五等分の花嫁の三玖というキャラを多角的に考察する

五等分の花嫁の三玖というキャラクター。実は作品の域を超えてものすごく出来が良いキャラになっているというのは三玖を知っている人の半分ぐらいは知っていると思う。
まあ、あまり言い方というのは良くないかもしれないが作品全体の流れを鑑みるにここまで三玖というキャラクターが素晴らしいキャラになったのは奇跡の産物なんだろうが、僕の性癖が公式が予想以上に人気出たキャラをメインキャラの当て馬にされるという業の深い性癖なので三玖もヒットしてしまったという訳だ。
まあ、もう一つあるとしてこの作品の表の主人公が三玖ならば裏の主人公は四葉だと思って、常に三玖が行動するときには裏で四葉が行動している…そういう事で前の記事だけではちょっと書き足りない部分があったので追記としてこうして書こうと思った。

ただ、一つ悲しいのが考察サイト等等を読んでも本当の意味で三玖というキャラに向き合った記事というのは物凄く少なく主にアフィ系のクソまとめではそんなのざっと見れば分かる程度の表面的な事、個人ブログはどうして三玖が負けてしまったかについての考察の二極で、ちゃんと三玖というキャラとこの作品のテーマ(と勝手に思っている)、その事を絡めて記事にしているものは驚くほど少なかった。というか筆者は見ていない。
まあ確かに二乃も五月もこの作品では魅力的なキャラになっているが二乃、五月ではダメな所も含めてどうして三玖√になると話の終着点が奇麗でここまで固執しているかをこの記事では、原作をざっと読んだ人にも理解できるように丁寧に記していこうと思う。
それでは、次の項から丁寧に、一巻から順々に書き記していく。

  • 出会い~夏祭りまで

まずはこのキャラのファーストインプレッションについて丁寧に書き記しそこから、夏祭りまでどうこのキャラが変化したかを丁寧に多角的に分析していこうと思う。
まあこのキャラ、ファーストインプレッションこそは最悪だった(これは四葉以外全員そう。ただ五月だけは当てはまらないから…まあ正直なところ最初から優しいのが四葉だったというのは何とも言えないが)が実は風太郎が四葉を除くと真っ先に目をかけたというポイントも見逃せない所である。
実はここ、何度も読み返すと味わいポイントになるんだが風太郎側は三玖と交流を図ろうとしていたのを四葉が邪魔をしている、というようにも見える辺り実はこの辺りから四葉の独占欲が垣間見えていた…。
戻るとして、三玖を真っ先に落とすという戦法に出たが幸か不幸か三玖は言葉の真意に気付けず(風太郎からすれば取り合えず勉強してくれればそれでよかった)、初めて認めてくれた人として風太郎に心を開くようになる。


これは僕の考えなんだが察するに、実は三玖は自己肯定感が異常に低いのではないかという考えがあって、というのも姉妹以外で三玖の事を褒めてくれたのは母親だけだったんじゃないか、という考えに僕は至った。恐らくだが三玖が人と余り交流をしないのもこう見えてメンタル弱者だから(仲良くなったらいつかは別れが来てしまう。それが親しい人だと特に)という理由だと筆者は思っているし三玖が踏み切れなかったのも結果的に失敗を恐れている、というよりは最大の理解者をもう一度失う可能性があったからなのではないか、というのを何度も読み返すうちに結論に至った。
四葉に断られた(この辺りはこの後詳しく)り、姉妹の中で取り柄が無かったり…中々不憫な子なのも相まってこんな感じの子になってしまうのは必然だったんじゃないだろうか。


話を戻して三玖攻略に向けて歴史の参考書を読み漁る風太郎。地味な点だがここで風太郎の事を何とも思っていない三玖が見られるのはここだけである。
終始風太郎に恋をしていた三玖だったが、実はそういうのを対象外の人には別に脱いでる処を見られてもどうも思わないという。地味なクール系女子の頃の三玖が見られる。
この後三玖という性格に向き合って自己肯定感を高めるという方針に出たが、それは結果的に成功して勉強に向き合わせることに成功する。
この時に四葉はこずるくて、三玖が恋愛面で見てるんじゃないかと思い早速行動に移っている。
終始風太郎を独占することに意識を回してる中々な女である。


この後、次の話で料理対決になるんだが個人的には三玖ってキャラはここで完全に落ちたんじゃないかと思っている。実際はどうなのかは知らないが深層心理ではこの時点だと、僕は思っている。
というのも人と関わらないうえに特徴が無い三玖をここまで褒めてくれるのは風太郎が初めてだったんじゃないかと思っているし、凄くうれしそうな表情をしていたのがそうなんじゃないかと思う決めてである。
この後はまあ、日常回が続いて特に三玖ってキャラが主体になる訳ではないが次の見せ場は恐らく夏祭りだろう。
この夏祭り、一花回のように見えて実は三玖を語るうえで外せない最重要キーポイントで、上の話をより補強する回になっているのがこの夏祭りである。
この回、三玖と風太郎の意識は完全にすれ違っている(風太郎側はどうも思ってない)が三玖側は少しずつ意識をし始めてきて、だからこそ知り合いだと言われて腹が立ったわけだが果たして、本当に友達程度ならば知り合いと言われて怒るだろうか?
この時点で意識しているしていないに関わらず深層心理では好き、という気持ちを隠せなくなってきているのは明白だろう。
まあただ…この辺りも中々複雑だが、この後のパートナー発言と絡めると恐らく、一つの考えになるのが
本当にどうも思っていなかった訳ではなかった、から三玖は安心したんじゃないかと思う。
本当に知り合い程度だと思っていたわけではなく、ノンデリだし言葉は悪いが、風太郎側は知り合い程度以上には思っている、とその発言で確認したから安心したんじゃないか、と。
三玖からすれば風太郎がいなくなる、というのは自分を認めてくれた母親がいなくなるの二の舞だから…不安に思っていた。だからその発言を聞いて安心した、というのがこの夏祭り回を深くまで見て思ったことである。


この夏祭り回までを一言でまとめるなら、風太郎の事は意識し始めたがそれが異性として意識しているかどうかはまだ分からない、といった所だろう。
三玖側も恋愛強者な訳ではないので、自分でも自分の感情が分からない…ただ、自分の居場所として風太郎の事を思っている。その程度の想い、だという事なんじゃないかと筆者は思った。
この後は暫く特筆するところは無いが一つあるとすれば三玖の独占欲みたいのが垣間見える所だろう。この姉妹どいつもこいつもメンタル的に何かを抱えていてそれは三玖も例外ではない。
ただ、早いうちから表立った独占欲を”ちゃんと”見せる辺り四葉とは対になっているな、と感じた。



  • 中間試験~林間学校

この中間試験、四葉とは逆の意味で良い所を見せようと画策していくのは三玖というキャラクターの凄くいい部分だと思う。
風太郎に褒めてほしいから苦手な英語を頑張る、という…まあ正直なところ自己肯定感に飢えているから他人に満たしてほしい、という訳だがまあ他の姉妹がヤバいやつらばかりだから相対的に良く見えるのはどれだけこの姉妹の闇が深いんだろうかという話になる。
まあ、この後は特に進展する訳でもなく、(強いて言えば風太郎に好きになってもらえる私はここで聞いたからだからなんじゃないか)あまり面白い所は無いが一花が好意に気付いていた、という所かもしれない。
恐らくだが一花が気付いているとしたら四葉も気づいていて、実はみんなが思っている以上に恋愛戦というのは序盤から始まっていた。
ただ、一花はあくまでサポートするつもりだったからこの辺りでは特に…まあ一つだけ特筆する点と言えば一花の部屋で三玖を寝させたがこれは実は三玖が自分の部屋に戻る事まで考えていたとしたら想像以上に凄いキャラだったな、位か。まあ恐らく、流石にそれは無くて三玖が予想外の行動を取ったからフォローした程度だろうが…。まあただ、三玖が一緒に寝ていたっていう事は知っていたっていうのは特筆する所かもしれない。
この後も特に何もなくて、中間試験は終わり…三玖特有の重さを見せるわけだが、これは筆者的に考えると私(は風太郎がいないと頑張れない)だろうと思っている。
まあ、結果的には特になにもないまま終わるが。この後も特に大きなイベントはなくて小イベントが多々、特筆する小イベントは一花が三玖を後押しした後、一花の成り代わりをする話だろう。
ここの好きな人を独占したい、っていうのはこの作品の恋愛のテーマなんじゃないかと思う。この作品、一花、三玖、四葉は結局のところ他の姉妹より独占したいから三玖ははっきりと気付かされた…訳だ。
まあ、作中を見ていても風太郎に見てほしいっていうのは嫌でも分かるしそれが好きだっていうのは一花の後押しも含めて…この一花成り代わりイベントではっきりと好意を自覚した、訳だろう。
そう考えるとあんまり表だった名エピソードに選ばれることは無いが三玖の今後を決めたものすごく重要な回だと思う。
この会話がきっかけで林間学校の行動にもつながるし…地味に武田はこの作品のMVPなのかもしれない。
まあ、結果的にはこのきっかけが泥沼の引き金になる事をこの時の三玖は知るよしもなかったが…


この林間学校、この作品の主なテーマである三人の奪い合い+四葉の策略というメインテーマがここから少しずつ表に出始めてくる。
この作品は主に一花VS三玖、裏で四葉と行った形だろうか。二乃は結果的にはまだメインには入ってこない。
この辺りはまだシンプルでまずここの計算式を理解していないとこの後の家族旅行、修学旅行が異常にとっちらかっているように見えて本筋が見えてこなくなってしまうので、念入りに解説をするとする。
まず、一花は風太郎の事が好きなのは確定的に明らかでただし、”あくまでも”表には出さず残りの人をサポートするといった形で活動していくことになる。
三玖は基本的に、常にアタックをしかけたいが本人の性格、一花と四葉の妨害を受けて上手く行かないというのが基本的な流れ。
四葉は楽しんでほしいというのは嘘で、実は一番独占したい…があくまでそれを表に見えないように常に動き続けている、というのがポイントである。
まあ風太郎視点で言えばめんどうごとが増えた…という結果だが三玖の好意は結果的に気付かれていたのですべてが無駄になった訳ではない。
どうしてここまで三玖√が面白いかと思うと、作中全ての物事が重なり、一花と四葉が完全に悪役になるシナリオになるから、だと僕は思っている。
三玖視点だと完ぺき超人かつ敵の一花、手助けはしてくれるけど高嶺の花の二乃、常に裏でコソコソ動き回っていた四葉という構図になる。
この三人の動きが面白くて、また最後まで妨害され続けたのが可哀想になってしまう…まあ、恋愛は先に好きになったほうが偉いという訳ではないが流石に妨害が度を過ぎているというか、結局四葉は最後まですべてを隠し通したのが面白く感じない原因なのではなかろうか。
話を戻して、三玖は少しずつ一花の事が気になり始める。恐らくだが、三玖側から上の三玖視点の話を持ってくると、一花が風太郎にアタックした瞬間自分は勝てなくなる…と悟っているから、否定してほしくて堪らないといった所だろう。それに伝説もある、もし好きだって気持ちで踊られたら、メンタルが弱い三玖は不安でたまらないといった形。
漸く自分を肯定してくれて、惹かれ始めてきた三玖…だがその生活が壊れてしまう、と三玖は思っている。
ただ、それを表立っていうことは出来ない、三玖側からすれば姉妹は”平等”であくまで風太郎は”みんなの”家庭教師、その枷が邪魔をしてくる。
それに三玖は他二人と違って出し抜いたりしないから、一花のふりをしてそういった以上それは当然だと思っているし、風太郎と踊るのは自分は”特別”になってしまう訳だ。
まあ、独占欲みたいのがちらつくのはいけない、と。
この辺り話の完成度が異常に高くて、今でもびっくりするが…こういう事が積み重なって一花の異常行動に繋がったと思うと、異常に面白い。
ちょっとだけ一花視点になってしまうが、一花からすればたかがキャンプファイアーでまあ一つの思い出になるかな…位の気持ちだったが風太郎と話したことでそれだけ重い意味があったと知る。
一花からすればそれだけの意味を持つことを三玖が譲った…しどうしてそこまで聞いてくるかを理解した。
まあでも三玖に譲ることは深層心理では嫌だと思っている…まあ結局姉妹として三玖を大切に思う事と風太郎を思う事で常に板挟みになっている、いわば中間管理職みたいなキャラである。
まあ、結局この後の鎌倉で三玖は公平に…まあ、難しいからかみ砕いて書くと、三玖が風太郎を好きになったのは本人の行動の結果で、だからその後多くいることになってもそれは悪い事ではない、という事をこのシーンは伝えたいんだと思う。
結局三玖も姉妹っていうのが枷になっていたがここで一花とも戦う決意をする…ように見えて実はまあそう上手くいかないのだが。


漫画の描写は一旦ここで終わったので三玖の事を多角的に考えていくと、この林間学校で三玖は吹っ切れたように思える。それは自分が好きだって気持ちをより強く自覚したという形で。
この時はまだ五人の中で三玖だけ(一花は曖昧な感じ)だったから、そこそこ強気にふるまえている。
三玖というキャラの今後を形作ったという点では林間学校は外せない、最初のエピソードともいえる。確かに名シーンのような部分は少ないがどうして付き合うのか? 今後の決意等最初のクールで常に劣等感を感じていた三玖とは思えないほどに。
まあ結果的にはそれすら、四葉の手のひらの上だった訳だが…


  •  林間学校~家族旅行

林間学校での一件で、ここから三玖はどんどん積極的に行動していくようになる。しかしこの後は魔の勤労感謝ツアーがあって私は好きではない。
というのもこいつの笑顔は本当に笑っているように見えないし作中でそれが最後まで答えとして出なかった…というのがまあ、良いとして。
この後のリビングルームの告白ではそこそこ大胆になる。まあ、風太郎に意識してもらおうと行動し続ける三玖が可愛い。
この後の七つのさよなら、実は読み直して気付いたんだが絶対表には出ないものの三玖の隠れた名エピソードとして人気が高い。
というのもこの話では常に風太郎を支え続けていたし、二乃の事を説得したりと初期の三玖とは思えない…MVPのような活躍をしているのだ。
この二乃の事を説得、というのが中々表には出ないが二乃が三玖をサポートするようになるのも三玖には支えられていたからというのを知っていたから何じゃないかと思っている。
この二人の関係性は正統的なライバルで、物凄く美しい。まあ、あまり表には出てこないエピソードだが…。
この七つのさよなら、の後の辞めるエピソードも中々表に出てこない隠れた(ry。
というのもここで三玖はヘッドホン壊れてしまうのである。それでも飛び込んで、説得するという。
まあ表には出ないが、三玖の決意というのはこれでもかというほどに感じるしもう初期の一歩踏み出せない三玖ではないのである。
まあ、流石にまずいんじゃないかと思った四葉がこの後、釘をさす意味を込めてしっかりと三玖に見せつけるのは流石であるが。
この後はまあ、父親回だけど特筆する所は特になく、やはり試験回のチョコレート作成が三玖を語るうえで割と出てきやすいエピソードだろう。
あの二乃に対して、頭を下げて教えてくださいっていうシーン、ここはもう三玖ベスト3に入る1つのエピソードだと筆者は思っている。
割と、三玖は強いキャラで一花に対してもはっきりと言っている…まあ結局はそれも一花の負担を知らなかったからかもしれないが、目の前で三玖がこれだけ行動しているのを見せつけられたら一花のメンタルはもうボロボロよ。


こっからは、林間学校の応用編で更に難しくなった4人の関係性の話になるが。
一旦整理して、また二乃を含めた現状況を確認すると
一花は自分の好意を自覚しているが、三玖の後押しをしている…どうして後押しをしているかと言えば姉だからというのもあるがもう一つは三玖に負けるわけがない、という一つの傲慢ではないだろうか。
回想シーンでもあの三玖が…と言っている辺り、脅威には感じてきているがまあ一花が本気を出せば勉強も上だった訳だし、この段階ではまだ心の平穏をぎりぎり保ち続けている。
二乃ははっきりと好意を自覚して、積極的に行動し続けている。それ以上でもそれ以下でもないが、三玖は何かあったと気付いているが告白したとまでは気付いていない。
ただ…二乃が何か変わってきている、それだけははっきりと理解している。
三玖はいつの間にか、周りの関係性が少しずつ変わってきたことに気付いていた。一花…というよりは二乃だろう。一花だけではなく二乃まで、自分にはない物を持ち続けている二人がアプローチしたら勝てなくなる、という心理的不安が常につきまとっているといった所だろうか。
四葉はまあ、前の記事でも書いたがこの辺りから少しずつ本格的に行動を始めていく。
三玖だけだったなら、負けるわけがないと思っていた四葉も、一花と二乃が積極的に絡んでくるのもあって、それを止めるために動き続けていく。
さて、まあこの家族旅行を端的に表すと二乃VS三玖、裏で四葉が動くという林間学校から一花と二乃を入れ替えた話になっている。


話を漫画に戻して、三玖のこの関係性に終止符を打ちましょう、というのは煮え切らないこの関係という意味だったが…勘違いされてその真意を探るために動き続けるというのが話の流れである。
まあ三玖側はあんまり話すこともないので、ちょっと視点を一花にするが一花からすれば二乃が行動する、と知った…言わばここで完全にメンタルは折れてしまったわけである。
結局一花からすれば中々可哀想ではあるが、結局一花に足りなかったのは終始裏方に徹する心だろうか。悪を悪だと思わず、自分だけが幸せになる。それだけの覚悟が無かったから悪になりきれず罪悪感の中で揺れ動くことになってしまった。
本当にこの家族旅行で批判されるのは四葉かもしれない。一花のその行動を知り、止めたんだから。
結果的に二乃は”一花”が悪いと勘違いしたまま、この家族旅行は終わる。四葉がやった事は歴史にも乗らない些細な事。一花も話すことは無いから一生表に出ることがない闇。
ただ、ここで一花をけしかけた事でこの後の修学旅行、不仲一歩手前になるのは四葉からすれば願ったり叶ったりだろう。
結果的に面倒ごとは”三人”が起こした、というまま勘違いしたまま終わる。自分の手は一切汚さずに、一花を悪者にして。


この家族旅行、三玖を見分けるシーンは今までの積み重ねを考えると涙なしでは見られないシーンだがすべてを理解したうえで読むと別の意味で涙が止まらなくなる二重トラップがしかけてあるのでここでは語らないようにする。


さて、家族旅行までの三玖を振り返ると少しずつ変わり始めてきて、三玖は少しずつ風太郎の事を理解し始めたように見える。ただ、だからこそ自分”だけ”が変わるだけでは意味がないと思ったのがこの一連の流れだろう。
少しずつ変わりゆく日々、変わらないもの、変わるもの、少しずつ月日が流れていく上で微小レベルでも変化していく。
この、家族旅行はこれからの流れと今後の流れの架け橋になるシーンで、今までの流れがあるからこの家族旅行に繋がり、この家族旅行が修学旅行に繋がる、最も大切な話だと筆者は思う。
三玖というキャラの変化、そしてここからの流れ…風太郎の変化、そして三玖への思い…これで三玖√ならばどれほどまでに奇麗な漫画だったのだろう、と家族旅行は涙なしでは見られない長編である。



  • 家族旅行~修学旅行

ここからは主に終盤戦となり、三玖の今までの集大成のようなものがここでは見て取れる。
二乃に向かって真っ向からケーキを作りたいって言えるのはもう、嘗ての三玖じゃないんじゃなかろうか。
もう初期の頃のネガティブではなく積極的にアピールし続けていく。もう…かっこよすぎる。
勝てない戦いだと分かっていても敢えて勝負していくその姿が、本当に三玖の好きなところである。
この後は修学旅行になるが、本当の意味で四葉はサポートするつもりだったのかという別の意味の疑問になる。正直なところ、僕はそう思えない。
結局”三玖”なら成功するはずがない、というのを考えたうえでサポートし続けていたんじゃないか、というのが僕の正直な感想。
ただ…個人的な意見だと、一花の所で声を大きくしているし結果はどうであれ潰すのが目的だったんじゃないかと思う。
結果的に一花が予想外の行動をして、一花が原因にしたが根本的な原因はこいつのせいだし。

まあ、ちょっといったん整理しなおすとこの修学旅行は主に
一花VS三玖の対決…というか主に一花が独走といった形になる。
一花からすれば上で書いたように二乃が間接的な原因でメンタルが壊れてしまい、修学旅行でこのような行動をすることになった。
結局出遅れているというのが焦りで正常な判断が出来なくなっていた…まあ、二乃の告白、三玖の行動を間近で見ているからそうなってしまっても仕方がない。
一花は最後まで三玖と二乃を対等に見ていた、それが壊れる原因だったんじゃないかなとは何となく思う。その点四葉は全員を見下していたから”三玖”なら負けると思っていたし他の誰も勝てるとは思っていなかった。
その後成り行きで三玖の振りをして、告白をする所でも三玖の振りをして…
まあただ、告白そのものを潰すつもりは無かったんじゃないか…どっちにしろ罪悪感に押し潰されそうになったから保身に走ったという、四葉とは真逆のキャラ。
結果的に一花がすべて悪いという事になり、この話は終わるが…あまりにも一花が可哀想だな、とは常々思う。
三玖はダウンしているので、四葉の事を書くがこの棚ぼた的に手に入れた二人きりツアー、本当は三玖の告白が失敗した後にこの立ち位置を狙っていたんじゃないかと思う。結果的に…早まっただけで。
ただ、四葉の致命的な誤算は風太郎が好意を抱いているのを知っていた…ここの四葉は凄く大好きで自分が思っている以上に三玖をちゃんと見ていた、という動揺。
この時なぜ動揺したような表情をしたかというと恐らくだが、度が過ぎている…という言葉をそれだけサポートしないと土俵に立てない、と捉えたんじゃないかと思う。
要は三玖は何もできない、っていうその立ち位置で四葉の考えは止まっていた。実際は、もう前の三玖じゃない事は明らかなのにね。

まあ結構、修学旅行は波乱万丈だったけど最終的に…四葉が勝利だとなるとこれはなんだった感が酷くて、そこが三玖√を支持する理由の一つでもあるんだが三玖が可哀想過ぎるのが一番大きな点かもしれない。
僕のツイッターでも何回か書いてるけどこの物語を三玖のシンデレラストーリーだと考えるとものすごくよくできていて、風太郎に出会って全てが変わり、勝たなくては行けない、悪女の一花、近いのに自分とは真逆の二乃、裏で策略をする四葉との勝負だと思うと凄くきれいに話が着地する。
本当の意味で三玖を邪魔していたのは僕は四葉だと思うし、最後の最後まで三玖を対等に見ないで勝負が終わった四葉に腹が立つのかもしれない。


まあ、話は戻して色々あって告白するシーンだが、ここはもうこの物語屈指の奇麗なポイントで正直三玖√だとしたらここで終わっても良いんじゃないかな感がある。というか終われ。
結局三玖のサクセスストーリーとしてはここで奇麗に着地していて三玖が涙する所はもう、あまりにも感動して泣いてしまう。
物語最初から何も出来なくてクソ不味い料理を出していて、常に行動できなかった三玖の成長物語として…本当にきれい。
正直三玖は陰キャだとか言われるけど本当の意味で物語を見るとものすごくかっこいいキャラだって事を今回の記事では伝えたくて、自分にとって良い理解者である…というポジションを捨ててしまうかもしれないけど、それでもその先にあるものを掴みたいっていう。
常に逃げずに姉妹や風太郎と向き合い、真っ向から戦った凄くかっこいい女性、それが三玖である。
(まだエピソードは残っているけどそれは三玖√に進むと仮定した場合の時に書きます)

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