タイパとコスパに呪われた現代において奇しくも懐古主義と迎合した話

以前書いた記事の続編になります。タイトルは変えました。

以前の記事のリアルオトナ帝国化している要因は少子化と30歳以上の金を持っている層にターゲットを絞っているから、と書きました。
少子化が進んだ現代では子供向けアニメですら大人を直接ターゲットにしたほうが早い、と。
今回の記事はそれだけ抑えていれば読めます。

また非公開にしましたがググるという言葉が死語になったと同じぐらいに考察系アニメは絶滅した、という記事も書きました。
そちらの記事は悪い意味で検索エンジンが機能しなくなった結果個人の考えに辿り着くことは難しくなり、同時に現代のバズり優先に切り替えたアニメと考察系アニメの相性が悪くなった結果、数年後にも語られる作品は減ったと書きましたがそちらの文脈もある程度こちらの記事では受け継いでいます。


現代においてタイパとコスパは何よりも最優先される事で、どちらかというとアニメというコンテンツはタイパを優先される事が多いと思う。
元々がコスパ0に近いので、次に優先されるべきものはタイパ(大抵話数)だろう。
今の時代において長々とやるアニメはウケない。例外はジャンプ系アニメぐらいでそれ以外は長いというだけでまず視聴するものから外れていく。
これが悪い意味で顕著になっているのがポケモンで、新無印は悪い意味で現代のコスパタイパを重視したようなアニメだった。
ファイナル4だけ異常な再生数を誇っていて明らかに全部みてねーだろって層まで巻き込んでいた(まぁ私も新無印は全部見ていないのだが)し、下手したらアニポケを見ていない層まで見ていたのがあの話だろう。
まぁ全部を見るとタイパが悪いしコスパ優先した結果がこの話で、悪い意味で現代のアニメなのだが。
以前書いた記事で現代はバズり優先でアニメが作られる、と書いたし悪い意味で内容を見ている人は減った、と。
水星の魔女はガンダムで土台がしっかりしているから語られるけどリコリスリコイルは恐らく数年後語られない、と。
特にリコリコはシナリオが面白い、という人も悪い意味でどこの話数のどこが面白いと語る人は少ない。どちらかというとキャラが可愛いの方が語られている気がする。
まぁ、業界人からは褒めて貰えなかったというのが悪い意味でそのとおりだろうな、とは感じた。
現代においてウケる=面白い、とは必ずしも繋がらないのである。現代においてコスパは0に近いので置いておいてもタイパ(どこからみてもOKな話)、話題性(取り敢えずバズ優先、内容の面白さよりSNSウケが大事)、あまり長くない(良くて2クール、それ以上は恐らく無理)の3要素が必須になってくる。
悪い意味で人類総オタク化した結果、アニメは毎週盛り上がれるエンタメと化して複雑な要素はオミットされた。
アニメをアニメとして見ている人は減り、造り手もそれを重視して今だけ話題になれば良いとして作っている。
令和系アニメとは正に今だけ盛り上がれば良い、信用の切り売り、というのが正しいのかもしれない。
その結果長く語られるアニメは減った、それどこからアニメは減っている。

良くわからない深夜アニメ(なろうだったり)が増えているから気づきにくいものの、長く続いているアニメは現代においてほぼ無い。女児向けアニメは壊滅したし男児向けアニメも昔はゴールデンでやっていたものの現代はほぼ…というか無い。
コナンは頑張っているが、コナンが人気なのはゴールデンでちゃんと放送しているというのも大きいのかもしれない。そのコナンも子供向けかは最早怪しいが…。

そして今でも語られるアニメは夕方アニメが多い、例えばイナズマイレブンとか既に遊んだ人は10年以上前に近いのにも関わらずそれでも時々話題になる。アイカツも初代は10年前なのにそれにも関わらず今でも話題になるのは初代だ。
タイパを優先する現代において、今でも話題になるものは昔の…タイパが悪いアニメ。セーラームーンもそうだろう。
結局今でも語られるアニメは長く、話がしっかりしているものの方が多い。
最もこれは子供向けだとしても手を抜かず、真摯に取り組んで作っていたからこそ大人になってからでもファンを失っていない、という事なのかもしれないが。

その意味で現代では10年後に語られるアニメはジャンプ系しか残らないだろう。それ以外は面白いアニメを作ろうとしていない、と言っても過言ではないかもしれない。
そもそもの話現在の1クールでは面白いアニメを作ることなど不可能に近いのだが…。そして悪い意味でバズ優先のアニメになる。
その結果、現代のコンテンツは最初から集金としては期待されていないのだろう。結果として今更になって20周年等をやって過去キャラを使うという自体になるのだ。

深夜アニメはバズり優先になった結果刹那的に消費されるエンタメと化した。そこには数年後にも語られるかどうかは念頭に置いていないし、造り手側もそう割り切って作成している節がある。
そして夕方アニメはそもそもの数が少なく、新しいものが生み出されなくなった結果延々と昔のコンテンツを擦り続けるようになった。
最も子供がいない現代においてわざわざゴールデンに放送する意味がないとも言えるし(クレドラも左遷させられた)、悪い意味でコスパタイパが重視されている現代においてロングスパンのアニメはウケないだろう。
更に言えば夕方アニメは長くやる都合上どうしても作画の質を落とさなければならず、深夜アニメに慣れた現代において作画が落ちてる夕方アニメが優位に立つことも難しい。(これはポケモンが顕著だがアニメに出ると可愛くない論争が起きる。そもそも予算がそこまでないから仕方ない)ストーリーも長すぎて語られることも少ない。悪い意味で一年単位で物語を作ろうとするとどうしてもバズとは無縁になりがちだからだ。

この2つが噛み合い、そして以前に書いた少子化+30歳以上の金持ちをターゲットにした結果悪い意味で世の中懐古主義が蔓延する世の中になってしまった。

最もこれはアニメ・ゲームにのめり込むことがゼロサムゲームだからかもしれない。
いつまでも昔のコンテンツにいられても困るわけで、次に次にと見るアニメを変えて一年あとに語られない方が売り手としては都合がいい。
結果として造り手側の質は落ち、消費者側も内容を見ていない。そしてアニメは最早オタク文化のメインカルチャーではない。


現代のオタク文化の最先端がソシャゲVTUBERなのは、大凡理解されていると思うが、これも悪い意味で令和コンテンツでありどっちも10年後を見据えていない。ソシャゲは悪い意味で終わるときは終わり、VTUBERも結局はエンタメ性に振り切っているから何年あとも語られることは稀。不祥事以外だとレジェンドココとか四天王とかその辺りで、これだけいるのにも関わらずいなくなったらそれで終わりが9割である。
最早現代において全てのコンテンツはインスタントと化している。導線を広くして集金も手広く。そしてソシャゲでシナリオ重視にすると大抵は破綻する。根本的にソシャゲと終わらない物語の相性は悪いからだ。
私がそう感じたのはプロセカで、メインストーリーを終わらせるわけにもいかないから大抵が薄めたカルピスのようなシナリオになる。
25というユニットがいるものの、イベントストーリーは二年近くやって一向に進まない。最近漸く進んだが、それもメインストーリーに比べると雀の涙だ。
そしてそうして膨らんだシナリオを公式側も把握できないから無駄な所でミスをしてシナリオ重視なのに矛盾が発生することになる。
これが令和コンテンツであり、ソシャゲというコンテンツは引き伸ばさなくてはならないから追われない。
そうして長くなると新規は入らない、結果的にずっと追いかけている人をターゲットにする。
その結果が閉じコンになり、グラブルのようになる。

似たようなコンテンツにバンドリがあったが、あちらも増える新規<減る懐古が明確になったからかRoseliaで集金を行なって炎上した。
最もバンドリは悪い意味で公式がD4DJに切り替えようとしたのもあったが、ソシャゲなんて大抵そんなもんなのである。
バンドリが10年後も愛されるコンテンツかというと、正直な所厳しいだろう。
終わりがない物語はそれだけ新しい人も入らない。結果的に無理な集金を行なって更に人が離れる。

最初はタイパもコスパもよくても結果的に後から入る人からするとタイパコスパが最悪なものになるのは皮肉なもの。

そうなると結果的に新規コンテンツよりも昔のコンテンツの方が長く愛されて制球力が高いという自体になる。終りがある物語はそれだけ入りやすいということにもなるし。
後に書くが、現代のコンテンツに置いて信用の切り売りをしているのはアニメだけでなくゲームもそうだ。
どこもかしこも場当たり的な対処を行ってその先を見ていない、しんのすけが未来は素晴らしいもの、として語ったオトナ帝国は間違っておりケンやチャコの目指す未来が現在の2023年では起きているという頓珍漢な自体が起きてしまった。
最早現代において我々若者はオトナ帝国と化した世界に入れてもらう側になってしまいターゲットから外れているけどいさせて貰っている、という事が起きている。
そういえば、関係ないけれどオトナ帝国でひろしがこの幸せ、お前たちにも分けてやりたいぜ、というのがぶっちゃけ嫌味だよね、というツイートを見かけた。
令和という時代は目に見えないけれど変化が急送的に起きている、恐ろしい時代なのかもしれない。

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