事務所に入ったきっかけ

僕が初めて配信アプリを入れたのは、18歳の時だった。当時、センター試験を控えた僕は酷く不安に押し潰されそうになっていた。
誰かに応援してほしい……そんな時、ちょうどYouTubeでよく目にしていた“配信アプリ”の広告を思い出した。元々声優などにも興味があった僕は、配信アプリというものをこの機会に入れてみることにした。顔出しはしたくなかったので、ラジオ形式だったのが良かった。
僕はこの日から、配信アプリにのめり込んだ。推しの配信者も出来て、自分でも配信をしてみようと思った。初めて配信ボタンを押し、リスナーが入ってくるのを待つ。凄く緊張した。入ってきたは良いけど、何を話せば良いのだろう?そう思うと途端に怖くなり、すぐに配信を閉じてしまった。
これを2、3回繰り返した頃、とうとう最初のリスナーさんが入ってきた。緊張しながら挨拶をすると、リスナーさんからも挨拶のコメントが返ってきた。凄く優しくて、嬉しかった。

月日が経ち、気づけば僕は4年間も配信アプリを利用していた。この間に様々なアプリを経由して、たくさんのリスナーさんや推しが出来た。だが、最近では……僕は配信者というより、リスナーとして利用することが多くなった。コラボにはよく参加していたが、自分で配信をすることはほとんどなくなってしまった。それは何故か。配信者としての楽しみ方を見失ってしまったからだ。
配信はリスナーがいなければ成り立たない。この頃にはもう、ほとんどリスナーが来なくなっていた。僕はお喋りが大好きで、よくマシンガントークなんて言われているが、配信ではそれが上手く発揮出来なかった。目の前に人がいない状態で、ひたすら話し続けるのはかなり大変だ。普段人と会っている時は永遠に話せるくらいは話題が尽きないのに…

僕は一時期、ふと思い立って配信アプリを辞めようと思ったことがある。当時のフォロワー数はもうすぐ500人に達しようとしていた。だが、配信をしてもほとんど人が来ない。これだけのフォロワー数がいれば常にリスナーが2桁超えていてもおかしくないはずなのにと、非常に苦しい気持ちでいっぱいだった。その時気づいてしまったんだ。フォロワー数はただの数字でしかないことに。
そして僕は、配信アプリとアカウントを消した。よく卒業という形をとって配信をする人などがいたが、この時の僕はそれすらもどうでも良くなっていた。リスナーを信じることが出来なくなっていたんだ。
でも、僕はたった2日でまたアプリをインストールしていた。今でも笑いそうになる。僕は配信アプリを辞めたつもりでいた。でも、辞められなかったんだ。僕がいくら目を背けようとしても、身体が欲してしまっていた。僕にとって、配信アプリはなくてはならないものになっていたんだ。

さて、前置きが長くなってしまったがそろそろ本題に入ろう。僕が事務所に入った理由、それは、配信者として本気で活動して僕自身を変えたいと思ったから。そして、僕が今まで配信者の方々にしてもらったように、今度は僕が皆を笑顔に出来るような配信者を目指したいと思ったからです。配信者歴自体はそれなりに経っているが、配信者としての活動は曖昧だった僕。もちろん初めは単なる趣味で始めたから特に目標とかがあった訳では無かった。でも、僕は、人生に一度でいいから、なにか一つの事に真剣に取り組み、目標を達成するという成功体験をしたい。これといって人に自慢出来るような特技はないけど、それでも僕が良いと言ってくれる人達がいる。その人達のために、僕はIRIAMという新しい場所で再び配信者として上を目指したいんだ。だから、皆が楽しんでもらえるように全力で頑張るね。

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