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他人は私を見ているけれど他人は私を見ていない(ポジティブ)

子供の頃から顔の造形が悪いと思い悩み、メイクに手を出す年齢になっても圧倒的なセンスのなさに打ちひしがれ、それに対して努力をするという才能もなく、アラがサーからフォーになった今でもできる限り写真を避けて生きています。

特に学生時代は音楽をやりたかったこともあり、「顔が悪いだけでマイナス100億点、歌をがんばっても何もうまくいかない」なんて思っていた時期もありました。

その気持ちをきれいさっぱり払拭してくれた出来事をふと思い出したので書き残しておきます。


20歳そこそこの頃、とある同人誌即売会、小さな小さなオンリーイベントで友達のスペースの売り子をしていた時のこと。

ジャンルが男性向けゲームということもあり、会場にいた女性は自分とスタッフさん1人しかいなかったと思います。
スタッフさんは白い体操着に赤いブルマという格好だったので、なにかのキャラのコスプレだったのかもしれません。
裏に表に、忙しそうに駆け回っておられました。

有名なサークルというわけでもなく、その日は確かジャンル違いのコピー本が新刊という謎の状況で立ち寄ってくれる人もほとんどなく、人の流れもなんとなくわかってきたタイミングで、少々席を外し、

巫女さんの衣装に着替えてきました。

お店で売っているコスプレ用の衣装ではなく、舞台演劇をやっている別の友達から借りた、本物ではないですがしっかりした素材の衣装でした。
顔は化粧するでもなくさっきまでと同じ。
髪型も適当で、綾波レイというか、黒髪だったので碇ユイの髪が伸び切った感じだったような…。

ただ、同じくらいの髪の長さで巫女さんをやっているキャラがいたので、本当に興味本位で巫女衣装を持っている人がいないか周りに聞いてみたら、ありがたいことに快く貸してくれた人がいたのでした。

スペースに戻ったところ、人の流れが変わり、なんと数人の列ができました。
「やっぱ人を呼ぶには目立つのが大事だなー」「あくまで巫女さんであってあのキャラのコスプレとは言えないのが心苦しいなー」なんて思いながら普通に売り子をしていたのですが、

ある人に言われました。

「巫女さん、さっきまでいなかったですよね!?」

握手を求められました。
一生に一度きり、自分が握手会で握手する側のアイドルになりました。

さっきまでもいたんですけどね!!!

その出来事は「メンズは首から下しか見ていない」という教訓として若かりし私の胸に刻み込まれ、顔が悪いのは事実とは思いつつも、そこまで思いつめずに生きてこられたのであります。

今思うと、その人がたまたま首から下にしか興味がなかったのであって、顔にしか興味がない人がいてもおかしくはないし、逆に外見に一切興味がなく他の部分で他人を記憶している人もいるかもしれません。

自分に何か欠点があったとしても、そこを重視している人は意外と多くないのかもしれない、特に顔なんか一切見ていない人もけっこういるんじゃないかと。


そのあたりで調子に乗った私は、人生で一度だけ、ブログで自撮りの顔写真を上げたことがあります。
顔が縦長なのをなんかこううまいこと手で隠して、カメラ目線じゃなくどこかを見てる感じで。
黒髪赤リップで、当時は思ってなかったけど、今考えると野宮真貴さん風味を気取った写真でございました。

すると、当時歌わせていただいていたサークルさんから連絡がありました。

「先に顔を見てしまうと、曲を聴いてくれなくなる方もいると思うので、顔は出さないでください」
「歌を聴いて良いと思ってくれた方は、どんな顔でも良いと思ってくれますから」

すみませんでした!!!!!!!!!!!!!!!!

重視する箇所は人それぞれというのであれば、なるべくマイナスを消すところから入るというのは正論でございます。

自分の長所はうまく使い、短所はいい感じにごまかしていきましょう。
自分の短所が重視ポイントだった人とは仲良くなれないのは仕方ない。
自分の長所を重視ポイントだと思ってくれる人だって絶対いるはずなのです!!!

それではおやすみなさい。

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