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今日の新聞(2019/04/02)

新元号「令和」の出典となった万葉集の「初春令月、気淑風和」の文言についての記事

中国の詩文集「文選」にある句の影響を受けているという指摘が複数の漢学者から出ているらしい。
今回、国書である万葉集を典拠にしたことを安倍首相はアピールしている。
でも、私は新聞やテレビを見ていて、「国書なのか?でも書かれている形式は漢文だから本当に日本古来といえるのか?」と思った。
しかしここでこうも思った。「そもそも、典拠の日本色が強いのか漢色が強いのかはそんなに大事なことであろうか?」

ここで、記事にあった中国古典学の渡辺義浩早稲田大教授の言葉を紹介したい。
それは、
「ギリシャ、ローマの古典を欧州人が自分の古典というのと同じで、広い意味では日本の古典だ」という言葉である。
なるほど。日本は中国や大陸の文化の影響を大きく受けて、そこから自分の国の文化を作り上げた。その時代の中国の文化と日本の文化をパッチリ分けようというのがおかしいのだ。
記事では、中国哲学の宇野茂彦・中央大名誉教授が
「日本の文化というのは漢籍に負うところが非常に多い。漢籍を異国の文化と思わないでほしい」と述べている。

今回初めて漢籍から選ばれなかったことに注目が集まるが、逆に言うとこれまでの247個の元号はすべて漢籍から選ばれたということである。
そもそも元号自体が古代中国で発案された年代の数え方である。
今は関係がいいとは言えない中国とも、昔はこんなに深いつながりがあったなんて、と思った。
典拠はだいぶ話題にされているけど、日本古来なのか中国古来なのかは私にとってはもうどちらでもよくて、とにかく平和な時代になりますように、と願うばかりだ。

感謝感激雨あられ!