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すべての子どもと親に安心して学べる居場所を

自己紹介

はじめまして。横須賀咲紀(よこすかさき)と申します。
現在、宇都宮市にて最年少市議会議員として活動しています。

これから、日頃の活動や宇都宮市政、議会の動向などについて発信していきたいと思います。
よろしければご一読いただけますと幸いです。

さて、先に行われました6月定例会において一般質問を行いました。
一般質問とは、施策の状況や方針について、説明を求めたり質問を行うものです。
↓こちらで録画配信していますので、ぜひご覧ください。


宇都宮市の不登校児童生徒の現状

今回の一般質問の中で、不登校支援について質問しました。
不登校は全国的にも増加の一途をたどっており、本市も例外ではありません。
宇都宮市では、小中学校合わせて1,420名の児童生徒が不登校状態にあり、なんとこの1年で294人増加しています。衝撃的な数字です。

不登校="悪"ではない

ここで気を付けたいのが不登校に対する考え方です。
ひと昔前は「登校拒否」として扱われ、学校に来ないことを甘えだと否定されていました。

しかし、不登校は甘えではありません。
学校や環境に馴染めなかった場合、学校に行きたくないと思うのは自然な感情です。
他にも、家庭環境、人間関係、学力不振、病気など、一人ひとりが多様な背景を抱えています。
まずは子どもたちを受け入れ、不登校でもいいのだと認めることが大切です。
焦らずに、子どもたちのペースで適切な支援につなげていきましょう。

宇都宮市の不登校支援

本市の不登校児童生徒の支援には次のようなものがあります。
それぞれが子どもたちの状態に合わせた特色をもっています。

①適応支援教室「とらいあんぐる」

宇都宮市の教育センター内にある適応支援教室です。

【対象】
個別の相談を行いつつ、学校復帰や「まちかどの学校」の利用など今後の自分について考えたい児童生徒が対象です。また、教室の利用にあたっては他の児童生徒と同室できることが前提となっています。

【教室の特色】
児童生徒本人や保護者との継続的な教育相談を行い、不登校状態の改善を図ります。
また、相談と並行して当面の居場所を提供したり、状況に応じてマイプラン(自分で取り組める活動)やスポーツを実施します。状態によっては、集団生活に挑戦する機会として合同行事への参加を促します。

【過ごし方】
本人の希望を聞きながら、無理のない形での通級を行います。
もちろん、利用時間を増やすことも可能です。

②適応支援教室「まちかどの学校」

宇都宮市の戸祭台にある適応支援教室。
教室型のとらいあんぐると比べ、個別での支援を行います。

【対象】
緊張が強く、個別の活動から始めたい児童生徒が対象となります。子どもたちペースに合わせて、少しづつ活動を広げていきます。

【教室の特色】
通級開始直後や不安が強い場合などは、担当者やボランティアとの1対1の活動を行います。
不安や緊張が和らいだり、気持ちが安定してエネルギーが高まってきたことがうかがえる場合は、ゼミ活動を実施します。これは、ボランティアの趣味や特技を生かした活動のことです。様々なメニューの中から、本人の状況や興味・関心などに応じた活動が選択できます。
また、集団活動や個別の活動プログラム、遠足や社会科見学などの行事、体験活動の場も設けています。

【過ごし方】
とらいあんぐると同様に、児童生徒本人と担当教諭が相談し通所時間や活動を決めます。

③相談学級(自閉症・情緒障害特別支援学級)

こちらは簗瀬小学校と旭中学校(7/1現在 4学級)現在の校内に設置されている相談学級です。
原籍校から転校して通学することになります。

【対象】
時間をかけて、着実に自信をつけたい児童生徒や、通常の学級への復帰を目指したい児童生徒が対象です。小集団での活動に参加できる見込みがあることが前提であり、教育センターから入級が適当と判断される必要があります。

【学級の特色】
学校内設置のメリットを生かし、校内の施設・設備や教材の使用が可能です。学校生活のリズムを取り戻すこともできます。
また、生徒と担当者の信頼関係を築いたうえで、段階的に小集団活動へ移行していきます。
適応状態に応じた復帰ができることも特色の一つです。

【過ごし方】
教室・担任になれることを目標に支援していきます。安定して登校できるようになったら、児童生徒・保護者と相談しながら、少しづつ過ごす時間や活動内容の幅を広げて、交流学級や一日活動、行事への参加にも挑戦していきます。

④U@りんくす

メタバースを活用したオンラインの居場所です。
すべての活動は子どもたちの「自己決定」を大切にして、自分のペース、興味関心のもとに進めていきます。

宇都宮市教育センターホームページから引用

以上の4つが本市の主な支援となります。子どもたちの状態と想いに寄り添える、多様な支援体制が整備されていると思いました。

本市の不登校支援の課題

一方で、いくつかの課題もあります。

ひとつは、中心地に多くの施設が設置されているため、郊外に住む方にとっては利用に負担があることです。
さらに、親御さんへの心理的、金銭的な支援がないこと、不登校の未然防止のための取組が弱いこと、教職員の不登校に対する意識改革なども進めていく必要があります。

また、行政の支援では行き届かない方の為に、フリースクールや親の会などの民間による支援があります。
しかし、家庭に対する利用補助や団体に対する運営補助がありません。
民間のフリースクールを利用しているご家庭の負担は、平均で月3万円といわれています。また事業所は、自主財源や寄付などで運営しており、ほとんどはボランティアによる活動となっています。

民間だからこそ提供できる支援があり、救われている子どもや親が多くいます。行政だけでは解決できていない現状があるため、さらなる連携の強化と補助の拡充が必要です。引き続き、強く要望してまいります。

最後に、いま不登校のみなさんへ

今のあなたに安心できる居場所があることを祈っています。
辛いときは周りを頼ってください。
あなたの周りには、助けになってくれる人が大勢います。

不登校になっても大丈夫です。
これから先の未来を生きるための充電期間を、どうぞ大事にしてくださいね。

宇都宮市教育センターのホームページはこちらから。


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