公認心理士の法と職業倫理の違い



メンタルヘルス領域における職業倫理の概要

  1. 職業倫理の定義:(金沢,2006)によると、ある職業集団 において、その成員間の行為や、その成員 が社会に対して行う行為の善悪を判断す る基準として、その職業集団内で承認され た規範。簡単に言うと職業にまつわる「やってはいけないこと」「やった方が望ましいこと」という基準。

  2. 主要な倫理原理: (Corey et al., 2003)は 「命令倫理」 「理想追求倫理」をまとめている。命令倫理とは、「秘密を守る」「クライエントを傷つけることはしない」など専門家として最低限の基準に従って行動するレベル。理想追求倫理とは基本的人権の尊重、専門家としての資質の向上など、専門家として最高の行動基準を目指すレベル。

  3. まとめ:(慶野,2007)職業倫理を遵守するということは、決められていることに沿って行動すればいいのではなく、人々の幸福と福祉に貢献するために、専門家として最高の基準を目指し、熟練してもなお自分を高めようとする姿勢が求められる。

メンタルヘルス領域における法の概要

  1. 法律の概要:公認心理士の法的義務は「公認心理士法」第4章「義務等」に「信用失墜行為の禁止」「秘密保持義務」「連携等」「資質向上の責務」「名称の使用制限」がある

  2. 違反した場合:罰則が設けられている

職業倫理と法の違い

chatGPT4.0より生成

 1. 職業倫理まとめ:特定の職業内での行動や意思決定に関する道徳的、哲学的原則を示す。これには、その職業固有の価値観、慣習、行動規範が含まれ、職業上の標準を設定し、専門家の行動を指導する。これらの原則は、しばしばその職業の専門団体や組織によって定められ、専門職の品位維持や職務の遂行における道徳的指針を提供する。
 2. 法まとめ:社会全体に適用される規則や規範であり、政府や立法機関によって制定されている。これには、個人や団体の権利や義務を定めることに加え、違反した場合の罰則も規定されている。法律は社会秩序の維持や公正の確保を目的とし、強制力を持って適用される。
 3. 職業倫理と法の主な違いは、職業倫理がより専門的な行動規範に焦点を当て、自己調整的な性質を持つのに対し、法律は社会全体を対象とし、違反に対しては法的制裁を伴う点にある。また、職業倫理は、法律で規定されていない領域においても専門職の行動を指導する役割を果たす。職業倫理は、法律に補完的な役割を果たすこともあり、より高い道徳的、倫理的基準を職業に求めることがある。



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