カウンターの勉強少女
近所にあるパスタ屋さん。
ランチに2回行ったが、パスタの種類は豊富だし安い上に、量もしっかりあって好きなお店だ。
でも、もっと好きなところがある。それは高校生がカウンターの端っこで勉強しているところだ。夫婦で切り盛りされていて、その子どもがいつも勉強している。
それも真剣に。
お店によっては子どもがいることもたまに見かける。
家のお留守番が大変だからとカウンターでYouTubeを見ながら座って待っていたり、早めのご飯を食べていたり。逆にがっつり手伝いをしているお店もある。それも微笑ましくていいが、お父さんお母さんが働いている前で真剣に勉強する姿は心を打たれる。
私は高校生のとき、母の前で勉強するのが恥ずかしかった。「あまり勉強せずに成績がいい」ことを良しとされていたので、いつもコソコソ勉強していた。
知らない間にやってる、が褒められたものだ。そんな私はカウンターの少女のように、親の前で堂々と勉強はあまりできなかった。
少女はきっと部屋に戻ると勉強できる場所はあるはずだ。でも、たくさんの参考書や問題集、そして今どきのタブレットをかばんに入れて持って降りて、今日はこれをやろうと「でん!」と広げて勉強にのめり込む姿にちょびっと感動する。
頑張りたいことを親の前でしっかりやれること。これは親のことを信頼している証だ。きっと少女もこのこのお店と共に人生を歩んできたのだ。お客さんがいても、すごい集中力を発揮する。
そして、お店が回らなくなってきたらスッとテーブルのお皿を片付けることも欠かさない。どの動きも家族が一体となり、それぞれが今のベストを尽くしている。私にはそれがキラキラ光って見える。
また行こう。そして自分の家族と少女の家族を比べながら舌鼓を打とう。
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