外から見たら普通の人なのに、階段降りる、鉄棒にぶら下がる、1メートル向こうのごみ箱にごみを投入する、いずれもできない小学生だった。おとなになっても、屈伸体操してひっくり返る壊れた人形みたいな人だった。それでも、海に潜りたかった。10年計画で泳ぎを覚え、スクーバのインストラクターさんに「こんな危ない人ですが、リスク冒してダイビング教えてくれますか」と持ち掛けた。「任せてください、危ない人はいっぱいいます」でも、私の話は大袈裟なのだと思われたらしい。船端にいながら本気でおぼれかけたときは絶句してた。ダイビングをなんとかより、事故ってインストラクターさんを失職させてはならないことに必死だった。とてもそんな風には見えなかっただろうけど。あれから何十人ものガイドさんのお世話になった。一人も、私のせいで失職することがなかったことが、一番の幸運。快挙。なので。以下の写真。一般的には、初めて潜った日にこれくらいの海中写真は撮れるものだけど、400時間くらいかかっちゃったなんてなんてことないね。