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個性を束ねる花屋 Bandy 髙橋智子さんらしさ / 坂井市らしさ名鑑

春江町の住宅街にひっそりと

坂井市春江町のにぎやな街から少しはずれた、
住宅街にひっそりたたずむログハウスのお花屋さん。

そんな素敵なお店のオーナーである髙橋智子さんに、
らしさキャラバンのメンバーである中島が、
さまざまな角度から「らしさ」についてお話を伺いました。

緑に覆われた店先

幼い頃からまっすぐ、花屋だけをめざして

園児の頃から、髙橋さんのくらしの中には花がありました。
お母さまをはじめとしたご家族が、よくご自宅に花を植えているのを見て、漠然と花屋になりたいと感じていたそうです。

ここまでであれば、よくある微笑ましいエピソードですよね。
だいたいの女の子は、幼いころに1度はお花屋さんに憧れるものですから。

しかし、髙橋さんはその幼い頃の憧れを憧れのまま蓋をせず、
みごとに叶えてみせたのです。
早く実践経験を積みたいから、と大学に行くこともありませんでした。
他の職業に目移りすることも無かったそうです。

「すごいです!」と称賛する私に対して、
「ただ諦めなかっただけです」と返す髙橋さん。

その凜としたブレない芯の強さに、ますます興味がそそられていきます。

花を束ねる髙橋さん

Bandyというお店に込めた想い

「Bandy」の名前の由来

皆さんは自分のお店を持つとしたら、どんな名前を考えるでしょうか?

私だったら、
「とにかくオシャレな名前を」
「覚えてもらいやすい名前を」
「自分の名前から連想させよう」
などと考えると思います。

しかし、髙橋さんに名前の由来を伺うと意外な答えが返ってきました。

「1つ上の亡くなった兄のあだ名がvandyだったんです。
 なんとなくVよりBが良くてBandyにしました」

髙橋さんは4人兄弟の3番目。
ひとつ上のお兄さんがバイクの事故で19歳で他界してしまいました。
その時、18歳の髙橋さんは自分が出すお店の名前は「Bandy」にしようと決めたそう。

私はずっとお店の名前が気になっていたのですが、
このエピソードを聞いて、髙橋さんらしいなあと腑に落ちました。

ご家族を大切に思う姿が、私の想像していた髙橋さんのイメージとぴったり合致したからでした。

ワクワクするログハウスの扉

個性が許されなかった時期

髙橋さんは、最初から花屋として自分のお店を持っていたわけではありませんでした。
まずは、下積みとして、ある福井市にある大手の花屋さんでスタッフとして働き始めました。

花屋には、そのお店の雰囲気にあった花束を作ることがルールとしてあるそうです。
そのため、自分の個性は封印せざるをえなかったそうです。
そしてそのことは、個性を大切にする髙橋さんにとって不本意なことでした。

こういった経験も、Bandyの個性をより色濃くしていきます。

髙橋さんのセンスが詰まったBandy

美しい花々で彩られた店内

Bandyさんの店内には髙橋さんらしさがぎゅっと詰まっています。

Bandyの建物は実は髙橋さんのご自宅。
髙橋さんはこのログハウスで暮らしており、
写真の空間は普段はリビングとして使われています。
中央のテーブルは、髙橋さんが実際にダイニングテーブルとして使っていたものなんだとか!

こんなステキな空間で暮らしているなんて、憧れますね。

個性あふれる花瓶コーナー

無理せず自分のペースで

Bandyの営業日は月によってまちまちで、
現在の営業スタイルは月に2・3日程度。
卸業もされているため、無理のない営業日数に決められています。

髙橋さんが自分のお店を持つ前、
花屋として働いていた頃はとてもハードな毎日だったそうです。

現在の自由で無理をしない働き方が、
髙橋さんのスタイルに合っているのですね。

他店を意識せず、らしさと個性を大切に

他人からどう思われているか全く気にならず、
まっすぐ自分軸で生きている髙橋さん。

そんな髙橋さんは同業者である他店の花屋も全く気にしないそうです。
それには理由がありました。

「ものづくりはなんでもそうかもしれませんが、
 迷いながらやっていると、
 花屋の場合、それはアレンジにでてしまいます。
 なので、自分が良いと思ったものだけを取り入れています」

髙橋さんの束ねる、Bandyの花束はとてもオシャレでスタイリッシュ。
せっかくなので私も自分用に花束をお願いしてみました!

注文した花束と髙橋さん

私の入れたいお花を何本か、好き勝手に選ばせていただいたにも関わらず、
とっても素敵にまとめてくださいました!

この花束に映し出された美しさは、髙橋さんの実直な内面の美しさなのでしょう。
SNSに振り回されがちな現代、髙橋さんのマインドを見習っていきたいです。

Bandyのロゴシール

他人事にせず、世の中へ発信し続ける

動物保護の活動

Bandyさんの店内は猫が歩いていたり、寝転がって休憩していたりします。

現在は5匹いるという猫たちはどの子も保護猫。

実は髙橋さんは、動物保護の活動にも積極的です。
お店で署名を集めたり、パンフレットを置いたり、SNSで発信したり。

動物保護について「何かしたい」と感じている方は多いはず。
しかし、みんな興味はあるにも関わらず、多くの方がその場で足踏みして立ち止まってしまいます。
私もその1人でした。

その理由の1つが残酷さと残虐さ。

動物保護に興味を持つ方は、動物が好きで守りたい人が多いです。
しかし、掘り下げていくとその残酷な現実に心が持たず、目を背けてしまう方がほとんど。

「髙橋さんは、動物保護の活動をしていてつらくなったり目を背けたくなったりしますか?」
と聞くと、「泣いちゃうこともある」と言います。

「すごくしんどくなるけれど、折れてたってダメだと思った」
だから少しで多くの方に知ってもらえるように、署名集めや情報の発信を続けているそうです。

髙橋さんのもとで暮らす保護猫

傷ついても少し休んでまた活動を続ける、
その意思の強さが髙橋さんのらしさであり、その行動力は確実に未来を明るくしていると感じました。

他人事にしない強さ

髙橋さんのSNSでは、動物保護だけでなく政治的な内容も多く見られます。
それには「世の中はもっと良くなれる」という思いがありました。

「知ることは大事、知らないことは危険」

何不自由なく生活できているからこそ、
政治への知識は薄れて疎かになってしまいがち。
しかし、知らないだけで恐ろしいことは世の中にゴロゴロ転がっています。

「自分の身を守るために、他人事だと思わないで欲しい」
第一歩を髙橋さんのSNSを見ることで始めてみてはいかがでしょうか。

髙橋さんと保護猫

見えてきた、髙橋さんのらしさ

みんなもっと自分らしく生きていい

インタビューして見えてきたのは、髙橋さんのブレない強さ。
夢を叶える力や折れても走り続けられる不屈の精神。

そして何より、磨き上げられた唯一無二の個性。

花屋である髙橋さんが1番好きな花であるマーガレットをイメージしました。
白は、何からも影響されない髙橋さんの芯の強さを表現しました。

最後に、最も心に残った髙橋さんの言葉を。

「日本人の持っている思いやりは素晴らしいけれど、
 もっとみんな自分らしく生きてほしい」

もっと自分軸で生きていい。
それは生きづらい現代社会で生きる、
私たちへのエールに聞こえました。

髙橋さんという窓から、もっと生きやすい世の中へ。
全く同じ花は存在しないように、
全く同じ人間は存在しません。

この記事が、たくさんの人が個性の花を咲かせるきっかけになりますように。

ライター紹介

名前:中島さくら
年齢:26
職業:歯科助手
趣味:写真 / 読書

編集後記

何度か訪れたことがあったBandyさん。
SNSで髙橋さんの人柄をおおかた知ったような気になっていましたが、実際に1時間と少しみっちりお話ししてみて、
自分が思っていた以上に魅力溢れる方でした。
こんなに素敵な機会をいただけたことを光栄に思います。
これからもずっと通い続けたいお花屋さんです。
また遊びに行きますね!

Bandy
住所:福井県福井市春江町石塚33-85-2
電話番号:090-7088-0614
Instagram:@bandy_tomokotakahashi
(営業日はInstagramにてご確認ください)


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