アイカツ一期から見るいちごと美月の関係性を多角的に捉えてみる

はじめに


 タイトルの通りだが、目次を見て頂いた通りに今回は一期の二人について関係性をフューチャーしていこうと思っている。
その前に、今回のテーマは二期以降で否定されている。
なので当たり前だが世間一般のいちごと美月の関係性とは乖離していて、真っ向からアニメの展開に喧嘩を売る内容と化している。
それでも、もし私と同じように感じている人間がいるのなら、この記事はきっと……有意義なものに感じると思う。そう思い、この記事を書く事にした。
だから、二期以降も好きな方は読むのを控えた方がいいし、更にいえば美月もやめていない。
そのような都合の良い設定だけを拾って描いたのが、この記事だ。
長くなったが、早速メインのコンテンツへと入る。


いちごについて


まず、いちごと美月の出会いだが、これは1話を見れば分かるように、美月のステージをいちごが見た、という感じだ。
この時のいちごは、それ以外が手につかなくなる憧れ…そう、なりたいという気持ちだった。
その後の暫くもいちごは美月の事を絵に書いたような完璧超人だと感じていたが、それが覆されるのが3話、マネージャー回の話だ。
3話で、美月が想像以上のトレーニングを知ったいちごは、私たちと同じなんだ、という気持ちに至る。
この3話で、いちごは美月の事を神のような完璧な存在から、普通の人間だと、考え方を改めたが、まだそこまで変化は起きていない。
というのも、まだまだ美月の事を知っているようで何も知らないからだ。
その後も美月は多忙という事もあり美月と関わる機会は中々訪れない。
次に美月といちごが本格的に関わるのは13話だ。
と言っても、ここではいちご視点の話なので余り触れないが、この話で美月の思った通りと判断されたいちごは16、17話で美月のライブに参加することになる。
普段関われない美月といつも以上に関わる話だが、この話では美月の努力という形を肌で感じることになる。
忘れがちだが、スペシャルアピールはそもそも誰でも出せるものではなく、一回出せるだけでもとても大変な事なのだ。
私が思っている事は美月も感じている事、その事を理解したいちごはさらに練習を積むことになる。
結果は無事に成功し、この話で更に近づいたと思っていたいちご。
それでも美月は更にその上、四回を出せる事を知ってしまう。 
この辺りでもまだいちごにとっては美月は憧れだ。
ただ、あの時の完璧超人とは違い、一人の人間として尊敬をしているように少しずつ関係は変化してきている。
この後もまたいちごは美月に近づくために、猛特訓を重ねて、一つの節目、フレッシュガールズカップへと歩みを進めることになる。
一年目の関係性の変化はこんな感じだ。
いちごは美月の事を憧れて入学し、美月は何でもできる天才だと思っていた。
それでも実際には違くて、とても近い、それでいてすべての事を積み重ねている人だと。
一年目の関係性を端的に言えば、憧れだ。まだまだ超えられないと思っている壁、
ただ、それは今から描くフレッシュガールズカップを迎える事で変化していくようになる。

2年目、いちごも先輩になり今まで以上に忙しくなる日々。
いちごは引っ張られるだけではなく、引っ張る存在となったが、そんないちごにまたしても美月とステージに立つ機会が用意された。
フレッシュガールズカップだ。
私はこの話はとても大好きで、後ほどこの記事だけを書こうとも思っているが
この話の肝の部分は、いちごと美月の関係性の変化だと思う。
いちごにとってこの大会を乗り越え、美月への想いは……倒すべきライバルへと変化した。
この話についてはできるだけいちごと美月の関係性について特筆するので、それ以外の部分には触れないが、美月から勝てるかもしれない、と一介の望みに全てをかけて本気でぶつかっていく。
結果は、勝利出来なかったが、あの時とは違い美月の完成度の高さを改めて理解したいちご。
そしてふと彷徨った夜で美月に会い、美月の真意を知ったいちご。
倒すべき存在だと思っていたいちごだったけど、ここでいちごの目標は更に変わり
美月と同じステージに立つ、その気持ちに変化した。
ここのお話は後の項でも使うので、残りの五分だけでも見て頂けると分かりやすくなるかと思われる。
 さて、フレッシュガールズカップを終えて、またしても練習を積むいちご。
トライスターのオーディションでいちごはあの時の美月の言葉を知る事になる。
いちごからすればまたとないチャンス、本気でぶつかり、美月に選んで貰えるように努力をしたけれど結果は不合格。
だが、スターアニスとしてチャンスが回ってくる。
ここでいちごと美月は念願の同じステージに立ち、一つの夢としては叶っただろう。
ただ、いちごの満たされない気持ちはきっと……あの時のように二人で立つ、その事だった。
さて、50話を迎えたいちごは美月に負けないぐらいに輝く為に、渡米をして更に自分を磨く事を決意する。
ここまでが、後半のいちごの思いの変化だ。
後半ではどちらかというと、美月は倒すべき存在で、それでいて同じステージに立ちたい、中々複雑な心境とも言える。
もう既に憧れという気持ちは消えて、お互いを高め合う存在として意識していたのだ。
ヒラリヒトリキラリはきっと、いちごと美月の関係性を描いた曲、なのだろう。


美月について


さて、今度は美月の視点へと話を変えていく。
美月からするといちごは常に番狂わせ、と言った感じだった。
1話の時点でスペシャルアピールを出し、その後も必死に食らいついていくいちご。
だが、美月がいちごを特別な存在として感じたのは1617話の事だろう。
この話で美月は直々にいちごを指名して同じステージに立つ事をいちごに説いた。
しっかりと美月に着いていき、自分の役割を果たしたいちご。
この時点で美月はいちごと組む事を半ば予想していたように思える。
というのも、美月のステージ付いていくのは尋常ではないからだ。
トライスターの項でも触れるが、美月にとってユニットとは余り触れたくない出来事でもある。
いちごがついていけるか不安だったが、しっかりとついてこれたいちごを見て美月は、とても嬉しかったはずだ。
この辺りから少しずつ美月にとっていちごは、自分を超えることが出来るかもしれない唯一のアイドルだと思い始めてくる。
フレッシュガールズカップでは、いちごとぶつかり合い、いちごにのみ自分の本音をぶつける。
私はここで、トライスターにいちごを入れる事は何となく予想していたのかもしれない。
だが、美月はいちごを外した。
理由は至極簡単だが、トライスターという枠組みでいちごは終わらないと思っていたからだ。
トライスターというユニットは美月と同じくらいに輝ける三人の星が集まる、というのが表向きだが実際は美月流のやり方で三人輝く、という事とイコールともいえる。
続く45話で、いつか、私と同じくらい輝く太陽になって、と残しその時に組むと美月は言う。
月と太陽、お互いがお互いを支え合い、どちらも負けないぐらいに輝くその二つ。
星という枠組みを超えて、同じ空で負けないぐらいに精一杯輝ける二人。
まだまだいちごは輝いてくれる、そう50話で確信したはず。
この辺りはスターアニスの項で補完するので、そちらも合わせて読んで頂けるとより深く理解できるかと思う。

ソレイユとトライスター


ソレイユとトライスターは、一応は対抗ユニットのような存在となっている。
どちらもいちごと美月がリーダーでその二人についてくるという形は変わらない。
違う点といえば、いちごにとってソレイユは太陽であり続けられるがトライスターでは美月は星になってしまう、その違いだ。
さて、ソレイユというユニットはトライスターありきのためトライスターについての掘り下げから開始していくが
トライスターというユニットはずばり、美月の思惑と学園長の思いが混じり合った複雑なユニットとも言える。
私は恐らくだが、学園としては四人ユニットを押し出したかったのではないか、と考えている。
これは全くの推測なので余り間に受けないで欲しいのだが、本当に美月が組むのならば私は二人でユニットを組むはずだ、と考えている。
憧れのマスカレードが二人だったので、三人では合わない。
どうして三人になってしまったかというと、これも推測でしか無いのだが上でも描いた通り、学園が四人組のユニットを推したかったけども間をとって三人になったのでは無いか、というのが私の考えだ。
トライスターは美月と同じくらいに輝ける三人、というのは表向きで私は美月流のやり方で周り二人を美月と同じぐらいに引き立てるユニットだと私は考えている。
美月と同じぐらいの実力を持つアイドルを学園に作る、というのが学園長の思惑なのでは無いか、と。

美月流とは何かといえば、本編の美月。この辺りは蘭の行動を見てくれれば分かりやすいのだが、美月に友達はいないし、常に一人だ。
頼まれれば嫌でもやる、それが明日でも。神崎美月を演じている以上は完璧な神崎美月を演じなければならないのだ。
それはつまり、それ以外の事を犠牲にするという事、正直このユニットは蘭でなくても普通の人ならば成り立たないと私は考えている。
蘭を選んだのはあの三人で、まだ孤立していそうだったから。
中々悪口のような書き方になってしまうが、元々蘭は孤立していた事を美月は知っていたからあのメンバーで蘭を選んだのだと私は思う。
ただ、蘭の本心までは分からず……結果としては、またしても美月についていけない人を増やしてしまったのだが。
この辺りでソレイユを作った学園長の外堀の早さは流石とも言える。私は蘭が抜けてしまう事を学園長は恐らく理解していて、それでいてソレイユを結成したのでは無いか、と考えている。
当たり前だが、建前上この三人の中からまた一人を選ばなければならない。
だが、当然誰を選んでもこのユニットは失敗する。だから、先に残りの二人を結成させてしまえば、それ以外から選ばざるを得ないだろう、という事だ。
結果としては、アイカツランキングの順位でまだ残っているユリカを選ばざるを得なくなった。
この事に対してユリカを選ぶのか、という意見もあるが私は至極当たり前だと思っている。
アイカツランキング上位八人のうち、唯一空いていたのがユリカしかいないのだ。
乙女とさくらも声をかければ来ないわけでは無いと思うが、最も確実にくるのは空いているユリカだろう。
そして、ユリカは孤立していたからついていけた、と。
まあ、実際はどうなのか分からないが、ついていけたのでは無いか、と私は思っている。
さて、トライスターというユニットは美月流の輝きでその二人を美月と同じくらいの……悪くいえば美月のおまけになるわけだが、ソレイユはそうではない。
トライスターのオーディションでも言っていたが、いちごはリーダーになるに相応しい人間だと私は思っている。
美月とは全く違う考え方で、そして美月と同じくらいにまで上り詰めてきているいちご。
蘭というキャラはトライスターとソレイユとで明らかに表情が変わっていたがそれは、いちごと美月の人間性の違いだった、という話だ。
いちごは周りと一緒に周りを引っ張っていけるアイドルだが、美月は自分がトップを走り、それに周りがついてくるアイドル。
似ているようだが、その実態は少し違くて、美月は孤独という事だ。
美月もいちごを見ていて勘違いをしていたように思える。ついていけるかえでが例外だっただけで、本来美月に食らいついていくのは並大抵のことではないのだ。
やり方の違いだから、どうこうは私にはいえないが、一つだけ言える事は
美月はそのことが分からなくて、結果的に蘭を振り回してしまったが、これは美月にも足りないところがあったからだ。
スターアニスの件で美月の提案だが、これは美月からすれば中々凄い挑戦だったと私は思っている。
普段トップを走り続けていた美月が蘭の事を理解しようとした、と私は考えている。
つまり、友達とはどういう事なのだろうか……と。
誰かと支え合うとは……それ程までに大切なのだろうか、と。

スターアニスを通じて色々な事を経験した二人


そしてその答えとは

先ほど少し描いてしまったが、美月にとって得ることも多かったスターアニス
そしていちごにとっても再び美月と共演できたという事実。
この経験を通じて美月は美月という人間に終焉、つまりフィナーレを迎えたと私は考えている。
今までのトップを孤独に歩いてきた美月は終わり、いちごのように周りを引っ張っていける人間になろう、と美月は思ったのかもしれない。
まあ、明言はされていないが、美月の提案と仲良しツアーという言い方からして
いちごの考えを理解したのは確実だろう、と私は考えている。
そしていちごも美月という人間に触れ、そして余り話したことがなかったかえでに触れることで、それについていけるかえでの生き方を知ったいちご。
私はこの時いちごは、美月は孤独だったんじゃ無いか、と悟ったと考えている。
アメリカに行く、というのも恐らくは美月の孤独を少しでも理解したかったから、と思いたったのでは無いか、と。
今のままではソレイユ、そしてスターライト学園のメンバーがいる以上、どうしても本当の孤独にはなり得ないからだ。
そして、45話でいちごの提案の深意、美月さんに負けないぐらいに輝く太陽になります、という本当の意味は
美月さんの考え方、トライスターの経緯を理解して、それらを全て踏まえても
私は美月さんと同じように輝けるアイドルになります、という意味だと私は考えている。
美月も少しずついちごの考え方を理解し、歩み始めたあのツアー。
そのいつか、とは二人がお互いの考え方を理解して、お互いがそれでも対等にいられる日、私はそう考えている。
あの日、アメリカに渡る決意をしたいちごの事を美月は、理解したのだろう。
いちごに出会わなければきっと……美月はこの考え方を知らなかっただろうから。
だから、“ここまできたね。貴方に会えて、良かった“
私はこの言葉でこの物語を終わらせたい。
このアニメはいちごと美月、どちらもあの日、初めていちごが観に行かなかったら
二人は出会うことが無かったのだから。

後書き


さて、以上のことを踏まえていただけると私という人間がどうしてこのアニメについてそこまで惹かれてしまったか、理解できると思う。
はっきり言うと私は、割と自分の考えが正しいと思い込んで、それを絶対だと考えてしまう癖のようなものがある。
これもアニメを見ていれば、そう言う考えには至らないと思うのだが、私はここまでの道筋でゴールを迎えたと私は考えてしまっている。
仕方ないが、才能……という言葉があるのならば、ここまで思い込みが激しいのも
一つの才能……という事だ。
私はこれを受け入れて、アイカツというコンテンツが終わりかけている今でも
初代と向き合う覚悟をしている。
何回か、思い直したこともあったけど、どうしても……初代というコンテンツ以外に私は、ハマることができなかった。
いや、正確にいえば、初代というコンテンツに触れてしまった時点で、その後の事は決定されてしまっていたのかもしれない。

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