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ジャックと豆の木 ?!

取材地は、森町大久保。地元の長老、小田さんのお話。

自然はね、切りも果てもなく面白いもんで、少しちょっといたずらする山があると、そん中でいたずらしたり、木へ接木をしたり、挿し木をしたり、いろいろあるよ。
俺、今ちょっとキューイ、作ってやってるだんね、これ家のね、一応全部、舶来だでね。ニュージーランドから直接来たもの。みんな知らんだぇ。
40年前。これんね、キューイっちゅうのを覚えてさぁ、味がこんな風だで、いっぺん(自分で育てて)食べたいなぁ、ほいで落葉だっちゅうもんで。ここ寒いけども、葉のあるものは寒さにやられるけど、落葉樹なら耐えるもんで。日本列島全部。ほいで俺もやってみんだと思って農協行っただ。
「農協さん、キューイっちゅうのーはね、あるか?本から、いろいろ出てるでね、苗ないかねぇ?」つったら「農協では取り扱っていません」だって。農協、無えって言うだ。ほんで俺、今みたいに携帯がある訳じゃないし、ただ電話もこういう家の電話だけだもんで、なんせハガキで、方々へ日本中の種苗会社に連絡してさ、そいで最後に見つけた。広島で。
「キューイは苗はやってますけど、まだたくさんじゃないで、今年のやつはもう出荷が終わっちゃったで無いで、どうしても欲しいということなら、現地へ問い合わせますよ」っちゅうもんでさぁ、「ほいじゃ、いいで、構わんで、そうしておくれ」って。ニュージランドから。芽が出てから植えたじゃ絶対、苗モノは枯れちゃうもんで。それで5月の末だもんで、ニュージーランドから送ってよこいたじゃん。南半球から。向こうは冬だもんで、葉が落ちちゃって枯れ木みたいなもんじゃん。
それを植えてね、そこで俺はすごい体験をしただんね、これっくらいの苗だよ、一本植えて、一日にここまで芽が伸びちゃったに!2日目で2メーター近くまで行っちゃった!その成長見てさ、おっかさとさぁ、「おー前、ひょうきんもないもんだに見てみよ、この成長を!こんな具合で行くとね、よく話がある“ジャックと豆の木”じゃないがね、天まで登れるよ」って言っただよ、俺。で、3日目で普通にとまっちゃってね、ここらのキューイの苗、5月の状態となってね、それからはこれくらい伸びただけ。その2日間!いきなり真冬からねー、この土用の暑さになっちゃったもんで、伸びた!あんな驚いたのなかったね。あんなにね、極端なのは初めて見た!
それから全部接木をして増やいちゃった。

2019年2月15日 小田さん談

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