誕生日
8年前、私の息子がこの世に誕生した。
予定帝王切開で産まれた息子は、産声を上げなかった。
お腹を切られた私の横で、必死の蘇生活動が行われ、息子は一命をとりとめた。
しかし、仮死状態で産まれた息子は重度の障がいが残ってしまった。
脳へのダメージは大きく、主治医からは「この子は、一生誰かに面倒を見てもらわないと生きていけません。」と言われた。
障がいのある息子。一生自立できない息子。
産まれたばかりの息子を抱え、毎晩泣きながら過ごした。
8年後…
「はぁ~ん♡今日も最高に可愛い!」
「え~!めっちゃイケメンなんですけどぉ!」
「こんな可愛い子他にいなくない?世界一じゃない?」
「うちの子最高。からの最強。」
こんな具合に溺愛である。
障がい?それがどうした。
寝たきりなのにこんなに可愛いとかどうかしてる。
一生面倒見れるとか最高なんだが。
8年前、不安や悲しみに襲われ暗く塞ぎ込んでいた私に言ってあげたい。
大丈夫。なんせ可愛いから。なんか知らんけど色々なんとかなってるし。ってね。
きっとこの先も、色んなことて悩んで、色んなことが辛くなる。
でも息子は目の前で生きている。
なんだか本当に、それだけで充分な気がする。
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