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オンライン授業の可能性

先日、息子が通う高校でオンライン授業が行われたそうです。おそらく今後感染拡大したときに備えての試行なのでしょう、教師の自宅から授業を行ったようでした。
若干、音声が聞き取りづらいなどの問題があったらしいですが、マイクの位置が悪かっただけのようで、オンラインに適したヘッドマイクなどを導入することで改善可能と思われました。

この話を聞いてすぐ思ったのは、今回は教師1人につき1クラスでの授業でしたが「これって普通科、全クラス同時に受講が可能だよね」と言う事です。
息子の高校だと普通科5クラスありますが、オンラインだと一度に150人以上の生徒が同時に授業を視聴することが可能です。

その次に気づいたのが「だったら、より教えるのが上手な先生が教えるのがいいよね」と言う事です。何人かいる中でも指導力に優れた教師による授業を受けることが出来ることは、生徒全体の理解度や習得度をアップさせるためにもとても有効だと思いました。

さらに気づいたのがクラスごとの進捗状況が変わらないというメリットです。現在、例えば国語だとすると5クラスで3名ぐらいの教師が分担して教えているそうですが、その場合、教師によって教え方はもちろんのこと、テキストの進み具合も各自異なります。定期考査では、テスト範囲は示されているもののクラスごとに授業の進捗状況が異なるため、授業の進みが遅いクラスは範囲の最後まで終えられず「各自読んでおいて」という状況になり(その状況自体、本当は問題ですけど、小中学校のときもよくありました)テストにおいて不利だったそうです。そういった本人の資質によらないテスト結果の差というものも減らすことが出来るのは公平でいいと思います。

あと、これは生徒にとって嬉しくないことかもしれませんが、オンラインで教える教師が別にいることで、例えば学年担任や主任等の手が空いた教師が各クラスに常駐し(または巡回)し、黒板に板書しながらでは難しかった「きめ細やかな指導」が可能になります。
このきめ細やかな指導というのは、要するに授業中に寝ていたり、スマホを見ていたりして授業に集中できていない生徒等をチェックし、集中して授業を受けさせられる、という点です。
(ただし、これについては賛否があるでしょう。私は個人的には勉強したくない生徒やサボりたい生徒に無理やり勉強させる必要はない、と思っているタイプです。勉強は苦手だけど、就職のため、高卒の経歴だけ欲しいという生徒もいるだろうし、条件によっては、それでもいいのではないかと思っています。)

またオンラインで授業を受けられるというメリットとして、不登校生徒や病欠などの生徒も自宅で受講できるという点もあります。出席している生徒と同じ授業を同じ進捗状況で受けることで、登校できない原因が解消したあとの復学もスムーズになることが期待できます。
部活動などで公欠の場合なども授業の遅れが心配になるところですが、動画をアーカイブスに保存しておくことで授業に追いつくことができて、部活動と勉強の両立もより叶えられるでしょう。
 
教師の側にもメリットはあります。生徒と直接会う機会が減ることで、学習指導が上手だけれども、繊細な教師が心の病気などで休職するケースを減らすことも出来ると思います。
また板書と違い多彩な資料を作成、活用することが可能なので、パワーポイントなどを用いた図表を使っての分かりやすい授業が可能になると思います。
授業データをクラウド等に保存することで自宅でも参照することが可能になるため、生徒もノートを取る必要がなくなって、より授業内容に集中できると思います。(もちろん書くことで覚えやすいならノートを取ることも可能です)

このようにオンライン授業には生徒側にはメリットがいっぱいあると思います。将来的には登校しなくても勉強できるようになり、不登校という問題自体がなくなるかもしれません。
いろいろな問題を抱えているため自宅で勉強したい生徒や、家では集中できないし、友人とも会いたいから学校に来たい生徒、賢いから授業は倍速で聴いて、その他の時間は本を読んだりして自分の興味がある分野を学びたい生徒、それぞれが自由なスタイルで学べることで「勉強」のイメージが変わると思います。
また以前から私は公立小中学校でも習得度に応じたクラス分けをすることが勉強の得意な子にも苦手な子にも双方にメリットがあると思っていますが、このようなクラス分けもオンラインなら抵抗感が少ないのではないでしょうか。

ここまでオンラインでのメリットばかり書いてきましたが、デメリットは主に教師側です。最初に書いたように一人の先生で大勢の生徒を教えることが出来るため、将来的には教師がそれほど必要なくなり募集人数も減っていく可能性があります。
また、オンラインでの授業内容を広く共有できるようになるため、研究授業も不要になります。アーカイブに保存された動画を視聴することでいつでも授業の様子を見ることが可能になるからです。しかし、そのように動画を共有できることで、教師それぞれの学習指導力やプレゼン力が顕著になります。結果、「授業が上手な教師」が選別されることになりそうです。
また、オンライン授業では声の調子、話し方、資料の作成の仕方などユーチューバー同様、発信力が求められる時代になると思います。(もしかしたらオンライン時代には教師向けに活舌や発声を良くする話し方講座や生徒向けのスライドを作成する講座が流行るかもしれません。)
このように教師がそれぞれ技能を高め、切磋琢磨させるためにも今までのように一律ではなく、授業が上手な教諭には成果(報酬)を増やしていかないといけないと思います。これは人数を減らした財源で十分可能かなと思います。
教える技能をアップさせるためには放課後の時間外労働を減らすことが重要になる気がします。生徒に新しい価値を提供するためには教師自身のインプットの時間が大切だからです。今よりも、そんな考え方が尊重されるようになっていくと思います。

デメリットと書きましたが、総合的に考えると教材の研究、話し方や資料の作成など大変になりつつも、能力とやる気があれば評価されるやりがいのある仕事になっていくのではないかな?と思います。

オンライン授業、と聞いただけで妄想が広がってしまいましたが、やる気さえあればすぐに実現可能なことが多い気がします。

息子が将来結婚し、その子どもが学校に入学する頃には、その子たちは肩が外れそうな重いランドセルを背負うこともなく、カバンには筆記用具にタブレットで軽やかに通学できて、体調が悪い日は無理をしないで自宅学習も可能で、好きな分野はとことんいろんな動画を視聴できて「学校って楽しい、学ぶって面白い」っていう時代になればいいなぁと未来のばあばは思うのでした。


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