ガストンという英雄がいた【美女と野獣】

こんにちは。花巻です。

今日、金曜ロードショーで「美女と野獣」をやるそうですね。
私はこの作品が大好きです。
なかでも悪役として描かれている「ガストン」はお気に入りのキャラクターの1人です。

私は彼について、思うことがあります。
彼は本当に悪人だったのだろうか。
以前私はTwitterで、「美女と野獣の本当の悪役は街の住人達なのではないか」という呟きをしました。
今日はそのことについてぜひ、皆さんにも考えていただきたいのです。

物語の中でガストンがしたことは
・ベルにしつこく求婚
・森から帰ってきたベルの父を狂人扱い
・野獣を殺すため街の人達と城を襲撃
・野獣の脇腹を刺す

めちゃくちゃ悪いヤツじゃないですか…
そう思うのはこれが主人公目線で描かれた物語だからです。
今度はガストンの目線で再構築してみましょう。

ガストンは街で1番のハンサム。狩猟の腕もピカイチ。街の人には慕われて、女の子にもモテモテ。
しかし、ただ1人ガストンになびかない娘がいた。街1番の美女、ベルだった。
彼女は読書好きで空想家で、街の人から「変な子」だと思われている。
ガストンはそんなベルに思いを寄せていた。
もし、街のリーダーのガストンと結婚すれば、みんなの見る目が変わるかもしれない。
ガストンはベルに求婚したが、ベルに「野蛮な人」と断られ、家から追い出されてしまう。街の人はそんなガストンを笑った。

酷く落ち込むガストンは酒場でルフゥや仲間たちに励ましてもらい元気を取り戻す。
そんな中、ベルの父親で発明家のモーリスが酒場に助けを求め駆け込んでくる。
モーリスはベルが野獣に捕まり牢屋に入れられたと叫んだ。
そんなモーリスを街の人々は「頭の変な老いぼれ」と笑い者にした。
ガストンはモーリスの言葉を聞くとひらめき、モーリスを精神病院に入れることを企てる。
そうすればベルとの結婚を邪魔する人は居なくなると思ったのだ。

ある夜、モーリスを連れていこうとしているとベルが街に戻ってきて「野獣の話は本当だ」と言い、魔法の鏡で野獣の姿を映した。
驚き恐おののく住民達にガストンは「こんな野獣を生かしては置けない」と告げた。
モーリスとベルを閉じ込めていたのだから、人々がそう思うのも無理はない。
ベルは野獣が人を襲うことはないと必死に弁明したが、誰も聞かなかった。
それどころか襲撃を野獣に密告するかもしれないと、モーリスとベルを荷台に閉じ込めたのだ。
こうしてガストン達は野獣を殺そうと城に向かった。

城に着き、ガストンは1人で野獣の元へ向かった。
野獣は酷く落ち込みながらバラを見つめていた。ガストンはそんな野獣に背後から矢を射って、追い詰めるも野獣は抵抗をしなかった。
ガストンがトドメを刺そうとすると、ベルの声が聞こえてきて、野獣はガストンを跳ね除けガストンを追い詰めた。
バルコニーから落とされそうになったガストンだったが、野獣は命乞いをするガストンを哀れみ「出ていけ」と言い放ち去っていった。
そして野獣はベルと再開するが、その隙をついてガストンは野獣の脇腹を刺すと、バランスを崩しバルコニーの下へと落ちていった…。

これが、ガストンの物語です。
たしかに、ガストンは心のキレイな人だとは言えません。
かと言って、悪だとも言えないと思うのです。
彼はリーダーであるが故、街の人達のヒーローになろうとしたのではないでしょうか。
もしこれで野獣を倒していたらガストンはきっとパリの英雄として語り継がれていたでしょう。

先にも書いた通り、私は街の住人が1番の悪だと思います。
誰もガストンを止めようとせず、一緒になって野獣を殺そうとした。
あんなに優しそうなパン屋さんが武器を持って森を進み城を襲撃した。
そんな住人達ですが、これって私たちの誰もがなり得るキャラクターなんです。

リーダーが何かを言い出し、誰も文句を言わずに間違った道に突き進み、それがいつしか正義になってしまうのです。
間違いに気づいた途端、誰かを責め自分たちの正当性を主張する。
そんな住人達にならないように気をつけていきたいですね。

こんな話をすると、あるディズニー映画を思い出します。
「イントゥ・ザ・ウッズ」です。
イントゥザウッズは比較的新しい映画ですが、日本語吹き替えがなかったことも相まって、それほど話題にはなりませんでした。
…と、この話をすると長くなるのでまた次回。

今夜は金曜ロードショーで「美女と野獣」が放送されます。
みなさんぜひ、ガストンにも注目して見てみてください。

それでは今日はこの辺りで。

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