東アジア反日武装戦線について(3)
東アジア反日武装戦線というと、それこそ この「東アジア反日武装戦線」の名それ自体にも、ある種の興味あるとおれにはかんじられることがつたえられている。 この名は"狼"部隊【おおかみ・ぶたい】が案出して云いだしたものだとのことで、これも松下竜一【まつした・りゅういち】の本『狼煙を見よ』でしった知識だとおもう。
これがほかのセクトにない独特の名づけかただというのは、その〝考案者〟らがこれを〝ひとりじめ〟とか〝独占〟をせず、そのたたかいをあるとみとめる者ならばだれもが自由につかってよいとして、いわば〝無断使用可〟の〝無料公開〟というか〝解放〟しての〝公共物〟のようなものにしたことだ。 数十年まえのわが朝におけるアナログでのフリー₌コンテンツともいえようか。 こんな名づけかたをしたセクトは当時もいまもこれしかないのではないか。 ほかにそのたぐいをしらぬ、おもいださぬ。 この独自性は、いかにもダイドージという独特の個性のもちぬしがひきいる部隊らしさのあらわれでもあるようにおれにはかんじられる。
"大地の牙"や"さそり"など後発蜂起グループは、最初の先発者・狼部隊による「東アジア反日武装戦線」名の説明をうけて、主体的にそれに呼応して、このおなじ名を自称した。
こういう名づけかたや、こうしたこの名のあつかいを、『狼煙を見よ』をよんだときからおもしろいとおもっていたおれは、そののちむかしはキリスト暦1996年12月に、かの南アメリカ大陸のペルー国リマ市の駐在ニッポン大使公邸が、現地の武装ゲリラ・トゥパク₌アマル革命運動【MRTA】に占拠された事件に関して、つたえられるその武装ゲリラたちの非暴力主義的にきわめてよく統制のとれているらしいことにいたく感心・感激するとともに、これはいわば〝南アメリカ反日武装戦線〟とか、あるいは〝国際反日武装戦線〟と名づけることもできる事態だなぁなどともおもっていた。 オオカミ部隊の同志たちがわれわれニッポン人民に〝無断使用可〟の〝公共物〟として〝解放〟してくれた名称であり、こういう多少の変則的応用をほどこしての借用にも、同志らはきっとおうようにわらってためらうことなくみとめてくれるにちがいあるまいばかりか、地球上につぎつぎ展開しつづけるあらたな情況に応じて、自分たちの造語がときをえて臨機応変に適用されながらひろがってゆくことを、むしろおおいによろこんでくれるにちがいなかろうなどともおもいつつ。 真正左派のこころとはけだしそういうものでしょう。
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