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令和の時代の、新しいセクシャリティ

令和の時代が始まった。平成最後の夜は家族で一番食べたお鍋を丁寧に作って、結婚式で飲んだ五人娘というお酒を静かに飲んだ。今日5/1、新しいこの時代の始まり。朝7時に八幡神社にお参りに行って、お祈りで手を合わせたら、想像以上の感謝がこみ上げた。平成の平和な時代と、天皇皇后、そして全てを与えてくださった先に生きた人々や家族への。そして、この令和の時代を本当によくするために、心を尽くすことを神様に誓った。

新しい時代、でも私の心の中には色濃く続く、平成の余韻がある。それがTOKYO RAINBOW PRIDEだ。私たちは、レインボーに染まるこのお祭りの最中、真っ白いベールに包まれたステージを作った。相も変わらず、私たちはこの7年間と同様、ここでも結婚式を作った。何もない真っ白のステージ。飾りもつけず、ドレスも着ず、ただ二人がステージに立ち、今日を特別な日として覚悟を決めて、ありったけの勇気で等身大の思いを伝え合う。それだけで、結婚式。いや、それこそが結婚式だ、そんなメッセージを伝えるブースだった。

中と外を曖昧にぼかすこの一枚のベールをまとった、ステージ。誓いを立てるその二人を、顔や見た目ではなく、存在として感じてほしい。ぼんやりとうつるシルエットに男女や肩書き・年齢も関係なく、目ではなく心で、ただその存在に思いを傾けられる空間。二人にとっては、周りにいる人もうっすら見えるけど、二人きりを感じられる空間。そんな哲学から生まれた、今目の前にいる人への思いをさらけだし、承認しあえる、美しく優しいクリエイティブだった。これを作った後輩のその子への尊敬の念が溢れ、改めて感心した当日。そこで10組以上の人たちが、互いへの思いを手紙にして読みあうという、誓いを立てた。

もう、なんと表現すれば良いのだろう、この気持ちを。何でもない日が生涯忘れられない日になる。そこには何もいらなくて、ここが特別な場所になると信じている私たちと、互いを思い準備をした二人がいればその場は生まれる。ずっと幸せで、なんかため息が出てしまう。ずっとこの余韻に浸っていたい。その人が、裸で、愛をさけべる。それを同じ人間として、祝える。その、尊さ。ありがたさ。これが世界であってほしい、と何度会期中に思ったことか。

手をつないで外を歩けば、聞こえるように「レズ!」と叫ばれて、いけないことをしているのだと思ってしまう。相手への気持ちよりも、周囲の反応に影響を受けてきた私を、あなたは変えてくれた。

初めて同性と付き合うことで、批判され、親に否定されている相手を見た時、自分が好きになることで、大切な人を不幸にしていると悩んだけど、それを自分が超えて、一緒にいる以上は共に幸せになるのだと覚悟を決めて今、ここに立っている。

自分が同性を好きなことで、仕事で迷惑をかけると思って、自分を殺してそうではないふりをし続けた。その時、出会って間もない友達が「気にしているのは自分だけじゃん!私たちは気にしてない」と一掃してくれた。自分が一番、自分を差別していた。

一生一緒にいるなんて無責任なことは誓えないけど、あなたによって変化した、自分を好きになれたこの自分で生きていくことをあなたに今、誓います。

このブースに立って、自分のことを話してくれる人と、私たちは何も変わらないと言ってしまえばそうだけど、何も変わらないわけではない。ただ好きになった人が同性なだけで、自分の性が体と一致しないことで、多くの批判も非難も、不都合も具体的にある。そのことをみんなの本音の中で、強く感じた。でも、だからこそたくさんの葛藤があって、悩んで、多くのものを超えて一緒にいる二人は、強くて深くて、心底優しかった

概念や言葉では理解できない人や、賛同できない人もいるのかもしれない。でも、その人が等身大の自分をさらけ出し、弱さも怖さ不安も超えて、相手に思いを伝える時、そこにある「それでもあなたを愛する希望」は、どんな人間にも等しく、ただただ眩しいのだと知った。そして、その愛に触れたら、誰かの愛情によって生まれてきたすべての人は、そこに屈するしかない。

今回のような活動をリスペクトをする私は、この心優しく美しい人たちのために、私の限りある時間と命を、目の前のこの事業にやっぱりかけようと覚悟を新たにした。なぜなら、応援する活動ではなくこの事業こそが、人間が人間らしく生きられる未来に最も近い、ベストの回答だと信じて起業し、今日まで邁進してきたから。

今回結婚式を挙げてくれたのは、結婚式があげられないと思っていた人たち。両親も反対している、法律が支持してくれない、妊娠してしまってお金がない、など、結婚も・結婚式も縁がないと思っていた人たちが、勇気を出して立ち上がって、この機会を自分の人生で大切な節目となる1日にしてくれた。そして、それを見ている人が、自分たちもいつか、と思ってくれているようだ。見に来てくれた知人からのFacebookメッセージには、こう書かれていた。

素晴らしかった!隣にいたメンズカップルが頑張りたいね。と涙ぐみながら手を繋いで歩いて行かれましたー。泣けた!スーパーALLAYな会社としてもCRAZYの存在理由は大きいですね!

強く誓う。今回をスタートに、私たちができることで、彼らの人生をこれからも必ず祝っていこう、と。自分の人生を生きることにこんなにもひたむきに、勇気を持って前に進もうとしている彼らのことを、心に刻もう、と。個人的にも、今回絶対やりたいと思ったことが、このような結婚式をもっと提供することと、積極的に彼らにジョブオファーをすること。

偉大な彼らに、私がこの二日間でたくさん与えてもらったからこそ、結婚式を挙げられないと思っているすべての人に、結婚式を挙げられる機会を贈りたい。IWAI ONOTESANDOを作った原点のように、あなたは祝福されていると伝えたい。私たちに、できることを模索して、6月にRAINBOW WEEKを設定し、IWAIを解放して無料で多くの人に挙式をプレゼントすることにした。

一人でも多くの人にこの活動が、届きますようにと願いを込めて。もし、見てくれている・読んでくれている人で興味がある人は、こちらのLINE@に登録してもらえると、申し込みのフォームのURLが届きます。小さな勇気の先にある、大きな感動を見てきたから、勇気が足りない人も、私たちが背中を押します。そして、どんな小さなことでもLINE@でそのまま、ご相談いただけます。

法律はすぐには追いつかないかもしれないけど、私たちは人生を祝う場で、あなたの人生を肯定し、未来を誓える奇跡を一緒に作りたい、と願う。最後に、「優しい想像力を持って、受け入れあうことで、豊かな気持ちを広げていくこと」が、新しい時代のセクシャリティ、というか全ての違いとの付き合い方、なのではないかと思う。CRAZYという会社自体も進化したい。興味ある人はジョブオファーください。

(明日、先日のこのステージで声をかけてくれた、うちで働きたいという方と早速会います!)

素晴らしい機会に心からの感謝を。

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