。5年連続で夏のトレードでは売り手に回る見込みです。そして、日本時間の今日、トレード期限まではまだ間がありますが、リリーフ右腕のハンター・ハービーをロイヤルズにトレードしたと球団が発表しました。今回はハービーのトレードを整理していきます。

☆トレードサマリー

FAまで1.5年のハービーを放出し、MLB公式で傘下2位、BAだと5位の有望株ケイデン・ウォラス三塁手と今年のドラフト全体39位指名を獲得しました。ハービーは前半戦の酷使で調子を落としており、売り切れないというリスクを回避するという点で賢明な判断だったと思います。ロイヤルズ側としては補強ポイントであったリリーフ投手の獲得に成功しましたが、見返りは少し出し過ぎな印象です。今オフもしくは来夏にハービーを転売すればペイできるとの計算でしょうか。

☆ハービーについて

上が6月5日まで、下はそれ以降の成績

今季のハービーはセットアップとして開幕から大車輪の活躍でした。画像の通り、6月5日までで30.1回を投げて防御率2.08/FIP2.14をマークしていました。しかし登板過多(マルティネス監督による鬼の酷使)が続いており、6月25日の時点でシーズン74登板/80イニングペース。優勝争いをする状況でもないのに明らかに投げすぎです。6月6日以降は防御率8.59、K/BBなども大幅に悪化するなど明らかに疲れが出ています。球宴休みを挟んで、体も心もリフレッシュして新天地で頑張ってほしいと思います。マルティネス監督の酷使に耐えて本当によく頑張ってくれました。今までありがとう。

☆見返りについて

①ケイデン・ウォラス

ウォラスは強肩強打の22歳三塁手です。KC傘下内なのでプロスペクトランキングは高いですが、普通の球団なら6~10位規模の選手だと思います。22歳にして2AでwRC+118と適応している点は強みですが、昨季130試合で13本塁打&マイナー通算ISO.155とパワー面が三塁手としては今ひとつで、wRC+も110台と抜きん出てはいません。中軸を打てるポテンシャルは無く、MLBの三塁手としてバリューを出せるかと問われると、今のところ微妙でしょう。

MLB平均以上の打球速度(今季の90th EV104マイル)とパワー自体は秘めているので、広角にライナーを打ち分けるスタイルを卒業し、引っ張りフライを量産する打撃を習得して本塁打を増やせると面白いと思います。三塁には超有望株のブレイディ・ハウスがいるので、戦力としてというよりも、とりあえずスカスカなKCマイナーからまともな選手を選んで獲ったということだと思います。

②ドラフト全体39位指名権

さらに、このトレードで面白いのは全体39位指名権を獲得したことです。
ここ3年のドラフト全体39位指名の選手は以下の通りです。

23年:マイルズ・ネイラー(OAK内8位)
22年:ロビー・スネリング(SD内5位)
21年:アイザック・パチェーコ(DET内8位)

( )はドラフト翌年のMLB公式プロスペクトランキング順位

いずれもドラフト後のMLB公式プロスペクトランキングで傘下10位以内に入っています。つまり、全体39位指名権≒球団5~10位のプロスペクト相当と言えます。正直KCマイナーに魅力あるプロスペクトは多くないので、ドラフト前日に指名権もらえるトレードを決めたのはリゾーGMナイスすぎます。指名権獲得によりボーナス額も増えたので、明日のMLBドラフトで全体39位で誰を指名するかはもちろん、増えた分のボーナス額をどのように運用するかも注目です。(全体39位の契約金を節約して、他の指名で大物を狙うみたいな動きもできます)

見返り総括

以上から総括すると、ハービーの見返りとして傘下10位以内プロスペクト2名を貰えたと見て良いでしょう。近年のFAまで1.5年リリーバーのトレードだと昨年のポール・シーウォルドが挙げられます。シーウォルドの見返りはMLB選手のジョシュ・ロハスに当時MLB公式19位ドミニック・キャンゾーンと29位のライアン・ブリスでした。すでにMLBでの実績があり、ユーティリティーとして計算できるロハスの価値は無視できませんが、シーウォルドのトレードよりも魅力あるパッケージに思えます。

おわりに

元々ウェーバー移籍で獲得したハービーがセットアッパーとして素晴らしい成績を収め、さらに大きなトレード対価を残してくれたことは、チームにとってありがたい限りです。新天地での活躍を願っています。頑張れ!ロイヤルズ。

今後も売り手トレードが予想されます。救援だとカイル・フィネガンディラン・フローロ、先発では現在ILに入っていますがトレバー・ウィリアムズ。野手ではジェシー・ウィンカーが確実で、イルデマーロ・バルガスも放出候補です。特に、ハービーと同じくFAまで1.5年で、成績はハービー以上であるフィネガン(BABIPに恵まれているだけという説は置いておいて…)のトレード対価に注目です。それでは、また動きがあったら更新します。

長文をお読みになっていただき、ありがとうございました。よろしければ「スキ💓」をいただけると、記事作成の励みになります。

Photo:https://twitter.com/Nationals/status/1546154565636177922/photo/1

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?