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ただただ感謝しかなかったこと

今取り組んでいるお仕事で「金曜日の午前中に実演をする。」って確か言っていたよなって思い返して、(でもMQTTのエンドポイントに繋がらないから、調査中だったよな。)って状況も思い返して、(でもメーカーの方たち次回リモートだから、どうやって実演するのかな?)って思って

「どうしますか?次回にしますか?」

って訊ねたのが水曜日の18時をちょっと過ぎた頃。別件の調整をしながら、(ぜってーおわんねー。)とか思いながら、当件の資料の仕上げに取り掛かっていると、エキスパートマネージャーから

「実演はやる。」

との回答がTeamsのチャットに表示される。時刻は18時10分。
メーカーさんでもこちらがお願いした条件で動かすことができるか検証してもらっていて、TCPではエンドポイントまで接続できたけれど、それでは複数台のデバイスに対応できないので、MQTTでエンドポイントへの接続を試みた結果、うんとも、すんとも言わない事象が発生。

TCPで繋いでもらえば繋がる絵は見せられるけれど、実測値をまだ一度も確認したことがないので、実測値を送信してもらえるように調整すれば、送信してもらった内容を手元のコンソールで表示して見せることで実演はできる。この調整が一番現実的。

でも、続けて送られてきたメッセージは

「検証機うごく?」

メーカーさんがご好意で少ないストックの中からほぼ私個人に向けて貸与してくださった検証機が水曜日の午前中に届いていた。この週末の3日連休でゆっくり検証しようと内容物を確認していて、10pinのコネクタで分割された先はRS232Cのメス。このままではパソコンに物理的に繋がらないので、帰宅してからamazonでRS232CからUSBタイプAに変換できるケーブルを注文しようかなと思っていたもの。

『検証機うごく?』は
『動かない状態なら実演では使わなくていいよ。』ではなくて
『動くようにして、実演で使えるようにしておけ。』という意味。

なので実演で使えるようにするためには何が足りなくて、どう対応し、期限を決めて随時報告。期限の状態を以て最終判断を仰ぐとを返信。
・デバイスを物理的にパソコンへ接続するための『RS232CからUSBタイプAに変換できるケーブル』が必要。
⇒帰りにヨドバシカメラで調達して解消する。
・デバイスへコンフィグを書き込むための専用ソフトウェアが必要。
⇒検証機が届きお礼の連絡をした際、追ってマニュアル一式とソフトウェアをクラウドストレージに置いて連絡しするとのお話をいただいていたため、メールですぐ使いたい旨の連絡(演技)。『ソフトウェア(メーカ供給品)が検証に必要な旨連絡しました。』
・木曜日の15時に状況を報告。最終判断を仰ぐ。

でも、最終判断を仰ぐためには、メーカーさんが検証している内容を実演できるように、準備しておいてもらえるようにお願いしておかないといけない。でもこういう代替計画は表には出したくない。

ここまで来てしまうと、へらへら(ぜってーおわんねー)から、(絶対にできる。必ず誰かが助けてくれる。)って真剣に木曜日の15時に自身が「手元の検証機で実演できます。」と報告できるためにはと行動するようにした。『覚悟を決める』ってやつなのかな。

説明資料は打ち合わせの尺に合わせて複数に跨るページを統合できるような表現の変更や、今回はやっぱり議題から外そうとした内容の削除などのお願いがあったけれど、翌日木曜日の対応でいいことになり業務を終えたのが20時30分頃。

そこから環状線で梅田まで行き、この辺りでは一番遅くまで営業してるヨドバシカメラで『RS232CからUSBタイプAに変換できるケーブル』を探す。同僚が一緒についてきてくれたのも嬉しかったし、商品整理していた店員さんが一緒になって探してくれたのも嬉しかった。結局店員さんの教えてくれた棚にはなかったけれど、ネットワーク機器のコーナーで発見し無事入手したことで『できないことにする理由』を一つ解消。

翌朝(木曜日)、社用パソコンは制約が多いので、個人の検証用ノートパソコンに環境をつくることにして、環境ができ次第リモートワークから出社して作業をしようと準備。いつもよりも30分早く社用パソコンを立ち上げると、それよりもさらに30分早く、メーカの方からメールで「マニュアルとソフトウェアをクラウドストレージに格納したよ。」という連絡が来ていました。

マニュアルを読みながら、ソフトウェアを動かすのに必要なJavaのJDKも使って環境を構築。その間にも別件の問い合わせに対して検証をした結果を連絡したり、同僚のお困りごとを聞いたり。(自身もそんな対応していられるような状況じゃないんだけどな)って思い始めたら、間髪入れずに(絶対にできる。必ず誰かが助けてくれる。)を口に出して言うようにしました。

個人の検証用ノートパソコンに環境を作ると、自宅からのリモートワークより職場で作業した方が、検証するにも環境がいいと判断。11時少し前に家を出て電車を乗り継いで職場に到着のが12時過ぎ。昼休みなんて取る余裕なんかないので、そのままマニュアルを読み続けて検証機に設定を入れよとしたのだけど、500ページ以上あるソフトウェアのマニュアルを読んでいる時間は流石にない。メーカーのご担当者にお願いして、最短距離で設定の入れ方を教えていただこうと考えて、別件の対応や調整をしながら先方の昼休みが終わるであろう13時を待つ。

その間に、前日エキスパートマネージャーから修正箇所の指摘を受けていた箇所を、本件の担当の営業の方が修正してくれていて「最終確認だけしておいてください。」と連絡をくださっていた。有難いとしか言いようがないし、こんな風に何も言わずに助けてくれる方には初めてお会いしたような気がする。

13時になり電話でをすると、すぐに話を聞いてくれて、画面を見ながらやろうということになり、Teamsで画面を共有。当然私物のパソコンは社内のネットワークには繋げないのでテザリングを使用。

ソフトウェアの基本的な使い方から、コンソール画面の使い方、ファームウェアの更新の仕方、制御プログラムの読み込ませ方などを一通り教えてくださり、検証機に残っている設定を初期化して、今回必要な設定に書き換えようとしたのだけど、こちらからのコマンドを受け付けない。コンソールの内容はずっとリブートを繰り返すばかり。

「少し待っていてください。」と、メーカのご担当者のマイクがミュートになって、少したってマイクがオンになると「電圧が足りていないかも。どう繋いでいますか?」と確認されたので、送っていただいた検証機に同梱されていた機器を使って
・RS232CをシリアルからUSB変換ケーブル経由でノートパソコンに接続
・黒、赤の線の先を電源アダプタに接続、タップから給電
と状況を共有すると「電源アダプタの電圧と電流が判りますか?」と確認されたので、電源アダプタの電圧と電流を読み上げる。

「それかな。」

電源アダプタを外して、コネクタの形状を見ると業務用ノートパソコンのアダプタと内径の作りが同じだったので
・形状が合うこと
・電圧と電流が同梱されていた電源アダプタと近しいこと
を伝えて、差し替えるとリブートが止まり、タイトルと値(未取得)を表示しだした。その後、操作を指南いただきながら検証機を工場出荷時の状態にして、事前に共有いただいてたFarmwareとコンフィグプログラムを流し込むと、今回必要としている検証用の動きをし始めた。ご担当者の方も状況を確認して「これで大丈夫です。引き続きよろしくお願いします。」と。一時間以上御指南いただいて、この去り際はあまりにも格好良すぎる。もちろんお礼はしたけれど、引き続きお願いしないといけないのは当方であるのに。

この正常動作の確認ができたのが15時丁度。最終の判断を仰ぐために期限とした時間。すぐに正常動作を確認したことを報告して、この検証機を使ってデータ収集。Cold Startから23分経ってようやくデータを収集し始めた。23分はかかりすぎではあったが、コンフィグも正常に動いていて、データも所定の周期で収集、クラウド上へのデータ正常に送信に行えていることを確認。データの内容については、笑ってしまうよな誤差はあるものの、許容範囲ということになった。

そして16時の時点で「これを使おう。」ということになった。

金曜日の実演は、結局実演の時間がなくなり、少しクラウド側のコンソール画面をみせられたことと、現時点でここまで準備ができている旨の報告だけになってしまったけれど、この準備を支えてくれたメーカのご担当者、同僚だけでなくて、検証機をこの期間に届けてくれた運送会社、普通に電車を時刻通り走らせてくれて自身が職場に行けるようにしてくれた鉄道会社、この時間を自身と共有したすべての人たち、動植物、目に見えない存在、こうなるように働いた力、ただただ感謝しかない。

この不可能に思えた工程、その間にどう判断して、どんな予防線を引いたかは自身にしか判らないけれど、それを可能にして成し遂げられたことで得られたものは計り知れない。時間が止まったようにすべてが進んでくれました。

絶対にできる。
必ず誰かが助けてくれる。

そう思えば、達成できます。

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