東方二次創作をするにあたって知っておいた方が良いサイト

実は東方ってやったことないんですよね(笑)」という言葉がある。

詳細はニコニコ大百科の該当記事に譲るが、これは東方の原作をやったことのない・読んだことのない二次創作者を揶揄する言葉として、そしてそのような二次創作者が存在することに疑念を表明する言葉として今なお時折使われる言葉である。

この問題は根深いものである。東方の原作作品と言うものは軒並み一作品につき1000円を超える(特に学生にとっては)高級品であり、そしてまた原作ゲームはPCを持っている人間でないとプレーすることができない。現在PC所持者の人口が減少しつつあることを考えると、東方の原作に触れることが難しいことは簡単に理解できるはずだ。

当方としては、別段それが悪いことだと言う気はない。勿論原作を所持し読み返した方が作品のネタは見つかりやすいものではあるが、それは決して必要不可欠というものではない。そもそも弾幕ゲームにしろ格闘ゲームにしろ敷居の高いゲームであることは疑いようもないのである。

極論として、二次創作を楽しみ、自身でも作り、それでもなお不足を感じて原作情報を知りたいと感じたときにようやく、原作に触れればそれで十分なのである。というのが当方の主張だ。

とはいえ、二次創作作品を読んだだけでは知識不足は否めない。
というわけでここでは、東方二次創作をするにあたって参考になるサイトを紹介していこうと思う。

pixiv百科事典・ニコニコ大百科

https://dic.pixiv.net/a/%E6%9D%B1%E6%96%B9Project

キャラクターの情報を知るなら、まずここを頼ってみるべきだろう。pixivもニコニコ動画も東方の最盛期を支えた場所であるということもあり、キャラクター一人一人に至るまで情報が充実している。

特にニコニコ大百科は古風な二次創作概念に強く、往年の空気感や歴史を学ぶにはうってつけである。一方pixiv百科事典は「夢魂」や「月の都」などの難解な概念から「東方紺珠伝タイトルの餅」などといった細かいモブにまで幅広い記事が存在するのが強みである。

Radical Discovery - 東方Projectデータサイト

http://radical-d.extrem.ne.jp/

東方原作の会話データ情報や、スペルカード名とそのスクリーンショットストーリーテキストやキャラ設定テキストなど、広範に渡る原作情報を一手に纏めているサイトである。

特にストーリーテキストとキャラ設定テキストは、原作に収録されている情報の中でも特に重要度の高いものである。キャラクター同士の主従関係や過去の経緯、異変の始まりから時には妖怪たちの年齢までもが記されていることがある。

キャラクターの性格を把握するときや原作情報と二次創作情報を見極めたいときなどに、このサイト以上に役立つものはそうそうない。原作プレー済みの二次創作者であっても頼ることの多い、正に必携のサイトである。

東方wiki

http://thwiki.info/

有志によって編纂されているサイトである。

ここで特に重要なのは幻想郷年表だろう。東方原作は我々の現実世界と同様の速度で時間が進んでいると考えられている。幻想郷では独特の暦が使われているが、それと現実の時間を擦り合わせたものがこの幻想郷年表であるという。時系列を正確に把握し、各事件の日付を管理したい者にとっては何にも勝るデータであるに違いない。

東方よもやまニュース

https://touhou-project.news/

東方よもやまニュースとは、原作者ZUN氏を招き東方の公式情報や公認情報を発信するまとめサイトである。

このサイトで特に重要であるのは二次創作ガイドラインである。「円滑なファン活動のための目安となるもの」と明記されているとはいえ、無用なトラブルを避けるためには目を通しておくに越したことはない。特に「ダウンロード販売サイトでの同人作品の頒布は許されるか否か」の議論はこのガイドラインが提示されるまで何度も繰り返し起こっていた。ざっと目を通しておく、或いはその存在を知っているだけでも違ってくることは多いと思われる。

実際に原作に触れるには?

ここまで実際に原作に触れずに手に入る知識を書き連ねて行ったわけであるが、では実際に原作に触れたいとなった場合はどのようにすれば良いだろうか。

まず一番触れるのが簡単なのは、公式漫画である。特に現在進行形で連載されている漫画などは先に上げたよもやまニュースや東方我楽多叢誌コミックウォーカーなどで最新話が掲載されていたり、単行本の冒頭部分を各所で立ち読みすることができる。とはいえ東方の公式漫画は癖が強く、原作のキャラクターやストーリーを概ね把握した上でないと十全に楽しむことは難しいことが多いという難点がある。

漫画以外にも東方の書籍には、新聞スクラップを模した書籍、小説、スペルカード集やキャラクター名鑑に相当するものなど、様々なものが存在する。これらは基本的にメロンブックスなどの同人流通だけでなく、アマゾンや地域書店などの一般流通でも販売されている。それぞれのもっともやり易い入手経路を探すことをお勧めする。

一方で原作ゲームやCDブックレットは、基本的には同人流通にのみ卸されている。ゲームについてはsteamやDLsiteなどのダウンロード販売サイトにも流通してこそいる一方で、CDのブックレットデータとなるとCDの実物を入手しないといけないのが現在の状況である。

終わりに

そういうわけで、東方二次を書くにあたって参考になるサイト群の話であったわけである。参考になっただろうか。

より実在の伝承に則りたいというのであれば当然ながら怪異伝承の一次資料に当たる必要があるし、幻想郷を貫く思想について知りたいと願うのであれば儚月抄が必要になる。

けれど最低限これだけあれば、そこまで文句をつけられないような作品を書くこともできるだろう。

当方は東方新参者の伸びやかな創作活動と技量の発展を心から祈願するものである。

……ちょっと宣伝……

秋例新刊、メロンブックス様で置いてもらってます。是非ご利用下さい。

それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?