無題

アダム・ドライヴァー祭り①フランシス・ハ

フランシス は 掃除が苦手

フランシス は 老け顔なのに子供っぽい

フランシス は 自分で自分の未来を狭めている

フランシスがとびっきりの失敗と遠回りをしながら、一人前の生活を獲得していく物語。

「人生に無駄なことなんてない」とよく言うけれど、この映画の8割はフランシスの無駄でできている。

一方的に信じ込んでいた友情で彼氏との同棲をだめにし、時差ボケでせっかくのフランス旅行を棒に振り、見栄っ張りで自分の生活を憧れから遠いところへ追いやってしまう。

夢見がちで子供っぽいフランシスを変えるのは、自立だ。

家賃のため、プライドのため、フランシスは人や過去の場に依存している。

一度は離れたソフィーがまた自分のエリアに戻ってくる予感を、現実に裏切られ、彼女は今と向き合う決心をする。

最後は映画らしい、すべてうまくいきそうなハッピーエンドだったけれど、もがいてもがいて苦しんだ後に、誰かが差し伸べてくれた手をとったら案外うまくいくかもよ、そんな素敵なメッセージが込められている。

題名のフランシス・ハは自立してもなお残る彼女らしさを表した素敵なタイトル。

★★


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